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第三章「魔法学園の劣等生 魔法技術大会編」
第143話「VS タニア ①」
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「ノゾミン! 君はどんなことをしてボクを楽しませてくれるのかな?」
タニアは嬉しそうに話しかけてくる。これが普通のデートかなにかなら気の利いたジョークの一つも……いや、思いつかんな。
「気をつけろ、そいつは強いぞ!」
「へぇーオヤジより強いのか……」
「ああ強い。そして良い尻をしていた」
バージル卿の言葉に「ですよねー」と応えておく。
オレは以前戦ったしぃ――まぁ、負けてないけどぉ。勝ってもいないけどぉ。
「魔法少女タニアちゃんは無敵なんだよ!」
「それで? 必殺技は?」
「うーん。先制攻撃?」
何故に疑問形? しかもそれは技じゃない。
「悪の組織を先制攻撃でぶっ飛ばすのさ!」
悪い事してないのに先制攻撃される悪の組織は――ただの被害者でしかない。こいつは何を目指しているんだか……
「さあ――始めようか!」
タニアの合図で唐突に戦闘が始まった。
「ウルトラアターック!」
タニアが飛び込んでくる。何も考えていない頭突きだ。相手がタニアでなければそのまま受けても良かったのだが、オレは飛び退いてそれを回避した。
タニアの頭突きが壁を突き破る。彼女は丈夫な頭をお持ちのようだ。
「ふふん。よくぞ避けたな……勇者よ!」
お前はどこの魔王だ。
周囲のスキャンは完了している。この部屋以外に人はいない。
「場所を変えるってのは?」
「うん。いいよ」
オレの言葉にタニアは即答した。その辺の返事の良さは相変わらずだな。
躊躇せずタニアが飛び降りる。ここは四階だ――これくらいで怪我をするとも思えないが。
「ノゾミ君!」
アメリアが飛びついてきた。受け止めるとそのままキスの嵐だった。
「あお、やるじゃねえか色男!」
「キイイ! 私のアメリアを!」
「そんな男になんちゅうことを! アメリアちゃん! おのれぇノゾミ! 許すまじ! 許すまじ!」
バージル卿が口笛を吹き、サラクニークルス姫とラップ学園長が悲鳴を上げた。
全く騒がしい奴らだ。
「助けてくれてありがとう」
ぎゅってされました。そのまま押し倒してしまいたい衝動をを必死の努力で抑え込み、オレはタニアを追うことにした。
「そのままじゃ勝てないぞ」
バージル卿がオレに手を向けた。
「汝の戒めは夜を迎える」
バージル卿の音と共にオレの両腕の封魔の腕輪が音を立てて砕け散る。
風が起こった。光をまとった力の奔流。
オレの魔力だ。今までずっとつけたままだったからよく分からないが、かなり強い力を自分の中に感じることができた。
「す、凄い!」
サラクニークルスが驚嘆の声を上げる。
「行くのか?」
ダークエルフの男。バストーク魔法学園のダクール学園長だ。
「彼女が待ってるからな」
「勝てるとでも?」
ダクール学園長の言葉にオレは苦笑いするしかない。このままでは勝てない。しかし負けるとも限らない。
「とにかくみんなはここを離れてくれ」
やれるだけやってみるけど――負けたらごめんね。
オレはタニアを追って文字通り部屋から飛び出した。
「ノゾミ君――飛んでる!」
ふふふ。実はオレは飛べるのだよ。
ふわり。とオレは石畳の上に降り立った。
「飛ぶなんて……なんかズルくない?」
タニアが嬉しそうにオレを睨みつける。
あれ、もしかしなくてもタニアお嬢様は飛べないのですか?
夢にまで見た飛行魔法だ。
オレは簡単な仕組みでこの飛行魔法を完成させていた。
――暗黒魔法「グラビトン」
重力を作り出し相手を動けなくするまたは押し潰すという魔法だ。
オレはそれを頭上に発生させた。
すると――何ということでしょう。オレの身体は宙に浮くではありませんか。そう、オレは飛ぶのではなく重力に向かって落ちる――事によって擬似的に飛ぶことに成功したのだ。まぁ、慣れるまでかなり練習した。自分で作り出した重力に押し潰されそうになったり手足が変な方向に曲がったりしたのもいい思い出だ。
「ふふふ。魔法は常に前進し続けるのだよ。ワトソンくん!」
封魔の腕輪をつけている時にはそれほど高く飛ぶことができなかったのだが、封印が解かれた今の状態であれば飛行するなど造作もない。
「なら、私について来れるかな?」
そういうが早いか、タニアは靴の底と手のひらから炎を出して飛び上がった。
お前は――映画に出てくる大富豪の鉄の男か!
タニアは嬉しそうに話しかけてくる。これが普通のデートかなにかなら気の利いたジョークの一つも……いや、思いつかんな。
「気をつけろ、そいつは強いぞ!」
「へぇーオヤジより強いのか……」
「ああ強い。そして良い尻をしていた」
バージル卿の言葉に「ですよねー」と応えておく。
オレは以前戦ったしぃ――まぁ、負けてないけどぉ。勝ってもいないけどぉ。
「魔法少女タニアちゃんは無敵なんだよ!」
「それで? 必殺技は?」
「うーん。先制攻撃?」
何故に疑問形? しかもそれは技じゃない。
「悪の組織を先制攻撃でぶっ飛ばすのさ!」
悪い事してないのに先制攻撃される悪の組織は――ただの被害者でしかない。こいつは何を目指しているんだか……
「さあ――始めようか!」
タニアの合図で唐突に戦闘が始まった。
「ウルトラアターック!」
タニアが飛び込んでくる。何も考えていない頭突きだ。相手がタニアでなければそのまま受けても良かったのだが、オレは飛び退いてそれを回避した。
タニアの頭突きが壁を突き破る。彼女は丈夫な頭をお持ちのようだ。
「ふふん。よくぞ避けたな……勇者よ!」
お前はどこの魔王だ。
周囲のスキャンは完了している。この部屋以外に人はいない。
「場所を変えるってのは?」
「うん。いいよ」
オレの言葉にタニアは即答した。その辺の返事の良さは相変わらずだな。
躊躇せずタニアが飛び降りる。ここは四階だ――これくらいで怪我をするとも思えないが。
「ノゾミ君!」
アメリアが飛びついてきた。受け止めるとそのままキスの嵐だった。
「あお、やるじゃねえか色男!」
「キイイ! 私のアメリアを!」
「そんな男になんちゅうことを! アメリアちゃん! おのれぇノゾミ! 許すまじ! 許すまじ!」
バージル卿が口笛を吹き、サラクニークルス姫とラップ学園長が悲鳴を上げた。
全く騒がしい奴らだ。
「助けてくれてありがとう」
ぎゅってされました。そのまま押し倒してしまいたい衝動をを必死の努力で抑え込み、オレはタニアを追うことにした。
「そのままじゃ勝てないぞ」
バージル卿がオレに手を向けた。
「汝の戒めは夜を迎える」
バージル卿の音と共にオレの両腕の封魔の腕輪が音を立てて砕け散る。
風が起こった。光をまとった力の奔流。
オレの魔力だ。今までずっとつけたままだったからよく分からないが、かなり強い力を自分の中に感じることができた。
「す、凄い!」
サラクニークルスが驚嘆の声を上げる。
「行くのか?」
ダークエルフの男。バストーク魔法学園のダクール学園長だ。
「彼女が待ってるからな」
「勝てるとでも?」
ダクール学園長の言葉にオレは苦笑いするしかない。このままでは勝てない。しかし負けるとも限らない。
「とにかくみんなはここを離れてくれ」
やれるだけやってみるけど――負けたらごめんね。
オレはタニアを追って文字通り部屋から飛び出した。
「ノゾミ君――飛んでる!」
ふふふ。実はオレは飛べるのだよ。
ふわり。とオレは石畳の上に降り立った。
「飛ぶなんて……なんかズルくない?」
タニアが嬉しそうにオレを睨みつける。
あれ、もしかしなくてもタニアお嬢様は飛べないのですか?
夢にまで見た飛行魔法だ。
オレは簡単な仕組みでこの飛行魔法を完成させていた。
――暗黒魔法「グラビトン」
重力を作り出し相手を動けなくするまたは押し潰すという魔法だ。
オレはそれを頭上に発生させた。
すると――何ということでしょう。オレの身体は宙に浮くではありませんか。そう、オレは飛ぶのではなく重力に向かって落ちる――事によって擬似的に飛ぶことに成功したのだ。まぁ、慣れるまでかなり練習した。自分で作り出した重力に押し潰されそうになったり手足が変な方向に曲がったりしたのもいい思い出だ。
「ふふふ。魔法は常に前進し続けるのだよ。ワトソンくん!」
封魔の腕輪をつけている時にはそれほど高く飛ぶことができなかったのだが、封印が解かれた今の状態であれば飛行するなど造作もない。
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そういうが早いか、タニアは靴の底と手のひらから炎を出して飛び上がった。
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