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第四章「カルネアデス編」
第176話「ゲルシルド大陸」
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「今の方……なんだったんですか?」
呆気にとられていたミーシャがようやく口を開いた。
「望の友達ですか?」
「まあ、そんなものだ」
この世界での美琴との関係は、それ程親密なものではなかったように思う。
しかし、それでもショックといえばショックだった。
もし知らないままに生活していたならば、彼女は「美琴」という仮面を被ったまま生活していたのだろうか。
「そういえば、マザーは【自動的】で、美琴は【能動的】だと言っていたが……」
マヤに話を振ると彼女は小さくため息をついた。美琴の言葉に少なからずショックを受けているようだ。
「そうです。マザーは一つではありません。【MOTHERシステム】は三つのシステムの総称なんです」
M……Manegement
O……Observance
T……Technical
H……Habitat
E……Empery
R……Republic
System
生態系の保存を目的とした絶対環境管理システムだ。
管理保全のためにマザーには【管理】【統制】【維持】を司る三つの人工知能があった。その一つを担っているのが【統制】を司る美琴というわけだ。
人類の補完を目的とした組織の基幹システムみたいだな。
イチジクの葉っぱをモチーフにしたあの組織は人造人型決戦兵器を保持していたが、もちろんここにそんなものなど無い。
「【管理】と【維持】に関してはこの世界を維持するための根底の部分ですので自動的なはずです」
なるほどそういう訳か。マヤの説明にオレは納得した。
ならばその中に調査体であるオレのサポートも含まれているわけだ。
「五〇年ほど前ですが、十六夜美琴は惑星【N二五〇〇二】の調査体として派遣されました」
「なあ、そのN二五〇〇二ってのは?」
「私たちが派遣された未開拓惑星の事です」
味もそっけもないネーミングだなぁ。
「アルシアータの国はなんて大陸にあるんだ?」
「大陸の名前は「ゲルシルド大陸」アルシアータ国を含めて七つの大国といくつかの小国があります」
アープルが自慢げに答える。さすが樹人族。一七〇歳は伊達ではない。
「アルシアータ……」
ミーシャが呟く。
「聞き覚えがあるような……ないような」
アンナも口の中で何度も国の名前を反芻している。
「大陸より外の世界は存在しないとされています」
大陸の外には海が広がりそこより先を見た者はいない。海より先には魔人族の住まう世界が広がっており今もなお神と悪魔との戦いが繰り広げられている――アープルの知る世界の全てだった。
「カルネアデスからの観測データによるとゲルシルド大陸は世界の三割ほどを占める巨大な大陸です」
マヤがそう言いながら簡略化した地図を描いた。
それは強いていうなれば壁画に描かれた馬のようだった。その心臓部に近いところにあるのがアルシアータ国だ。
「北極と南極部分に氷が確認できますが大陸部はありません」
アープルは食い入るようにマヤの描いた地図を眺めていた。
「魔人族の住まうとされる地域は北の方だと言われています」
ならば、馬の頭の辺りだろうか。地球でもそうだが極地に近い大陸は気候も厳しく作物なども育ちにくい。やせた土地での生活は困難を極めるだろう。
ならば新たな生存権獲得のため領土を広げようとしていてもおかしくない。
「魔人族も必死なんだな」
だが、一方的な宣戦布告は誰も理解を示さない。
人魔大戦という悲劇は起こるべくして起こったのだ。
呆気にとられていたミーシャがようやく口を開いた。
「望の友達ですか?」
「まあ、そんなものだ」
この世界での美琴との関係は、それ程親密なものではなかったように思う。
しかし、それでもショックといえばショックだった。
もし知らないままに生活していたならば、彼女は「美琴」という仮面を被ったまま生活していたのだろうか。
「そういえば、マザーは【自動的】で、美琴は【能動的】だと言っていたが……」
マヤに話を振ると彼女は小さくため息をついた。美琴の言葉に少なからずショックを受けているようだ。
「そうです。マザーは一つではありません。【MOTHERシステム】は三つのシステムの総称なんです」
M……Manegement
O……Observance
T……Technical
H……Habitat
E……Empery
R……Republic
System
生態系の保存を目的とした絶対環境管理システムだ。
管理保全のためにマザーには【管理】【統制】【維持】を司る三つの人工知能があった。その一つを担っているのが【統制】を司る美琴というわけだ。
人類の補完を目的とした組織の基幹システムみたいだな。
イチジクの葉っぱをモチーフにしたあの組織は人造人型決戦兵器を保持していたが、もちろんここにそんなものなど無い。
「【管理】と【維持】に関してはこの世界を維持するための根底の部分ですので自動的なはずです」
なるほどそういう訳か。マヤの説明にオレは納得した。
ならばその中に調査体であるオレのサポートも含まれているわけだ。
「五〇年ほど前ですが、十六夜美琴は惑星【N二五〇〇二】の調査体として派遣されました」
「なあ、そのN二五〇〇二ってのは?」
「私たちが派遣された未開拓惑星の事です」
味もそっけもないネーミングだなぁ。
「アルシアータの国はなんて大陸にあるんだ?」
「大陸の名前は「ゲルシルド大陸」アルシアータ国を含めて七つの大国といくつかの小国があります」
アープルが自慢げに答える。さすが樹人族。一七〇歳は伊達ではない。
「アルシアータ……」
ミーシャが呟く。
「聞き覚えがあるような……ないような」
アンナも口の中で何度も国の名前を反芻している。
「大陸より外の世界は存在しないとされています」
大陸の外には海が広がりそこより先を見た者はいない。海より先には魔人族の住まう世界が広がっており今もなお神と悪魔との戦いが繰り広げられている――アープルの知る世界の全てだった。
「カルネアデスからの観測データによるとゲルシルド大陸は世界の三割ほどを占める巨大な大陸です」
マヤがそう言いながら簡略化した地図を描いた。
それは強いていうなれば壁画に描かれた馬のようだった。その心臓部に近いところにあるのがアルシアータ国だ。
「北極と南極部分に氷が確認できますが大陸部はありません」
アープルは食い入るようにマヤの描いた地図を眺めていた。
「魔人族の住まうとされる地域は北の方だと言われています」
ならば、馬の頭の辺りだろうか。地球でもそうだが極地に近い大陸は気候も厳しく作物なども育ちにくい。やせた土地での生活は困難を極めるだろう。
ならば新たな生存権獲得のため領土を広げようとしていてもおかしくない。
「魔人族も必死なんだな」
だが、一方的な宣戦布告は誰も理解を示さない。
人魔大戦という悲劇は起こるべくして起こったのだ。
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