249 / 406
第四章「カルネアデス編」
第203話「沈黙 ①」
しおりを挟む
「ノゾミ様、起きてください」
アンナの声がする。
「あと五分」
まどろみながら答える。もう少しだけ寝させて下さい。
「起きそうにないね」
これは誰の声だろう。タニアかな?
「う~ん。このままじゃラチがあかないし」
「もう少しだけ、待ってみようか」
「そうですね。ノゾミ様はお疲れのようですので……」
二人の声。
駄目だ。まだ起きれそうにない。
オレは再び眠りに落ちていった。
◆ ◆ ◆ ◆
「……おはよう」
なんだかすごくぐっすり眠れた気がする。
気力も十分。
これなら十分に活動できそうだ。
「タニア、ここはどの辺だ?」
オレは問いかける。しかし、答えはない。
当然だ。運転席には誰も座っていなかった。
「タニア?」
気配がない。あれだけ騒がしいお嬢様だ。オレが起きたらすぐにでも飛んできそうなものだが。
そういえば、アンナはどこだ?
彼女の膝枕は最高だった。
アンナにお礼を言わなければ――しかし、そのアンナも見当たらなかった。
「アンナ?」
――おかしい。
嫌な予感がする。
「ミーシャ?」
もちろん返事はない。
装甲車はアイドリングの状態のままだった。何もかもオレが眠りにつく前の状態のまま。タニア、アンナそしてミーシャの姿だけが消えていた。
ミステリーなどで良くある話だ。
海洋を漂う船。
船に船員はおらず、船内は先ほどまで誰かがいたかのようなそんな状態で残されていた――
ここは海ではないし、三人とも外に出ているのだろう。
しばらくすれば戻ってくるはずだ。
戻ってこない時は……その時は考えればいいだけだ。
それから一時間ほど待ったが、三人は帰ってこなかった。
仕方ない。
オレは上部のハッチを開けた。
顔を出そうとして――頭上に気配を察して頭を下げる。
ブン!
質量のある物体が頭上を通過した。
「――――!!」
決して誰かが抱きついたとかそういった類のものではない。
殺意を持った攻撃。
それが襲い掛かってきたのだ。
ガシャ! ガシャ!
装甲車の車体が揺れる。
これは――何者かから攻撃を受けているのだ。
窓の外に人影が見えた。
ギラギラと赤く輝く瞳――巨大なウサギのぬいぐるみに囲まれていたのだった。
アンナの声がする。
「あと五分」
まどろみながら答える。もう少しだけ寝させて下さい。
「起きそうにないね」
これは誰の声だろう。タニアかな?
「う~ん。このままじゃラチがあかないし」
「もう少しだけ、待ってみようか」
「そうですね。ノゾミ様はお疲れのようですので……」
二人の声。
駄目だ。まだ起きれそうにない。
オレは再び眠りに落ちていった。
◆ ◆ ◆ ◆
「……おはよう」
なんだかすごくぐっすり眠れた気がする。
気力も十分。
これなら十分に活動できそうだ。
「タニア、ここはどの辺だ?」
オレは問いかける。しかし、答えはない。
当然だ。運転席には誰も座っていなかった。
「タニア?」
気配がない。あれだけ騒がしいお嬢様だ。オレが起きたらすぐにでも飛んできそうなものだが。
そういえば、アンナはどこだ?
彼女の膝枕は最高だった。
アンナにお礼を言わなければ――しかし、そのアンナも見当たらなかった。
「アンナ?」
――おかしい。
嫌な予感がする。
「ミーシャ?」
もちろん返事はない。
装甲車はアイドリングの状態のままだった。何もかもオレが眠りにつく前の状態のまま。タニア、アンナそしてミーシャの姿だけが消えていた。
ミステリーなどで良くある話だ。
海洋を漂う船。
船に船員はおらず、船内は先ほどまで誰かがいたかのようなそんな状態で残されていた――
ここは海ではないし、三人とも外に出ているのだろう。
しばらくすれば戻ってくるはずだ。
戻ってこない時は……その時は考えればいいだけだ。
それから一時間ほど待ったが、三人は帰ってこなかった。
仕方ない。
オレは上部のハッチを開けた。
顔を出そうとして――頭上に気配を察して頭を下げる。
ブン!
質量のある物体が頭上を通過した。
「――――!!」
決して誰かが抱きついたとかそういった類のものではない。
殺意を持った攻撃。
それが襲い掛かってきたのだ。
ガシャ! ガシャ!
装甲車の車体が揺れる。
これは――何者かから攻撃を受けているのだ。
窓の外に人影が見えた。
ギラギラと赤く輝く瞳――巨大なウサギのぬいぐるみに囲まれていたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる