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第四章「カルネアデス編」
第228.5話 047「if-story 崩壊した世界 ⑥」
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みんなとの話し合いで明日の朝出発することにした。
目的は二つ、周辺の調査と新たな食糧の確保だ。
今のところは屋敷が機能しているために問題がないが、メンテナンスなしでいつまで機能するのか分からない。今のうちに食料や水などを確保できるようにしていなければ後々に大きな問題になる可能性があった。
「いや~、大変なことになったね」
タニア嬢は気楽な声で言う。
この娘には現状が分かっているのだろうか。いや、開口一番に人類は滅亡しましたとのたまったのだ。きっと何かをつかんでいるにちがいない――はずだ。
「とりあえず、明日周辺の細かな調査をしようと思う」
「そうですね。この屋敷だけどうして無事なのかそこらへんも分かるといいんですけど」
ごもっともな意見をアメリア。時々だが彼女を見た目以上の年齢に感じてしまうのはオレの気のせいだろうか。まさしく「見た目は子供、頭脳は大人」的な。
世界の改変がどのようにして起こったのか――まさか、石化光線が世界中を覆って、全人類が一時的に保存された状態で、時間をかけて復活した――ということでもない。そうであれば今住んでいる屋敷のことの説明がつかない。
やはり、屋敷周辺だけが未来にタイムスリップしてしまったということが妥当な考えではないだろうか。
「ねえ、ノゾミン。ボクずっと気になっていたことがあるんだけど」
珍しくタニアが控えめな声で手を上げた。
ほうほう。とりあえず言うてみなはれ。
「ボクたちって……どこから来たのかな?」
なんと哲学的な問いかけだろう。人類はどこからきてどこへ行くのか。それは人類が抱いてやまない哲学的な命題。そう生きるということはその命題の答えを見つけるための旅そのものなのだ。
「ノゾミンは昨日までの記憶とかある?」
「何を言っているんだ?」
アホかこいつは。そんなもの決まっている――はずだった。
――オレはなぜここにいる?
哲学的な命題とかそんなことではない。
なぜ、オレはこんな屋敷に住んでいるんだ? タニアと二人で?
何とも言えない不安感が脳裏をよぎる。
不安になりだすと様々な疑問が沸き起こり始めた。
ここは……オレの家なのか?
そんなはずはない。こんな広い屋敷に住んでいるなどどう考えてもおかしい。
「それにね……気になって屋敷の中を探検してみたらこんなものを見つけたんだ」
タニアが手にしているのは――女ものの下着だった。それも大人用ではない。どう見ても小さな――そう、アメリアくらいの女の子の下着だ。
「こ、これって……」
アメリアが興味深げに下着を手に取る。
「綺麗な下着だし、着てみてもいいと思うよ」
アメリアは小さく頷くととりあえずはパンツをはいてみた。大きさといい彼女にぴったりだった。
「こっちはスポーツブラだから」
タニアに渡されてアメリアはオレの方とチラチラと見ながらTシャツを脱ぎだす。紳士なオレは後ろを向く。
「ちょっと大きいけど……着れます」
「……ってことは、少なくともアメリアの物じゃないってことだね」
タニアが腕を組みながら考え込む。
「それがいったいどうしたんだ?」
女の子用の下着があった。確かに不自然だがそれだけじゃないはずだ。
「これはボクの勘なんだけど……」
タニアは次に恐ろしいセリフを口にした。
「この屋敷には少なくとも、つい最近まで十人以上の人間が生活していた形跡があるんだ」
目的は二つ、周辺の調査と新たな食糧の確保だ。
今のところは屋敷が機能しているために問題がないが、メンテナンスなしでいつまで機能するのか分からない。今のうちに食料や水などを確保できるようにしていなければ後々に大きな問題になる可能性があった。
「いや~、大変なことになったね」
タニア嬢は気楽な声で言う。
この娘には現状が分かっているのだろうか。いや、開口一番に人類は滅亡しましたとのたまったのだ。きっと何かをつかんでいるにちがいない――はずだ。
「とりあえず、明日周辺の細かな調査をしようと思う」
「そうですね。この屋敷だけどうして無事なのかそこらへんも分かるといいんですけど」
ごもっともな意見をアメリア。時々だが彼女を見た目以上の年齢に感じてしまうのはオレの気のせいだろうか。まさしく「見た目は子供、頭脳は大人」的な。
世界の改変がどのようにして起こったのか――まさか、石化光線が世界中を覆って、全人類が一時的に保存された状態で、時間をかけて復活した――ということでもない。そうであれば今住んでいる屋敷のことの説明がつかない。
やはり、屋敷周辺だけが未来にタイムスリップしてしまったということが妥当な考えではないだろうか。
「ねえ、ノゾミン。ボクずっと気になっていたことがあるんだけど」
珍しくタニアが控えめな声で手を上げた。
ほうほう。とりあえず言うてみなはれ。
「ボクたちって……どこから来たのかな?」
なんと哲学的な問いかけだろう。人類はどこからきてどこへ行くのか。それは人類が抱いてやまない哲学的な命題。そう生きるということはその命題の答えを見つけるための旅そのものなのだ。
「ノゾミンは昨日までの記憶とかある?」
「何を言っているんだ?」
アホかこいつは。そんなもの決まっている――はずだった。
――オレはなぜここにいる?
哲学的な命題とかそんなことではない。
なぜ、オレはこんな屋敷に住んでいるんだ? タニアと二人で?
何とも言えない不安感が脳裏をよぎる。
不安になりだすと様々な疑問が沸き起こり始めた。
ここは……オレの家なのか?
そんなはずはない。こんな広い屋敷に住んでいるなどどう考えてもおかしい。
「それにね……気になって屋敷の中を探検してみたらこんなものを見つけたんだ」
タニアが手にしているのは――女ものの下着だった。それも大人用ではない。どう見ても小さな――そう、アメリアくらいの女の子の下着だ。
「こ、これって……」
アメリアが興味深げに下着を手に取る。
「綺麗な下着だし、着てみてもいいと思うよ」
アメリアは小さく頷くととりあえずはパンツをはいてみた。大きさといい彼女にぴったりだった。
「こっちはスポーツブラだから」
タニアに渡されてアメリアはオレの方とチラチラと見ながらTシャツを脱ぎだす。紳士なオレは後ろを向く。
「ちょっと大きいけど……着れます」
「……ってことは、少なくともアメリアの物じゃないってことだね」
タニアが腕を組みながら考え込む。
「それがいったいどうしたんだ?」
女の子用の下着があった。確かに不自然だがそれだけじゃないはずだ。
「これはボクの勘なんだけど……」
タニアは次に恐ろしいセリフを口にした。
「この屋敷には少なくとも、つい最近まで十人以上の人間が生活していた形跡があるんだ」
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