メスガキ神狐に憑かれたい!? いきなり現れたケモ耳 美少女はちょっと♡な福の神?※イラストあり〼

須賀和弥

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銀狐の章

第027話「三人でデート ③」

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「おお、お主の言う通りじゃぞ!」

 洋服を見ていたはずのシェンがいつの間にかすり寄ってきていた。

「なんでそうなる?」

 あーちゃん先輩の目は真剣だ。

 ――何がどーしてこうなった?

 どんな思考回路からそうなったのかは意味不明だが、真剣なのはよくわかる。

「じゃあ、私とセットで付き合うのは?」

 これもまた真剣な表情だ。

「……はい?」

「ほら、二人セットでお買い得……みたいな」

 買い物じゃないし。

「幸せの【ハッピーセット】みたいな」

 幸せとハッピーでダブル・ミーニングなんだが。
 この際言葉の意味なんてどうでもいい。どちらかがオマケみたいな言い方だが、どちらがどうとかはどうでもいい。

「先輩……どうしちゃったんですか?」

 あーちゃん先輩はキラキラとした目で祈りのポーズ。

「私、気づいちゃったのよ」

 先輩はすっと空を見つめる……正確にはデパート内なので天井なのだが。
 イヤな予感がした。

「私――シェンちゃんの事も好きなんだなって!」

 ここに一人、神狐を崇め奉る変な信者が増えました。

「………………何故?」

「だって可愛いし」

 こいつ……まさかの女好き……いや、まさかの両刀使い、二刀流!

「シェンちゃんを脱がせた時に気づいちゃったの……」

 あーちゃん先輩は目に異様な輝きを宿しながら振り向いた。

「私……女もイケるんだって!」

 そんな悟りを開くなよ。
 しかも、脱がしている時に気づくか?それって、別の意味にしか聞こえない。

「お主様……この小童……目が怖いのじゃ」

「シェンちゃん。お姉さんとイイコトしよ♡」

「ひぃっ!」

 シェンが怯えたようにオレの後ろに隠れた。

「シェンちゃん怖くないよぉ」

 チチチと手招きするあーちゃん先輩にシェンは「シャーッ!」と威嚇する。

「お主様……我様の盾になってくれ」

 ぴっとりと身体を寄せてオレを前に押し出す。

「モー君とシェンちゃんのハッピーセット♡」

 うをおい!やめろ!子供の夢ぶち壊しそうなネーミングにするな。
 あーちゃん先輩が両腕を広げてオレたちに抱きついてきた。

「うわああああ!」

 気がつけば、オレとシェンは仲良く手をつないでその場から逃げ出していた。

 ◆ ◆ ◆ ◆

 デパート内のフードコート。オレたち三人はそれぞれにこのみのランチを注文していた。
 
「もう、ウエットに富んだジョークだったのに」

 スパゲティをちゅるちゅる食べながらあーちゃん先輩。

「先輩、目が本気でしたよ」

 オレがツッコミをいれるとあーちゃん先輩は目をそらした。
 ちなみに、オレとシェンはバーガーのセットを注文している。
 
「アイム・ラビットなのじゃ」

 うーん。微妙にニュアンスが違うな。
 それじゃ狐じゃなくてウサギだろ。

 シェンは物珍しそうに手元のハンバーガーを見つめている。

「シェン、こうやって食べるんだよ」

 オレはシェンに食べて見せる。見様見真似でシェンも食べ始めた。

「ぬほぉお!」

 一口かじるなりシェンの顔が輝く。

「旨いのじゃ!美味美味!」

 美味しそうにハンバーガーをほおばるシェン。フライドポテトを口に放り込んではまたも嬉しそうに食べていた。

「本当に美味しそうに食べるわね」

 感心したようにあーちゃん先輩が呟く。

「うむ。我様は初めてが多いからのう」

「そうなんだ。シェンちゃんさえよければお姉さんが色々なハジメテを教えてあげるわよ」

 あーちゃん先輩さりげなくアピール。

「遠慮しておく!」

 シェン選手容赦なく返り討ち。

「きゃうん!」

 先輩は玉砕しその場に崩れ落ちた。
 二人ともずいぶんと仲良くなったものだ。 

 □■□■□■□■用語解説□■□■□■□■
 
【アイム・ラビット】
 i'm lovin' it(アイムラヴィニット)は、マクドナルドにて2003年9月から導入された全世界統一の宣伝文句。日本語に直訳すると「私はそれが好き」なのだが……まあ、ただのジョークなので、そんなに意識しなくてもいいのでは?
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