珈琲の香り

Ari

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今日のテーブルにはスイトピーが飾られていた。

3月の卒業式を思い出す花。

太陽の光が当たって、ピンク色が華やかに見える。

「ごめん。また。待たせたね。」

後ろから彼女がやって来た。

「デカフェお願いします。」

っと、いつもの店員さんに声をかける。

「珍しい。どう言う風の吹き回し?」

「でしょ。まさかの。まさかよ。」

「心でも入れ替えるつもり?」

 彼女はふふっと笑い。

 こう言った。

「悪いんだけど、今日で別れてくれる?」

 まさかの一言だった。


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