darkness dandelions

Ari

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ある日、ウロコダキは薬草園にできた、なだらかな小川で泳ぎながら、低い声でゆっくりと口を開いた。

 「なぁ、Ari。おまえさんはそんな思いを抱えながらも、誰かを救いたいと願うその心…何世紀も見てきたが、実に珍しい。」

ウロコダキは水面に体を軽く沈め、長い首を少し傾けてAriを見つめた。滑らかな皮膚は長い年月を生き抜くうちに硬くカタイ表皮へと変わり、口元の光沢が水に反射して微かに輝いた。

 「だが、そう言うお前の幸せはなんだ?おまえが語る天命や喜びを他人に与えるのは素晴らしいが、自分自身には何を求めている?」その問いかけは優しくもあり、どこかAriを試すような響きを帯びていた。

やがて、ウロコダキは水中で体を少し回転させ、気泡を浮かべながらさらに語った。

 「お前さんだって、そんな保護魔法をかけずに恋に落ちたり、家族をもったり、そう言う幸せがあっても良かろう。あんたがそう疲れ切った初老の歳の男にはみえんがの。魂の奥には、まだ若い熱が残っとるだろ。」
 ウロコダキの声には長い年月で培った洞察と、どこか温かい励ましが混じっていた。

Ariは一瞬言葉を失い、モモンガが肩で小さく身じろぎするのを感じながら、地下に流れ落ちる滝を見上げた。

Ariは一瞬言葉を失った後、鼻で小さく笑い、口元に皮肉な笑みを浮かべた。

「老害だな、ウロコダキ。」

「繁殖だけが全てではない。なんせ僕の種族は長生きだ。そう焦らなくても時間はある。でも、この薬の完成は、早いほど多くの人が救われるはずだ。」

 彼はモモンガを肩で軽く撫で、滝を見つめながら静かに続けた。

 ウロコダキは水面に浮かんだ気泡を眺め、口元の硬い表皮が微かに動き、まるで笑みを浮かべたかのようだった。
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