なろう作家がエリート東大生に転生してみた

日本のスターリン

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6章 異能バトル

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 冬彦三は大学を暫く休講していた。ミッキーと顔を合わすのはバツが悪いからだ。
 それだけではなく、ミッキーに負けた雪辱を晴らすために休講し、特訓と知略に励んでいたのだ。
 体と能力を鍛える訓練をしながらも、敗因を考察・研究し、勝つための作戦を考え、勝つための秘策を準備していた。
 休講してから2週間後、ついにミッキーへのリターン・マッチを行う決意をし、行動を起こした。
 冬彦三はイメージチェンジなのか、ミリタリーオタクのような衣装にメカメカしいゴーグルをつけて大学に向かった。

「おい、ミッキー、ちょっと表出ろ」
「おやおや、誰かと思えばいつかの敗北者
 今想い出しても無様な命乞いだったね
 委員長じゃなく『ヘタレ大王』というあだ名に変えた方が良いんじゃないか」
「御託はお前が負けた後にいくらでも聞いてやるよ」
「ふん…」

 二人は外に出た。黒鈴もこっそり後を追った。
 二人は電車を乗り継ぎし、住宅街の裏手にある広い荒野を決戦の地に決めた。

「さぁ、終わりにしようか」
「うん
 二度目はないよ」

 冬彦三は戦闘形態に変身した。
 決戦の火ぶたが落とされた。

「ミッキー!僕に付いてこられるか!」

 冬彦三は突然ミッキーとは反対方向に駈け出した。

「また逃げるのかよ!」

 ミッキーは追いかけた。
 冬彦三はまた入り組んだ住宅街に逃げ込んだ。

(隠れても無駄だ!!!)
「ミッキー、貴様、見ているな?」
「!?」
「お前に負けてから2週間、超越能力の訓練をするうちに、僕は超越能力が応用できる事に気が付いた!」

 冬彦三は勝ち誇ったような顔で現れた。

「お前の能力は体が透明になるだけじゃない!
 お前のもう一つの能力は『透視』だ!
 禁呪の飴は能力の応用ができる!透明になる力を応用し、壁を透過して見る事ができる透視能力を得たのだ!
 お前はその透視能力で僕を見失わずに追いかける事ができたんだ!」

 冬彦三は荒野にゆっくりと戻りながら、得意げに解説した。

「で?」
「?」
「僕の二つ目の能力を見破ったぐらいで、なに鬼の首を取ったような顔をしているんだ」
「ああ、ここからが本当の勝負だ」

 ミッキーは透明になり姿を消した。
 冬彦三はゴーグルを掛けた。

「そこだあ!!!」

 そっと近づいてきたミッキーに、冬彦三は飛び蹴りした。

「なにぃいいいいいい!?」

 吹っ飛ばされたミッキーは体勢を立て直した。

「おのれ!ださいゴーグルをしているなと思ったが、それはただのゴーグルではないな!」
「そうだ!このゴーグルはサーモグラフィースコープだ!
 体温を探知し、目に見えない物を可視化するのさ!
 時計も付いていてカメラにも通信機にもなる優れモノだ!」

 冬彦三は自慢げに語った。

「お前は能力に頼りすぎる!
 能力の強さだけが勝敗の全てではない!
 人間は道具を使ってこそ森羅万象の霊長に立てたのだ!」

 冬彦三はさらにエアガンを取り出した。

「禁呪の飴の超越能力は応用できる!
 それは何もお前だけに限った事じゃない!
 超越能力の肉体強化能力を応用すれば、道具も強化できるのだ!」

 冬彦三は超越能力で強化されたエアガンを連射した。

 バンバンバン!!バンバンバン!!!

 エアガンの玉は本物の実弾と同等の威力を得た。

「くうぅ~」

 ミッキーはスレスレで交わした。

「能力を過信しすぎたな!
 能力が強すぎるゆえの慢心・油断
 それこそがお前の弱点だ!」

 冬彦三はさらに連射した。

「僕は能力を過信せず、道具を使うという文明の原点とも言える選択肢にたどり着いた
 弱い人間でも道具さえ使えば簡単に強者を倒せる!
 お前に教えてやろう!道具さえあれば圧倒的な強敵にも勝てるという事を!」

 ミッキーは必死にかわした。
 が、腕に少しかすってしまった。傷口は浅いが腕から血が流れ落ちた。

「くっそっそっそっそっそっそ!!」

 ミッキーは奇妙な笑い声を挙げた。
 ミッキーは余裕の表情だ。

「では、道具だけでは埋められない圧倒的な能力の差と言うモノをお見せしよう!」
「なに!?彼の身体が地面に埋まって行く!?」
「僕のさらなる能力は透視能力だけではない」
「そうか!?彼の能力は壁を透過して身体をすり抜けさせる事ができるんだ!
 透視能力と身体が壁を透過する能力、その二つの能力で宇宙一の逃げ足の僕に追いついたんだ!」
「ご名答!気付いた時にはもう遅い!」

 ミッキーは完全に潜り込んでしまった。

「サーモグラフィーで地面の中は探れないの!?」

 現場に駆け付けて傍観していた黒鈴が尋ねた。

「むちゃ言うな。これは軍事用じゃないんだ。超越能力で強化しても地面の奥底までは探知できない」

 ミッキーが地面から飛び出した!

「隙あり!」

 ミッキーは冬彦三の後頭部に頭突きした。

「ぐがああ!!!」

 ミッキーは再び地面に姿を消した。
 冬彦三は再び走り回って逃げ出した。

「待ってくれ!助けてくれ!降参だ!!!」

 冬彦三は走り回りながら命乞いした!
 そして、さらに走って走って逃げ回った。逃げ回りながらもなお命乞いを続ける。
 ミッキーは地面から再び飛び出した。

「二度目はない」
「仏の顔は三度までと言うだろう?」
「僕は仏程優しくはないという事だ
 それに……
 君の成長は脅威だ。悪いがもう逃がしはしない」

 ミッキーは再び地面に潜り込んだ。
 冬彦三は、再び走って逃げだした。しかし、疲れてきたのかあまりスピードが出ていない。
 冬彦三はとにかく遠くまで走った。

(そろそろかな…)

 冬彦三は超越能力を使って高くジャンプした。

「能力など頼らなくても人を殺す方法はいくらでもある!
 能力に頼り切ったお前に勝てぬはずがない!」

 そして、地面目掛けて何かを投げつけた!
 
 その瞬間、ミッキーが地面から飛び出した。
 
 ドカーン!!!!!!!

 ミッキーは大爆発に巻き込まれた。冬彦三は花火の火薬とガソリンで作った爆弾を投げつけたのだった。
 花火とガソリンで作った爆弾も超越能力で強化されていて凄まじい破壊力になっていたのだ。

「ぐあああああああああああ!!!!」
「タイミングバッチし!」

 ミッキーはそのまま倒れ込んだ。

「ぐう…何が起きたんだ…」
「言わなかったか?このスコープは時計にもなっているって…」
「?」
「まだ分からないのか。測ったんだよお前が出てくるタイミングを
 お前が潜れる限界をだ」

 冬彦三は落ち着いて自らの勝因について解説した。

「いくら地面に潜れるようになったからって地面の中で呼吸までできるはずがない
 ならば潜って居られる限界の時間があるはずだ
 一回目に逃げ回っていたのはお前が潜って居られる時間を確かめるためだ
 二回目に少しスピードを落として逃げ回ったのはお前が僕に追いつけるようにするためだ
 地面から出てくるタイミングが分かってもどこから出てくるか分からないと意味がないからな」

「くそぅ…あの時命乞いしたのはカモフラージュだったのか…」
「ご名答!気付いた時にはもう遅い!」
「くそぅ…くそぉう…くそぉぉぉぉ…」

 ミッキーは悔しがりながら息絶えた。

「見ていてくれたか庭塚
 仇は討ったぞ」

 冬彦三は天を仰いだ。
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