SCP議事録

琥太郎

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SCP-3011 Stealer 盗っ人

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　特別収容プロトコル
　
　SCP-3011は実体を持ちません、収容する場合は全ての記憶を完全に消却したDクラス職員にSCP-3011を依存させ、SCP-3011専用の特別棟に収容してください、またSCP-3011が依存したDクラス職員をSCP-3011-1と改名しSCPオブジェクトとして扱います。
　SCP-3011の特別塔は縦40m横50m高さ10mの鉄筋コンクリートの二階建ての建造物で、この建物に窓は設けられていません。建物内には、SCP-1466の収容区の他に面談室、監視管理室、職員の寮が設けられています。また、この特別塔の2m離れた位置に有刺鉄線を上部に用いた高さ3mのフェンスを設置し、出入口は一つで退出時には必ず検問をしてください。
　SCP-3011特別塔の警備には警備と必要最低限の生活行動以外の行動はしない様に記憶改竄を施したDクラス職員を特別塔の外部の四隅に2人ずつと入口に2人を配備し2人1組で行動し、部屋の内部は部屋の四隅に置かれた監視カメラで24時間SCP-3011-1の監視を行って下さい。また、緊急事態があった場合は必ず凶器を持たずに対処を行ってください。
　この特別塔に記憶処置を行っていない財団の博士、エージェントが入る事は禁止されています。
　
　概要
　
　このSCP-3011は、依存した相手の自我、記憶を奪い、吸収する能力が確認されています。依存時に吸収した記憶は他の人物に依存した後も引き継がれることが実験により明らかになっています、また、SCP-3011は、依存している最中にも知識を身につけようとしている事が監視、テストにより確認され、その学問の種類は問わず、本を読み漁る等気になったことは全て確認し納得のいくまで実験を繰り返します。これにより、SCP-3011の目的は知識を得る事だと考えられています。
　
　SCP-3011の他者への依存方法は標的が視界にいる事、標的が生命活動ができる状態にあることが最低条件だと考えられています。また、SCP-3011は依存後の1時間は他の生物に依存することは不可能な状態にあります。ですが、SCP-3011が依存先の体を気に入った場合や監禁している場合、依存先の変更する事はありません。また、知能を持つ生き物であれば依存先の生物の種類はとわないことが実験により確認されています、その中には他のSCP等も含まれます。
　
　依存された生物、SCP-3011-1はどれも依存された後は人語を話すこと、そしてコミュニケーションを取れることが確認されており、その方法は主に発声ですが、発声することができない場合テレパシーを使って話してくる事が確認されています、またSCP-3011が聞き取る場合はこちらが発声しないと聞き取ることは不可能なことが確認されています。
　
　SCP-3011が依存先を変えた場合、以前のSCP-3011-1は未知の方法で灰になり消滅するか、依存した時の場所に瞬間的に移動をした後生命活動を再開するかのどちらかです。また、前SCP-3011-1が生命活動が再開した時の身体状態に依存直前からの変化は見られませんがSCP-3011-1の全ての記憶が失われる事が分かっています。
　
　SCP-3011-1はSCP-3011に依存されている間、生命活動は止まりません。いかなる攻撃手段も高い回復力で瞬時に怪我を治せることで効果が無いことや毒が効かないことが実験により確認されています。また、SCP-3011が他のSCPに依存した場合、そのSCPの能力は失われず行使できることが報告されています。
　このような、強力な能力を保持しているSCP-3011ですが、現在は我々、財団職員に対して攻撃的な姿勢は見せていません。
　ですが、1度だけ収容違反を行い、収容から逃れようとしています。
　
　SCP-3011 収容違反記録
　〇〇年〇〇月〇〇日
　
　SCP-3011-1に対する実験で、SCP-3011の依存先の変更を行った直後、前SCP-3011-1を面談室から退出させ刃物による治癒力の検査を行った所、とても高い回復力が見られ収容違反が発覚しました。この時SCP-3011は｢外に出てもっと色々なことが知りたい、自分のことについてもっと調べたい｣と言っていました。
　この収容違反後、実験に協力する事を条件に警備員の監視の元での40分の外出と、職員の監視下におけるインターネットの使用がSCP-3011に許可されました。
　
　SCP-3011は、財団に対して非常に協力的な事から、他のSCPに対する実験や収容違反の対抗策として使えるのではないかという提案がいくつか出ていますが、危険のほうがより大きい事が重要視されており、未だに正式に認可はされていません。
　ですがSCP-076-2が覚醒し収容違反を起こした時に、SCP-3011がSCP-076へ依存し、依存中に様々な実験を行った後に消滅させたとの話を始めとして様々な噂があります。(この件に関して財団職員は黙秘しています。)

　補遺1
　
　SCP-3011は日本の〇〇県〇〇市〇〇町で起こっていた行方不明者増加の調査で見つかったSCPです。SCP-3011が依存先を変えた直後の様子をエージェントが確認し、確保する事になりました。その調査の間に財団のエージェントの何人かが行方不明になっており、このSCP-3011に依存されていた可能性があります。そのため、SCP-3011は他のSCPについて認知している可能性があり、この事に細心の注意を払う必要があります。
　また、この事についてSCP-3011は黙秘しています。

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