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しおりを挟む彼が来た…!!!
素敵すぎる。どうしよう。こ、珈琲飲むのか…!
嬉しい。彼に自分が淹れた珈琲を飲んでもらえるなんて、そんな幸せなことがあっていいのだろうか?
頑張ろう。いつも以上に美味しい珈琲淹れよう。あ、この豆がいいな。
彼がどの席にいるのか確認すると、窓際のボックス席にいた。
いつの間にか晴れ間が覗いていて、木漏れ日が優しくテーブルの上で揺らめいていた。
体の奥底から湧き上がる熱をひた隠すのに必死で、長くは見つめられない。
好き。好きだ。愛してる。今すぐそう叫んでしまいたい。
何とか珈琲を淹れると、味見をして彼のもとへ運ぶ。
近づく度にふわりふわりと漂う香り。ムスクのようなそれは身体中に染み渡り、俺に幸せを降り注いでくれる。
手が震えないように気をつけながら、やっとの思いで珈琲を置くと、俺はそそくさと席を離れた。
急いで店の看板をしまい込み、臨時休業の張り紙を目立つように貼ると、珈琲カウンターの中から彼をそっと見つめる。もちろん隠れて、だ。
本当にどこから見てもかっこいい。以前よりも少しガッシリしたのかな?
指まで綺麗。あの指で触れられたらきっと溶けてしまうだろうな。
「少し見すぎだ。」
ぴゃっと飛び上がって、心臓が飛び出でるかと思った。
「も、申し訳ありません!!ご不快な思いをさせてしまいましたよね。」
「不快だなんてとんでもない。貴方にそんなふうに見つめられて、嫌がるなどありえません。」
「お気遣い、ありがとうございます…。」
本当に勘違いしてしまいそうだ。彼とこんなふうに会話できるなんて、それだけで倒れてしまいそう。
身体中から熱が溢れてしまいそう。顔どころか耳も首も熱い。大変だ、これじゃあ彼にバレてしまう。
「私はミュレット・フェルバーノと言います。蛇人族の末裔の中でも先祖返りの強い家系に生まれ、とりわけ始祖に近い相貌だと言われていますが危害は加えません。どうか、恐れないで。」
「ミュレット……さま……。恐れるなんて、とんでもありません。」
「ありがとう。初めて会ったあの日から、貴方が私の番で障害の伴侶であると感じています。混乱されるかもしれませんが、どうか私と共に生きて頂けませんか。」
「あ、あの時俺は拒絶されたのだとばかり…」
「そんな、ありえません!私は貴方を伴侶として迎えるために、急いで準備する必要があったのです。それを告げずに去ったこと、本当に後悔しています。」
「俺は、一目見た時から貴方を愛してしまった。けれど、それと同時に貴方からの拒絶を感じてしまった。すぐには、貴方の傍に立つことは難しいと思います。」
「そう、、ですよね、、…。分かりました。私、これからこのお店に通います。貴方に私をもっと知ってもらって、私も貴方を知りたい。まずは、お名前から。」
「あ…。と、トウリです。喫茶 迷い猫の店主をしています。」
こんな展開、ありですか???
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