肉月〜ニクツキ

白井智之

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肉月~ニクツキ 01

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…誰にもその心はわからない。

夜空に浮かぶ金の月は気まぐれ。

突然、太った男達が絡み合う姿が見たいと

赤い石を落とした。

…誰にもその心はわからない。



少しずつ暖かくなってきたが
今日は真冬のような寒さが戻っていた。
微かに舞うように降る雪。
高校の校舎を囲うように植えられた桜は
その雪に負けぬように咲いていた。

教室の窓から、舞うように降る雪と
桜を眺める身体の大きな青年。
物憂げな瞳で花びらと、微かに舞い降りる
雪を見ては、肺いっぱいのため息をつく。
名前は田中悠。
もし誰かが、この青年を見たなら…きっと、
こう思うだろう。

「真面目そうな太った子だけど、何か悩みでもあるのかな。」

教室には若者達の話し声が響く。
昼休みの談笑。それぞれ思い思いの話題で
会話を楽しんでいる。
その殆どは他愛も無い下らない事。
その中にもう一人、明るい茶髪の太った青年。
クラスメイトと悪ふざけをしながら
話しているようだ。名前は相田宗助。

「宗助、あの動画みた?超おもしろいよ。」

「見てないよ。今日、見てみる。このあいだ言ってたヤツも面白かったな。」

続く、談笑と笑顔。
そして窓際で外の景色を眺めていた田中悠も
教室を振り返る。
そして若者達を‥いや、相田宗助の笑顔を
静かに見つめる。けっして宗助や若者達に
気付かれる事が無いように。
太った青年、田中の瞳に移る相田宗助は
同じ太った青年であるにも関わらず、
可愛らしい端正な顔をしており、
白くきれいな肌とサラサラした茶髪。
性格も明るく、友達も多い。

「宗助君…」

田中悠は心の中で呟いてから、
彼を見つめ、また深いため息をつく。
若者達の笑い声が響く教室。

「僕は君のことが…好きだ、宗助君…。」
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