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第0機動小隊、結成!

操り人形たる強者

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「……ざけんな……ざけんなよクソババアッ!」

「なんだ?」

 突然のブランの激昂げきこうに、食い気味に反応する女騎士。
 ———いや、そりゃあそうだろ。


 現状が分かる者は———いや分からないとおかしいのだが、その者らは皆こうなるに決まってる。
 僕だって今にも殴りかかってやりたい気分だ。


「テメェらのワケも分からねえ言い分に乗って、俺たちは神サマと戦って命を落とせってだあ?! ふざけんじゃねえ、俺たちはテメェらの操り人形じゃな———」

「操り人形だ」

 ———なんて?


「———貴様らは、我々人界軍の操り人形だ。既に貴様らの肉親は軍に人質として捕らえられ、他の民間人と隔離かくりされて生活している。一部肉親がいない者もいるがな」

「人質……ってえとまさか……俺が逃げ出したら……俺のおっかさんが……」

「死ぬ。……ああいや、正しくは我々の手によって『処刑』される」

 ———なんてこった。

 ……つまり、みんなの肉親は、みんな———人界軍に人質に取られてるってこと?!……みんなを軍に入れるために?! ためだけに?!

 全員にそうさせることで、操り人形に仕立て上げてみせたってのか……魔術的な催眠など、何1つ使わずして!


「———まだ分からないか」

 女騎士は———それでも淡々と、機械のように話を進めていく。
 うっすら涙を流しながら、膝から崩れ落ちるブランをも横目に。


「それほどまでに由々しき事態である、と言うことだ。当然私自身も人界王———『委員会』の正気を疑ったとも。

 しかしそれほどまでに、多数の強者を無理矢理にでも動かしてまで対応せねばなるまい深刻な事態、と言うことも容易に想像できるであろう。違うか?」


「多数の———強者……って、一体どう言う……」

「そうだな、ちょうど良い話題が出てきたところだから本筋に戻るとしよう。私がここに集めた貴様らは、先のサイドポーツの大会にて、優秀な成績……違うな、試合の中でも特別な活躍を収めた者を、チームの勝敗に関係なく選抜している」

 ……つまり、僕もその中の1人に選ばれたと?

「実を言うとだな……民間人へのサイドツー操縦シュミレーターの大量供給、そして3ヶ月という、あまりにも短期間でのサイドポーツの普及。

 これらは生身での戦闘に参加してこなかった民間人を、サイドツーを用いて強制的に戦場に送り出すことを目的とした計画の一端だった。

 そうして、そのような計画、そして国が主体となるサイドポーツの大会を開くことで、サイドツーの操縦経験者の急速な育成を図る。

 そしてサイドツーの操縦技術に優れている者をこうして選抜して集めることこそ、先のサイドポーツ大会の真の目的だったのだ。

 ……これで分かっただろう? 自分たちがいかに価値のある存在だと言うことが」


 そうか。
 だからブランだってここにいる……だから僕だってここにいる、ってワケなのか。

「そうしてここに集められた者は、サイドツー操縦者の代表として、他の操縦者の手本となるべき部隊として育成される。

 その名も……『第0機動小隊』。ネーミングはそのままだが気にしないでおいてくれ」


 第0機動小隊、そのメンバーが……ここにいる人たち……!

 ———うん、

 初対面、最悪だ(何も話せていなかった)!
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