234 / 237
オペレーション・ヴェンデッタ・ゼロ
万端たる準備
しおりを挟む
*◇*◇*◇*◇
一方その頃。
王城内において、トランスフィールドとの合同会議が終わり、1人玉座に着いていた黒の元に、とある人物が訪れる。
『よぉ……人界王、テメェの依頼は済んだぜ?……粛清———などと、物騒な言葉をよくも使ったもんだ』
「……ありがとう、クラッシャー」
『なあに、金を積んでくれると言うのなら、どこまででも働いてやるさ……
ところで、今回殺したヤツらは何だったんだ?……どうしてヤツらは、味方を攻撃なんてしていたんだ?』
「———全てが、俺の読み通りだったってだけさ。
わざわざこの為だけに、アデーレ大隊の隊長に命令だってしたさ。……ケイ・チェインズは、あのトゥルースってヤツを気にかけていたみたいだからな。
何せケイは、オリュンポス側の人間とは言え、その意思は完全にこちらに向いている。……ヤツを表向きにはスパイとして裏切らせるためには、ここまでしてみせるってことさ。
トゥルースを始末し、その機体のデータやらを盗むのにもいい機会だった。
根っからのスパイも始末でき、あちら側の戦力も鹵獲できる。一石二鳥のこの機会、この俺が逃すわけがないだろう。
そして、今回俺が殺せと命じたヤツらは……オリュンポスの残存スパイ。
ゴルゴダ機関7番隊元隊長、トゥルース……その本物。
もとい、ケイ・チェインズの目覚めにより、トゥルース2代目の離反に次いで離反した、悪意の塊。
……アレを、第0や近衛騎士に処理させるのは心が痛むからな。人を殺すことに何の躊躇もない、お前に処理させてもらった」
『っはあ、俺は上手く使われたってワケか……まぁ別に、使われようが使い方が上手いなら何も言いやしねえさ』
「ところで、1つ質問いいか?」
『何でもよこして大丈夫だぜぇ、人界王様よぉ』
「貴様、なぜ俺達に協力する?
サナのヤツは、貴様から協力する理由を聞かされたと聞いている。……が、俺はその詳細を知らない。……教えてくれると嬉しい。信用の問題だ」
『っはあ! 聞く、聞くかあ、それを! 確かに金を積めば協力するが、本質をついてねえもんな、それじゃあ!
……ならば教えてやろう……ヤツらの計画、エターナルの全容は———』
「それは知っている。でなければ、俺は人界王でもなければ、ソウルレスでもないわけだからな」
『なら話は早え。
俺は———人を殺したい……いいや、もっと言うなら人を殺し続けたいのさ』
「———っ」
『おかしいか?……っははぁ、おかしくて結構、俺はお前らみたいにお利口さんじゃないんでねぇ。
オリュンポスの計画、エターナル。ソレは人類を永遠に導くらしいがな……
そんなことしたらよぉ、もう誰も殺せなくなっちまうだろ?
飛び散る肉塊、血と肉の味! 泣き叫ぶ女子供の悲鳴、無様にも散っていく戦士共の嗚咽っ!
守れなかったと後悔しゆく慟哭、最後の最後に本性を表し、哀れにも友人を盾に取る屑の権化! その、深淵の底まで響き渡る痛みの咆哮!
この地獄を、この最悪を! もう経験できないと言うなら、生きてる価値なんてありはしないんだよ……!
そう、この地獄を味わった後に飲む———奪取品の酒が……この世界で最っ高に美味いってのに、誰もそれに気付けやしないんだ……
だからヤツらは、永遠なんてくだらない計画を求める、そうだろ?』
「———やはり、お前は異常だ」
『何とでも言っておけ……いずれ貴様も、殺すことになるだろうからな……』
「———いいや、お前との決着は、オリュンポスより戻ってきた白がつけるはずさ。
その日まで、アイツが生きていたならの話だがな」
『白———ああ、あの人でなしかぁ……
ヤツも俺と同じだ。痛みがなければ生きていけない、人としての異常者……今更あんな化け物が、人風情の顔をするもんじゃねえってのによぉ……
———で、どうすんだ? 最終作戦……とやらは』
「どうするも何も、作戦実行の演説はこの後すぐに放送だ。……もちろん、人界軍は総力を尽くす。
やむを得ないとなれば、この王城や、未完成のカタストロフィまで使ってみせるつもりさ。もしカタストロフィを出すとなれば、俺が乗ることになるが」
『ほお……もうすぐ殺り合えるってか、オリュンポスのヤツらと……!』
「楽しみに待っておくんだな。……その後は、貴様が死ぬ番だが」
一方その頃。
王城内において、トランスフィールドとの合同会議が終わり、1人玉座に着いていた黒の元に、とある人物が訪れる。
『よぉ……人界王、テメェの依頼は済んだぜ?……粛清———などと、物騒な言葉をよくも使ったもんだ』
「……ありがとう、クラッシャー」
『なあに、金を積んでくれると言うのなら、どこまででも働いてやるさ……
ところで、今回殺したヤツらは何だったんだ?……どうしてヤツらは、味方を攻撃なんてしていたんだ?』
「———全てが、俺の読み通りだったってだけさ。
わざわざこの為だけに、アデーレ大隊の隊長に命令だってしたさ。……ケイ・チェインズは、あのトゥルースってヤツを気にかけていたみたいだからな。
何せケイは、オリュンポス側の人間とは言え、その意思は完全にこちらに向いている。……ヤツを表向きにはスパイとして裏切らせるためには、ここまでしてみせるってことさ。
トゥルースを始末し、その機体のデータやらを盗むのにもいい機会だった。
根っからのスパイも始末でき、あちら側の戦力も鹵獲できる。一石二鳥のこの機会、この俺が逃すわけがないだろう。
そして、今回俺が殺せと命じたヤツらは……オリュンポスの残存スパイ。
ゴルゴダ機関7番隊元隊長、トゥルース……その本物。
もとい、ケイ・チェインズの目覚めにより、トゥルース2代目の離反に次いで離反した、悪意の塊。
……アレを、第0や近衛騎士に処理させるのは心が痛むからな。人を殺すことに何の躊躇もない、お前に処理させてもらった」
『っはあ、俺は上手く使われたってワケか……まぁ別に、使われようが使い方が上手いなら何も言いやしねえさ』
「ところで、1つ質問いいか?」
『何でもよこして大丈夫だぜぇ、人界王様よぉ』
「貴様、なぜ俺達に協力する?
サナのヤツは、貴様から協力する理由を聞かされたと聞いている。……が、俺はその詳細を知らない。……教えてくれると嬉しい。信用の問題だ」
『っはあ! 聞く、聞くかあ、それを! 確かに金を積めば協力するが、本質をついてねえもんな、それじゃあ!
……ならば教えてやろう……ヤツらの計画、エターナルの全容は———』
「それは知っている。でなければ、俺は人界王でもなければ、ソウルレスでもないわけだからな」
『なら話は早え。
俺は———人を殺したい……いいや、もっと言うなら人を殺し続けたいのさ』
「———っ」
『おかしいか?……っははぁ、おかしくて結構、俺はお前らみたいにお利口さんじゃないんでねぇ。
オリュンポスの計画、エターナル。ソレは人類を永遠に導くらしいがな……
そんなことしたらよぉ、もう誰も殺せなくなっちまうだろ?
飛び散る肉塊、血と肉の味! 泣き叫ぶ女子供の悲鳴、無様にも散っていく戦士共の嗚咽っ!
守れなかったと後悔しゆく慟哭、最後の最後に本性を表し、哀れにも友人を盾に取る屑の権化! その、深淵の底まで響き渡る痛みの咆哮!
この地獄を、この最悪を! もう経験できないと言うなら、生きてる価値なんてありはしないんだよ……!
そう、この地獄を味わった後に飲む———奪取品の酒が……この世界で最っ高に美味いってのに、誰もそれに気付けやしないんだ……
だからヤツらは、永遠なんてくだらない計画を求める、そうだろ?』
「———やはり、お前は異常だ」
『何とでも言っておけ……いずれ貴様も、殺すことになるだろうからな……』
「———いいや、お前との決着は、オリュンポスより戻ってきた白がつけるはずさ。
その日まで、アイツが生きていたならの話だがな」
『白———ああ、あの人でなしかぁ……
ヤツも俺と同じだ。痛みがなければ生きていけない、人としての異常者……今更あんな化け物が、人風情の顔をするもんじゃねえってのによぉ……
———で、どうすんだ? 最終作戦……とやらは』
「どうするも何も、作戦実行の演説はこの後すぐに放送だ。……もちろん、人界軍は総力を尽くす。
やむを得ないとなれば、この王城や、未完成のカタストロフィまで使ってみせるつもりさ。もしカタストロフィを出すとなれば、俺が乗ることになるが」
『ほお……もうすぐ殺り合えるってか、オリュンポスのヤツらと……!』
「楽しみに待っておくんだな。……その後は、貴様が死ぬ番だが」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
10
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる