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断章Ⅱ〜最終兵器にアイの花を〜
Side-レイラ: 感嘆
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……何が起こっている?
後方にて私が乗っている02機以外の全機が爆散、一体誰が、どのような手段を用いてこのような事を———。
そう思いつつも振り向いた方には———。
「……誰よ、誰よアイツっ!」
フードのみを被った、全裸の赤髪の女が。
手には鎌。……まさか、鎌であのサイドツー全機を撃墜したと……?!
『嬢ちゃん! テメェだけでも逃がす———こたぁ、さすがにできねえか……ここでテメェは降ろす、こっちはせめて時間だけでも稼いでみせらぁっ!』
「時間稼いで……どーするんすか!!」
『どーしようもねぇ……が、隙を見ろ、機を伺え、テメェにはそれができるんだろ、ゴルゴダ機関! 俺なら、俺なら———ヤツと渡り合えるはずだ、伊達にこの刀を扱ってきたわけじゃねえからなぁっ!』
姿勢を低く下げたサイドツーより降りるが、私が降りたのを確認した瞬間———。
『来やがれ化け物ぉっ、俺の一太刀に敵うものならやってみせろぉっ!』
サイドツーは、その腰に装備された長刀を抜き、突の構えをとってみせる。
まさか本当にたった1機で時間を稼ぐと……!
「———にぃ……っ!」
女とサイドツーの刃が互いに擦れ合う。1発目を防いでみせたんだ、これなら時間稼ぎもいける!
「———え?」
———いや、おかしい。
確かにそうだ、刃の擦れ合う音、鉄の歪む音は確かに聞こえたはずなんだ、その刃が交わっていない、なんておかしいんだ、あり得ないはずなんだ。
なのに、なのになんで———!
『……そ、だろ……何を……された……?!』
なんで、サイドツーが———既に鎌に引き裂かれているんだよ……っ!
『っあ、お、れ……の、右腕……ぁ』
あちら側の景色も見えるように分断された断面より、そのバックリと割れた肩と右腕のみを出す人の胴体と、赤く染まった操縦席。
間違いない、今ので———やられた!
「な~んだ、なっさけな~い」
ようやく赤髪の女が、その口を開く。
「あんなに自信満々に意気込んでおきながらそれとか、雑魚すぎるにも程があるってもんじゃない?」
『……ん、だと……ゴラァッ!』
瞬間、サイドツーは素早く長刀を左腕に持ち替え、後方に反転し女の背後に斬りかかるが———。
『ぶが……あっ?!』
今度は脚、サイドツーの脚が2つとも完全に分断される。
「貴方が———この隊のリーダー?」
見るも無惨に倒れ伏したサイドツーの操縦席まで飛び移り、腰を屈めながら質問する女。
間違いない、攻撃するなら今しか———!
『そうだと言ったら———どうするつもりだ』
「どうするも何も———殺すのみじゃない、何もしなくても、そのままじゃ出血多量で死ぬけどね」
『だったら……』
ガゴン、と、何かが蠢いたような鈍い音が響く。
『早くしたらどうだ、全裸のまま外に出る、だなんて……寒いじゃねえか』
「あら、お気遣いありがとう。……でも———貴方の血で、暖かくするのみよ」
『———は、暖かく、したいか———なら……ばっ!』
———私は、1度出るのを思いとどまる。
なぜならその瞬間、サイドツーが赤く発光しだしたからだ。
『ならば———早めにした方がよかったなぁっ、クソでも食らってあの世で寝てろぉぉっ!』
「———っ!」
サイドツーは轟音と衝撃を上げ、潔く———清々しく、敗北を認めながら爆散———自爆する。
「…………っ、……っっ!」
必死で手で口を抑えながらも、その瞬間には声を荒げずにはいられなかった。
こんなにもあっさりと。
しかして。
こんなにも潔く、人は散れるものだと。
感動しながらも———感嘆に塗れていた。
……何が起こっている?
後方にて私が乗っている02機以外の全機が爆散、一体誰が、どのような手段を用いてこのような事を———。
そう思いつつも振り向いた方には———。
「……誰よ、誰よアイツっ!」
フードのみを被った、全裸の赤髪の女が。
手には鎌。……まさか、鎌であのサイドツー全機を撃墜したと……?!
『嬢ちゃん! テメェだけでも逃がす———こたぁ、さすがにできねえか……ここでテメェは降ろす、こっちはせめて時間だけでも稼いでみせらぁっ!』
「時間稼いで……どーするんすか!!」
『どーしようもねぇ……が、隙を見ろ、機を伺え、テメェにはそれができるんだろ、ゴルゴダ機関! 俺なら、俺なら———ヤツと渡り合えるはずだ、伊達にこの刀を扱ってきたわけじゃねえからなぁっ!』
姿勢を低く下げたサイドツーより降りるが、私が降りたのを確認した瞬間———。
『来やがれ化け物ぉっ、俺の一太刀に敵うものならやってみせろぉっ!』
サイドツーは、その腰に装備された長刀を抜き、突の構えをとってみせる。
まさか本当にたった1機で時間を稼ぐと……!
「———にぃ……っ!」
女とサイドツーの刃が互いに擦れ合う。1発目を防いでみせたんだ、これなら時間稼ぎもいける!
「———え?」
———いや、おかしい。
確かにそうだ、刃の擦れ合う音、鉄の歪む音は確かに聞こえたはずなんだ、その刃が交わっていない、なんておかしいんだ、あり得ないはずなんだ。
なのに、なのになんで———!
『……そ、だろ……何を……された……?!』
なんで、サイドツーが———既に鎌に引き裂かれているんだよ……っ!
『っあ、お、れ……の、右腕……ぁ』
あちら側の景色も見えるように分断された断面より、そのバックリと割れた肩と右腕のみを出す人の胴体と、赤く染まった操縦席。
間違いない、今ので———やられた!
「な~んだ、なっさけな~い」
ようやく赤髪の女が、その口を開く。
「あんなに自信満々に意気込んでおきながらそれとか、雑魚すぎるにも程があるってもんじゃない?」
『……ん、だと……ゴラァッ!』
瞬間、サイドツーは素早く長刀を左腕に持ち替え、後方に反転し女の背後に斬りかかるが———。
『ぶが……あっ?!』
今度は脚、サイドツーの脚が2つとも完全に分断される。
「貴方が———この隊のリーダー?」
見るも無惨に倒れ伏したサイドツーの操縦席まで飛び移り、腰を屈めながら質問する女。
間違いない、攻撃するなら今しか———!
『そうだと言ったら———どうするつもりだ』
「どうするも何も———殺すのみじゃない、何もしなくても、そのままじゃ出血多量で死ぬけどね」
『だったら……』
ガゴン、と、何かが蠢いたような鈍い音が響く。
『早くしたらどうだ、全裸のまま外に出る、だなんて……寒いじゃねえか』
「あら、お気遣いありがとう。……でも———貴方の血で、暖かくするのみよ」
『———は、暖かく、したいか———なら……ばっ!』
———私は、1度出るのを思いとどまる。
なぜならその瞬間、サイドツーが赤く発光しだしたからだ。
『ならば———早めにした方がよかったなぁっ、クソでも食らってあの世で寝てろぉぉっ!』
「———っ!」
サイドツーは轟音と衝撃を上げ、潔く———清々しく、敗北を認めながら爆散———自爆する。
「…………っ、……っっ!」
必死で手で口を抑えながらも、その瞬間には声を荒げずにはいられなかった。
こんなにもあっさりと。
しかして。
こんなにも潔く、人は散れるものだと。
感動しながらも———感嘆に塗れていた。
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