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断章Ⅱ〜最終兵器にアイの花を〜
Side-白: 戦線復帰/一方その頃( Ⅱ )
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「待たせたな……ここからは、派手に大暴れしてやるぜ……っ!」
「して…………やるぜっ!」
キリッとした顔で、声で、言い放ってみせた———と思っていたが、その横で、ちっちゃなガッツポーズを取るアテナ。
「…………アレ、お前……俺のカッコつけるところを……!」
「奪って、ないし…………ね?」
「あーはいはい、勝手に言ってろ。……アテナ、お前は力を使わなくていいからな」
「……分かった…………頑張って、しろ」
アテナにそっと、背中を押される。その力はあまりにも小さく、赤子のような感触———だったが、俺にとってはそれで十分だった。
「……で、コイツらを全部倒す———でいいんだな、サナ!」
「ええ!……こう、派手に……やっちゃって!」
「ああ、言われなくても…………っ!」
背水の陣———無意識下に発動したソレを用いて、一瞬のうちに天井付近まで跳び上がり、そして敵機を前にして、一振り。
魔力を帯びた刃は、その機体の装甲をも抉り取り———そして両断し、直後に爆散しゆく。
「2機目……3機目いくぜぇっ!」
こんなヤツら、俺にとっては鈍いもいいところだった。こんなものに乗って戦うヤツなぞさぞかしアホなんだろうとか思いながら、片手間に刀を振ってゆく。
……が、やはり朝飯前。こんなヤツら、俺にとっては敵とは思えなかった。
「———しかしコイツら、どっかで見たことあると……思ったらっ!……アレじゃねえか、アレ!」
「アレ……って何よ、白!」
「あー…………アテナだったら分かるだろうけどさ、あの任務で出てきた、やたらめったら俺をつけ狙った黒いロボット!」
敵機の攻撃を凌ぎ続けながらも、駄弁り続ける口は止まらない。
「………………カオスドアヴァロンリメンバー……オリュンポスの…………お父様、の……作った、兵器」
「知ってるのか?!……なら何で———って、傭兵任務はお前預けてたか、そっか……っ! テメェはいい加減しつけえんだよ!」
今度は腕に持った銃まで放ってくるソイツらの攻撃を見切り、空中で回避行動を取りながら、それでも避けきれぬ弾丸を斬ってゆく。
その最中、頭に浮かんだのはあの———例の黒いロボットに乗っていた女のことだった。
……後に赤髪の少女として、何度か俺の前に現れた、アイツ。
アイツは、アイツは———カレンさんにとっての何だったのか、って。
何であんな訳アリそうにして死んでいったのか、それが分からないまま終わったから、本当に色々とあっさりし過ぎてたし、本当に今でも違和感が残る結末だった。
…………まあ、今はそんな場合じゃないか。
「5機目ぇっ!……もっと来やがれ、今の俺は誰にも止められねえぜっ!」
そんな女のこと、今すぐにでも忘れ去ってしまいたいぐらいに———。
*◇*◇*◇*◇
一方その頃———白の考える『女』———ラースたちはというと。
「待たせたな……ここからは、派手に大暴れしてやるぜ……っ!」
「して…………やるぜっ!」
キリッとした顔で、声で、言い放ってみせた———と思っていたが、その横で、ちっちゃなガッツポーズを取るアテナ。
「…………アレ、お前……俺のカッコつけるところを……!」
「奪って、ないし…………ね?」
「あーはいはい、勝手に言ってろ。……アテナ、お前は力を使わなくていいからな」
「……分かった…………頑張って、しろ」
アテナにそっと、背中を押される。その力はあまりにも小さく、赤子のような感触———だったが、俺にとってはそれで十分だった。
「……で、コイツらを全部倒す———でいいんだな、サナ!」
「ええ!……こう、派手に……やっちゃって!」
「ああ、言われなくても…………っ!」
背水の陣———無意識下に発動したソレを用いて、一瞬のうちに天井付近まで跳び上がり、そして敵機を前にして、一振り。
魔力を帯びた刃は、その機体の装甲をも抉り取り———そして両断し、直後に爆散しゆく。
「2機目……3機目いくぜぇっ!」
こんなヤツら、俺にとっては鈍いもいいところだった。こんなものに乗って戦うヤツなぞさぞかしアホなんだろうとか思いながら、片手間に刀を振ってゆく。
……が、やはり朝飯前。こんなヤツら、俺にとっては敵とは思えなかった。
「———しかしコイツら、どっかで見たことあると……思ったらっ!……アレじゃねえか、アレ!」
「アレ……って何よ、白!」
「あー…………アテナだったら分かるだろうけどさ、あの任務で出てきた、やたらめったら俺をつけ狙った黒いロボット!」
敵機の攻撃を凌ぎ続けながらも、駄弁り続ける口は止まらない。
「………………カオスドアヴァロンリメンバー……オリュンポスの…………お父様、の……作った、兵器」
「知ってるのか?!……なら何で———って、傭兵任務はお前預けてたか、そっか……っ! テメェはいい加減しつけえんだよ!」
今度は腕に持った銃まで放ってくるソイツらの攻撃を見切り、空中で回避行動を取りながら、それでも避けきれぬ弾丸を斬ってゆく。
その最中、頭に浮かんだのはあの———例の黒いロボットに乗っていた女のことだった。
……後に赤髪の少女として、何度か俺の前に現れた、アイツ。
アイツは、アイツは———カレンさんにとっての何だったのか、って。
何であんな訳アリそうにして死んでいったのか、それが分からないまま終わったから、本当に色々とあっさりし過ぎてたし、本当に今でも違和感が残る結末だった。
…………まあ、今はそんな場合じゃないか。
「5機目ぇっ!……もっと来やがれ、今の俺は誰にも止められねえぜっ!」
そんな女のこと、今すぐにでも忘れ去ってしまいたいぐらいに———。
*◇*◇*◇*◇
一方その頃———白の考える『女』———ラースたちはというと。
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