Wit:1/もしも願いが叶うなら〜No pain, no live〜

月影弧夜見(つきかげこよみ)

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断章Ⅱ〜最終兵器にアイの花を〜

偽り/配偶

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『やめる……だと?……コレはおまえが望んだことであろう、アテナ!』

『ちがう……しろ、が、望んでない……ことは、私、も、望んで…………ないっ!』

 防がれた神威は、一度引かれた後、もう一度アテナへと迫る。
 しかし今度は下ろされることなく、突きとして。


『っぐううっ!!!!』

 神威。
 真たる担い手が持とうなら、53もの連撃を、全く同時のタイミングで繰り出すことのできる概念武装。

 その全てが1点に重なった時、『53もの連撃』が『同時に』、『同じ場所に発生した』という事象に世界そのものが耐えきれず、事象の飽和———つまるところ命中した場所、モノそのものを消失させる。

 その究極の一手が神防アイギスに決まった時———いくら神の防護兵装であろうと、その事象飽和———概念的消失の前にはあまりにも無力だった。



『んぐぅ、ああっ!!』

『いい加減、脱ぎ捨てろ。そのを。

 ……セラ・グレイフォーバス…………あの女に、おまえはいつまで入れ込んでいるのだ?』

『違う……2に入れ込んでいるわけじゃ、ない……私、は、誰かに———アイされる、ために……っ!』

『ならばおまえは、なぜ本当の体で愛されようとしなかった?

 受け入れて欲しいのは、ありのままの自分であろう?』







「なん、だって?」


 

 そのゼウスの———白の声を模したゼウスの声に反応したのは、あろうことか……白だった。



「本当の体じゃ、ない……?」


『おっとコレは……面白いことになりそうだ……私は少し黙っておきましょう……』






「どういう……ことだ、お前一体何を———」

『ちが……ちがう、ちがうの、しろ…………っあぁっ!』

 白の方を振り向き、白に向かって走り出し、そして無様にも転んだアテナ。

 しかしその目には、確かに涙が浮かんでいた。

『うっ…………ふぐ、私、は……』

『本当の体は、それではないはずだ。おまえも我と同じ、ヒトの概念より抽出した、外側のみの体を借りただけのもの。

 本来の体は、そんなモノではないはずだ。我と同じ、機械仕掛けの神。なればこそ、機神なのであろう』

 ゼウスの言葉に気押されるアテナは、未だに床に伏したままであった。

『……なん、で……そんな、ひどいこと……言う、の、おとう……さま……!』

『———』

『私は、私…………は、アイしたかった……アイされたかった、ただ———ただ、それだけで……!



 …………あこがれ、だった、の』


「え———、」

 白はその、アテナの必死な姿を見つめながら、何を考えていたのか。



 そう、それは———アテナは……ニトイは、どうして自分を愛してくれたのか。……それだけであった。


『……ずっと、ずっとむかしに…………そんな、人を、見たの。

 例え、星を賭けようとも……愛し合いつづけることを、やめなかった人たちの、こと。

 終末、に、あっても…………それでも、自分の、アイする人に……手をのばしつづけた、1人の、ひ弱な、人間の男の子。



 ………………だから……だ、から……そんな、ふうに、アイされたかった……アイ、して……みたかった、の……私も!』

「アテ……ナ……」


『そして……しろを、見つけた。
 あの、燃えるの、夜……しろを、見て、一目で…………好きだって、分かったの。

 だから、を、使った。

 さっきの、愛し合った人……の、———かつての、救世主の……の、体を』

『……』

『………………っだから! だからこれは……これ、は……私の…………わがまま、なの……

 私のわがまま……で、しろを…………しろに……サナ、さんと、私を……選ばせた……わたし、が、しろを…………ん、だよ……?』

「…………ああもう」

『にせものの、体、で……にせものの、関係、で…………それ、でも、ありのままの……っ、


 ありのままの、わたしを……受け入れてくれる……?

 アイして、くれるの……しろ?』





「……………………ああっもう! 今更そんなことで———悩んでんのかよ、アテナ!」

『———うぅ』

「今更だよ、今更!
 俺は———俺は決めたんだよ、お前をアイするって! それに言っただろ、お前と結婚するって!」


『なるほど、コレは中々面白くなってきましたね、ゼウスよ……』
『———ほう』


「そんな決意が、たった今の事実だけで揺らぐかよ!……いいや揺らぎはしねえ、……ってかここで言ってやる!

 おい———機神ゼウス! 俺の身体を勝手に使って色々としてるのは……まあいいとしてだ!



 お前の娘さん———アテナを…………っ、俺の———!




 …………嫁に、くれ……!」

『何だと?』


「嫁に……嫁にくれって……結婚させてくれつってんだよ!……ああもう、恥ずかしいんだから何度も言わせないでくれ……

 俺は………………っ、俺は…………アテナが好きだ! どんな姿だろうと、コイツが好きで———愛してやるって決めたんだよ、俺は!

 だからだ、アテナを嫁にくれ……結婚させてくれって言ってるんだよ、ゼウス———お義父様っ!!!!」








 誰もが———本当に、刹那をも含めた誰もが、その発言によって静寂を保っていた中、発言したのはゼウスだった。


『信じて、よいのだな』

「………………え」


『我が娘を、任せて良いのか、と。

 ありのままの娘を、受け入れてくれるか、と聞いている』



「……決意は、今言った通りだ。
 俺もアテナも、異論はない。だろ?」

『えっ……で、も……私、は———』

「……もういいだろ。ここまで来ちまったんだ、行くとこまで行っちゃおう。

 ってことだ。俺は受け入れる。愛してみせる。……だから———」

『………………我は。






 我は、
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