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第17話 vsヨガストロー❶
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『せっかくだから金持神社に行こうぞ』
そんなことをメガネをかけていない比較的お馬鹿な方の金髪が言い出した。鳥取県日野町にはなかなか有名らしい金持神社というものがある、ならばこのデータゾーンにも同じモノがコピペされてあるはずだという寸法だ。
なかなか復活しない通信が復活するまではスクラップの運搬ぐらいしかやることはないので、その初耳の神社で金運アップも悪くないと他の2人も同意し────
自然と足元注意で頭が下がる長い石段を堂々と上りたどりついた。
各々古びた賽銭箱にちゃっかり賽銭をし、何を願う。
手を合わせ──パッと開かれた青い瞳はいつもよりおだやかだ。
「なんかこういうのいいな、神様ひとりじめって感じで」
「何言ってんだよ…まぁ同意」
「静謐をかんじる…っぺ……」
「「「…………」」」
もう一度3人は目を閉じて木漏れ日と葉のかすかな笑い声に静謐を味わう────
「──え、なんて?」
「聞こえてたろお前、静謐に加担したじゃねぇか」
「ふっ…」「ぺっ…」
「まぁ金持ち神社だから静謐ってのもど──」
「おい、神様インドから来ちゃったよ」
「なんだ話途中にインドなわけ…インドだ!」
「ザ・インドっぺ」
「うわーターバン巻いたゴールデンインドだよ、まじでレアじゃん金持ちになっちゃうぞこれ(ブロンズシルバーしか見たことねぇぞ…やべぇ)」
静かな気配に振り返った背後──鳥居をくぐり境内にぽつり現れたのは。
黄金色のターバンに豪華な赤い刺繍を施されたクリーム色のシャルワニ、伝統的なインド人男性の礼装姿だ。
「なんで既にブロンズシルバーみてんだよってなんで構えてんだ、カタナァ!?」
「あぁ? 金持ち専用の神様なんて貧乏人には邪じゃねぇか、貴重なピンピンばちばちの千円札お賽銭しちまったぞこら」
「なんですでに貢ぐ用意ビンビンにしてんだよ俗物…言ってることは無茶苦茶だが同意だぜ……おい止まれそこの神様、あんま乙女に近寄るんじゃないよバチ当たるぞ!(なんだこいつは…まさか神様なわけねぇよなこんなんが懸でも魔法ソード少女な訳もねぇ怪しすぎる)」
人は見た目で判断するなというが、胡散臭い神様は見た目で判断した。
服こそ金持の神様に違わぬ豪華だが見たこともない石色の肌に赤い瞳、白い髭と髪をしていればいくら老人の範囲でも真っ当なモノと判断できかねる。
「こ、これカレーとラクロスの雰囲気じゃないっぺ……!」
「当たり前だペネロペ、ラクロスじゃなくクリケットにしとけ。無駄に怒らせんなよ」
各々武器を構えて警戒し制止をうながしても、ゆっくりと歩みトマラナイ。
しかしやがて言葉が通じたのか歩みを止め──
『アッ……』
「「「あっ……?」」」
『アッチャーーーーーー!!!』
「!! ッペーどけッ──」
知らぬ存ぜぬ狂気は謎の掛け声とともに──
割って入るようにッペネロッペーとインドの間にカタナは滑り込んだ。
「カタナ!?ペネロペ!?」
一瞬にて──抜き身で挑んだ刃ごと殴りつけられた2人は吹き飛ばされさっきまで拝んでいた拝殿の賽銭箱をぶち壊した。
豪華に着飾った石肌は豪華な赤チャイナ服を着たツルハシを睨みワラった。
「な、なんだお前は……!!」
ツルハシはメガネごしでも背筋が凍りつくほどの悍ましさを本能で感じた。
グーパーと白煙たちのぼる拳の感覚を確認する──
顕現したのは神様か、悪魔か、新種のストローか……訳の分からない未曾有の状況がはじまってしまった。
▼▼▼
▽▽▽
「ハァハァ……──おーいツッコミ中華メガネ、この突然あらわれた変態ヨガストロー野郎に勝ち目あるとおもう……?」
「ハァハァ……ッ…だれがツッコミ中華メガネだ……絶対ない、なんとかオーデオ本部まで逃げるしかない!」
「あー、無理。しぬっぺ」
「あーぁだから交換生枠でなんかでマリティンティンに行くの嫌だったんだよ絶対的に変態の仕組んだ罠じゃねぇか…どすんだよこれツッコミ中華メガネ。中華まん屋の前の道端で延々あのイカした踊りしてた方がマシだわ」
「どうするアルぺー? イカした中華丼まん?」
昼間までは仲良く駅中の中華まん屋モーモーイチの前で中華まんを両手のひらに乗せて奇怪陽気に踊っていた、さんにん。
それが最後の思い出になりそうだと……対峙してしまった退治のかなわない事態はそれ程までに逼迫している。
静謐の雰囲気をブチ壊された境内から石段ではなく獣道を駆け降りて逃げ仰せた──だがDSシールド値を削られ満身創痍の3人へとゆっくりと日中のアスファルトを歩き迫る狂気、黄金の熱源に……
「お前らこんなときまでふざけんじゃねぇ…! くっ、こうなりゃ金持神社ってより貧乏くじ──私がありったけの宝石魔法で時間を稼ぐお前らは! 逃げろ! まりょくを一定時間使わなきゃ通信が復活するってチュートリアルで私はきいたぞ! のんびり観光してお賽銭ぶち込めるぐらい一向にそんな気配はねぇけどなッッ構わずいけっ! どうせお前ら他人のはなし聞いてないだろ!」
ツルハシは腹を括った。
お人好しで言ったのではない、このゴールドターバンの狙いはどちらかというと何故だか自分の方であると思ったからだ。
これが1番助かる見込みがある作戦だと、多大な焦燥に焼かれた脳で計算してみせた。
ツルハシに突然そんな事をぶち込まれた仲間として行動しているカタナとッペネロッペー。
その横顔は見たこともない真剣な眼差しで敵を見つめ武器のツルハシの柄にぎゅっとチカラを込めた──いっぽ、にほ前へと──
「まじかよ、っておい待て何言ってんだ! そんなことしたらおまっっ……ありがてぇーー!!!」
「かまわな──は!??」
「ありがとうっぺ中華丼まん、骨は拾って海にまくよ、さらさら~さらば、」
「いやいや待ておまえら……なんかちがうだろここぞのリアクションが! 最後だぞ! わたしの…ツッコミ中華メガネの最後だぞこれ!! 真剣に!!」
「そうだな」
「そうだなっぺ」
「やっぱこの3人で最後がいんじゃねぇか、あこれ強制ね、逃げたら斬ぃぃる、背中から」
一足早く前に一歩二歩勇んだチャイナ服の足に、ゆっくりと左右から挟み込むように並んだ。
緑鞘からすべらせ抜刀した刃は一片も欠けていない、陽光を味方にし輝いている。
特別なマイクを手持ちシノビアイドル衣装は自慢の喉をさすりマイクテスト。どうやら並じゃない炎症を起こした喉はまだまだ枯れてはいないらしい。
「ハッ…カタナお前ってほんとこえぇな、あぁ!」
「よし、できるだけ正面を向いたまま下がるっぺ」
「下がんなっぺっぺっぺ♡さぁてこのド変態ヨガストロー相手に誰からイクぅ? ツルハシ、っぺーちゃん?」
「私は絶対遠慮するけどッ! 金持ちだろうと神様だろうと寄る変態には──さん、に、いち!」
「「「撃てええええ!!!」」」
ツルハシ、刀の切先、向けられたマイクから今、邪な神様へとまりょくビームは斉射された。
金持神社にぶらりと顕現した石色肌の黄金ターバン、それが何者であろうとオーデオの魔法ソード少女たちはチカラを合わせて共に捩じ伏せる事を選んだ。
そんなことをメガネをかけていない比較的お馬鹿な方の金髪が言い出した。鳥取県日野町にはなかなか有名らしい金持神社というものがある、ならばこのデータゾーンにも同じモノがコピペされてあるはずだという寸法だ。
なかなか復活しない通信が復活するまではスクラップの運搬ぐらいしかやることはないので、その初耳の神社で金運アップも悪くないと他の2人も同意し────
自然と足元注意で頭が下がる長い石段を堂々と上りたどりついた。
各々古びた賽銭箱にちゃっかり賽銭をし、何を願う。
手を合わせ──パッと開かれた青い瞳はいつもよりおだやかだ。
「なんかこういうのいいな、神様ひとりじめって感じで」
「何言ってんだよ…まぁ同意」
「静謐をかんじる…っぺ……」
「「「…………」」」
もう一度3人は目を閉じて木漏れ日と葉のかすかな笑い声に静謐を味わう────
「──え、なんて?」
「聞こえてたろお前、静謐に加担したじゃねぇか」
「ふっ…」「ぺっ…」
「まぁ金持ち神社だから静謐ってのもど──」
「おい、神様インドから来ちゃったよ」
「なんだ話途中にインドなわけ…インドだ!」
「ザ・インドっぺ」
「うわーターバン巻いたゴールデンインドだよ、まじでレアじゃん金持ちになっちゃうぞこれ(ブロンズシルバーしか見たことねぇぞ…やべぇ)」
静かな気配に振り返った背後──鳥居をくぐり境内にぽつり現れたのは。
黄金色のターバンに豪華な赤い刺繍を施されたクリーム色のシャルワニ、伝統的なインド人男性の礼装姿だ。
「なんで既にブロンズシルバーみてんだよってなんで構えてんだ、カタナァ!?」
「あぁ? 金持ち専用の神様なんて貧乏人には邪じゃねぇか、貴重なピンピンばちばちの千円札お賽銭しちまったぞこら」
「なんですでに貢ぐ用意ビンビンにしてんだよ俗物…言ってることは無茶苦茶だが同意だぜ……おい止まれそこの神様、あんま乙女に近寄るんじゃないよバチ当たるぞ!(なんだこいつは…まさか神様なわけねぇよなこんなんが懸でも魔法ソード少女な訳もねぇ怪しすぎる)」
人は見た目で判断するなというが、胡散臭い神様は見た目で判断した。
服こそ金持の神様に違わぬ豪華だが見たこともない石色の肌に赤い瞳、白い髭と髪をしていればいくら老人の範囲でも真っ当なモノと判断できかねる。
「こ、これカレーとラクロスの雰囲気じゃないっぺ……!」
「当たり前だペネロペ、ラクロスじゃなくクリケットにしとけ。無駄に怒らせんなよ」
各々武器を構えて警戒し制止をうながしても、ゆっくりと歩みトマラナイ。
しかしやがて言葉が通じたのか歩みを止め──
『アッ……』
「「「あっ……?」」」
『アッチャーーーーーー!!!』
「!! ッペーどけッ──」
知らぬ存ぜぬ狂気は謎の掛け声とともに──
割って入るようにッペネロッペーとインドの間にカタナは滑り込んだ。
「カタナ!?ペネロペ!?」
一瞬にて──抜き身で挑んだ刃ごと殴りつけられた2人は吹き飛ばされさっきまで拝んでいた拝殿の賽銭箱をぶち壊した。
豪華に着飾った石肌は豪華な赤チャイナ服を着たツルハシを睨みワラった。
「な、なんだお前は……!!」
ツルハシはメガネごしでも背筋が凍りつくほどの悍ましさを本能で感じた。
グーパーと白煙たちのぼる拳の感覚を確認する──
顕現したのは神様か、悪魔か、新種のストローか……訳の分からない未曾有の状況がはじまってしまった。
▼▼▼
▽▽▽
「ハァハァ……──おーいツッコミ中華メガネ、この突然あらわれた変態ヨガストロー野郎に勝ち目あるとおもう……?」
「ハァハァ……ッ…だれがツッコミ中華メガネだ……絶対ない、なんとかオーデオ本部まで逃げるしかない!」
「あー、無理。しぬっぺ」
「あーぁだから交換生枠でなんかでマリティンティンに行くの嫌だったんだよ絶対的に変態の仕組んだ罠じゃねぇか…どすんだよこれツッコミ中華メガネ。中華まん屋の前の道端で延々あのイカした踊りしてた方がマシだわ」
「どうするアルぺー? イカした中華丼まん?」
昼間までは仲良く駅中の中華まん屋モーモーイチの前で中華まんを両手のひらに乗せて奇怪陽気に踊っていた、さんにん。
それが最後の思い出になりそうだと……対峙してしまった退治のかなわない事態はそれ程までに逼迫している。
静謐の雰囲気をブチ壊された境内から石段ではなく獣道を駆け降りて逃げ仰せた──だがDSシールド値を削られ満身創痍の3人へとゆっくりと日中のアスファルトを歩き迫る狂気、黄金の熱源に……
「お前らこんなときまでふざけんじゃねぇ…! くっ、こうなりゃ金持神社ってより貧乏くじ──私がありったけの宝石魔法で時間を稼ぐお前らは! 逃げろ! まりょくを一定時間使わなきゃ通信が復活するってチュートリアルで私はきいたぞ! のんびり観光してお賽銭ぶち込めるぐらい一向にそんな気配はねぇけどなッッ構わずいけっ! どうせお前ら他人のはなし聞いてないだろ!」
ツルハシは腹を括った。
お人好しで言ったのではない、このゴールドターバンの狙いはどちらかというと何故だか自分の方であると思ったからだ。
これが1番助かる見込みがある作戦だと、多大な焦燥に焼かれた脳で計算してみせた。
ツルハシに突然そんな事をぶち込まれた仲間として行動しているカタナとッペネロッペー。
その横顔は見たこともない真剣な眼差しで敵を見つめ武器のツルハシの柄にぎゅっとチカラを込めた──いっぽ、にほ前へと──
「まじかよ、っておい待て何言ってんだ! そんなことしたらおまっっ……ありがてぇーー!!!」
「かまわな──は!??」
「ありがとうっぺ中華丼まん、骨は拾って海にまくよ、さらさら~さらば、」
「いやいや待ておまえら……なんかちがうだろここぞのリアクションが! 最後だぞ! わたしの…ツッコミ中華メガネの最後だぞこれ!! 真剣に!!」
「そうだな」
「そうだなっぺ」
「やっぱこの3人で最後がいんじゃねぇか、あこれ強制ね、逃げたら斬ぃぃる、背中から」
一足早く前に一歩二歩勇んだチャイナ服の足に、ゆっくりと左右から挟み込むように並んだ。
緑鞘からすべらせ抜刀した刃は一片も欠けていない、陽光を味方にし輝いている。
特別なマイクを手持ちシノビアイドル衣装は自慢の喉をさすりマイクテスト。どうやら並じゃない炎症を起こした喉はまだまだ枯れてはいないらしい。
「ハッ…カタナお前ってほんとこえぇな、あぁ!」
「よし、できるだけ正面を向いたまま下がるっぺ」
「下がんなっぺっぺっぺ♡さぁてこのド変態ヨガストロー相手に誰からイクぅ? ツルハシ、っぺーちゃん?」
「私は絶対遠慮するけどッ! 金持ちだろうと神様だろうと寄る変態には──さん、に、いち!」
「「「撃てええええ!!!」」」
ツルハシ、刀の切先、向けられたマイクから今、邪な神様へとまりょくビームは斉射された。
金持神社にぶらりと顕現した石色肌の黄金ターバン、それが何者であろうとオーデオの魔法ソード少女たちはチカラを合わせて共に捩じ伏せる事を選んだ。
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