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本編
13話 こんなのは、よくある事故だから
そういえば。うさぎのぬいぐるみ、ないな。
オレはベッドで身体を起こすと、室内を見回してそう思った。白とダークブラウンで統一されたモノトーンの寝室にあるのはベッドとベッドサイドに置かれた電子時計だけで、全く生活感がない。
電子時計の表示で、今が月曜日の午後三時だということがわかった。
発情期はすっかり終わったみたいで、身体のほてりも引いている。そして、多少腰まわりにダルさはあるものの、いつも以上に身体はすっきりとしていた。
オレは自分の項にそっと触れた。いままで首輪に隠れていた場所を覆っているものは、もう何もなかった。
発情中の出来事は全部覚えている。理性は飛ばしてしまっていたけれど、記憶はちゃんとあった。
オレが発情になった礼二さんを誘って、番になりたいってねだったんだ。
ホンモノの恋人じゃないのに、優しくされていい気になって、欲が出てしまった。オレは膝を抱えて顔を埋めた。いつの間にか着せられていたパジャマの肌触りの良さが、礼二さんの優しさみたいで心が痛い。
ドアをノックする音がして顔を上げたら、ドアを開けて礼二さんが寝室に入ってきた。
礼二さんは、白いオープンカラーシャツに黒いテーパードパンツを履いていた。その姿を見て、休日スタイルなのに、カッコイイなぁなんてオレはぼんやりと思った。
「茜袮くん。結婚しよう」
オレが目覚めたことに気づいた礼二さんは、ベッドサイドまでやってきて床に膝をつくと、オレの手を握って開口一番にそう言った。
「え、何言ってるんですか」
「番になったんだから、ちゃんとすべきだよ」
「こんなのよくある事故ですよ。だから別にイイですよ」
「そんなことはない!」
自分で言ってみたものの、これがよくある事故なのかはわからなかった。だけど、オメガが首輪をつけるのはこういったことがよくあるからだと聞いたことがあるので、きっとよくあることなんだとオレは自分に言い聞かせた。だから、気にしなくていいというオレに、礼二さんは責任を取って結婚してくれるって言って、絶対に引かなかった。
オレはベッドで身体を起こすと、室内を見回してそう思った。白とダークブラウンで統一されたモノトーンの寝室にあるのはベッドとベッドサイドに置かれた電子時計だけで、全く生活感がない。
電子時計の表示で、今が月曜日の午後三時だということがわかった。
発情期はすっかり終わったみたいで、身体のほてりも引いている。そして、多少腰まわりにダルさはあるものの、いつも以上に身体はすっきりとしていた。
オレは自分の項にそっと触れた。いままで首輪に隠れていた場所を覆っているものは、もう何もなかった。
発情中の出来事は全部覚えている。理性は飛ばしてしまっていたけれど、記憶はちゃんとあった。
オレが発情になった礼二さんを誘って、番になりたいってねだったんだ。
ホンモノの恋人じゃないのに、優しくされていい気になって、欲が出てしまった。オレは膝を抱えて顔を埋めた。いつの間にか着せられていたパジャマの肌触りの良さが、礼二さんの優しさみたいで心が痛い。
ドアをノックする音がして顔を上げたら、ドアを開けて礼二さんが寝室に入ってきた。
礼二さんは、白いオープンカラーシャツに黒いテーパードパンツを履いていた。その姿を見て、休日スタイルなのに、カッコイイなぁなんてオレはぼんやりと思った。
「茜袮くん。結婚しよう」
オレが目覚めたことに気づいた礼二さんは、ベッドサイドまでやってきて床に膝をつくと、オレの手を握って開口一番にそう言った。
「え、何言ってるんですか」
「番になったんだから、ちゃんとすべきだよ」
「こんなのよくある事故ですよ。だから別にイイですよ」
「そんなことはない!」
自分で言ってみたものの、これがよくある事故なのかはわからなかった。だけど、オメガが首輪をつけるのはこういったことがよくあるからだと聞いたことがあるので、きっとよくあることなんだとオレは自分に言い聞かせた。だから、気にしなくていいというオレに、礼二さんは責任を取って結婚してくれるって言って、絶対に引かなかった。
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