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読めば胸引き裂かれる恋の話
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セイレーンが捕まった
裁判で裁かれるという
その甘美な歌声で千年もの間多くの船乗りたちをたぶらかし、死に致らしめたという罪である
私は彼女の弁護士に指名された
伝説の魔物を人の法律から守らねばならない
尋問は奇妙な形で行われるという
セイレーンが猿轡をされているのだ
何故なら、セイレーンが歌うと周りの者が皆、聴き惚れて意識を失い、彼女の意のままにされてしまうからだという
違法ではないか抗議したが、暴れるものに手錠をするのと同じだから、違法ではないとされた
しかし、猿轡をされて話せないなら、尋問にならないのではないか、と言ったら、手があるのだという
人の心を読める魔術師を連れてきてあるから、返答は魔術師が彼女の心から直接読み取るのだと
待て!
それは拙いぞ!
気づいて私は走ったが、遅かった
取調室の中で、魔術師は死んでいた
「なにが起こったのか?」と取調官がきいた
「セイレーンは昔、ある神と悲しい恋をしたのです」と私は答えた
「その恋の物語は彼女の心の中に神の力で封印されていて、それを読む者は悲しみに胸引き裂かれて死ぬという呪いがかけられているのです。彼は魔法でその物語を読んでしまったのでしょう
セイレーンの歌が人の心を揺さぶるのも、その悲恋を歌っているからだと云います」
「うーん。ではどうやって尋問すればいいのだ?」
取調官が途方に暮れた
「尋問は必要ありません。セイレーンはセイレーンであるが故に潔白であり無罪であるからです」
そう私は断言した
「どういうことだ?」
「だって、昔から言うでしょう、セイレーン潔白って」
裁判で裁かれるという
その甘美な歌声で千年もの間多くの船乗りたちをたぶらかし、死に致らしめたという罪である
私は彼女の弁護士に指名された
伝説の魔物を人の法律から守らねばならない
尋問は奇妙な形で行われるという
セイレーンが猿轡をされているのだ
何故なら、セイレーンが歌うと周りの者が皆、聴き惚れて意識を失い、彼女の意のままにされてしまうからだという
違法ではないか抗議したが、暴れるものに手錠をするのと同じだから、違法ではないとされた
しかし、猿轡をされて話せないなら、尋問にならないのではないか、と言ったら、手があるのだという
人の心を読める魔術師を連れてきてあるから、返答は魔術師が彼女の心から直接読み取るのだと
待て!
それは拙いぞ!
気づいて私は走ったが、遅かった
取調室の中で、魔術師は死んでいた
「なにが起こったのか?」と取調官がきいた
「セイレーンは昔、ある神と悲しい恋をしたのです」と私は答えた
「その恋の物語は彼女の心の中に神の力で封印されていて、それを読む者は悲しみに胸引き裂かれて死ぬという呪いがかけられているのです。彼は魔法でその物語を読んでしまったのでしょう
セイレーンの歌が人の心を揺さぶるのも、その悲恋を歌っているからだと云います」
「うーん。ではどうやって尋問すればいいのだ?」
取調官が途方に暮れた
「尋問は必要ありません。セイレーンはセイレーンであるが故に潔白であり無罪であるからです」
そう私は断言した
「どういうことだ?」
「だって、昔から言うでしょう、セイレーン潔白って」
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