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第二章 神喰い狼フェンリルと不死鳥フェニックス
新しいメンバー(4)
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燐から語られる過去話を聞き、幼少期の頃を思い出す夏目。
あの頃は、ただお菓子を持ってキラキラするもの興味が惹かれたものを追いかけていた。羽が綺麗な蝶々や、高台にある見晴らしがいい場所へ一人で向かう。
誰かと遊ぶというより、一人で冒険気分に浸りながら遊ぶことの方が好きだった。
その頃に出会った女の子が、美哉だったことを覚えている。
(蝶々を追いかけていたら、後ろに知らない子がいたんだよな)
最初は驚いたが、美哉の顔を見た時に追い払うのではなく、一緒に追いかけてみるか、と訊いていた。人見知りではなかったから、その言葉が出たのかもしれないが。
(それで、公園のベンチでお菓子を食べたんだっけか。懐かしい)
切っ掛けはそれだった。そのお陰で、一人で遊んでいた時間はいつしか美哉と共有するようになった。登下校も、宿題の時も、公園の遊具で遊ぶ時間も、お小遣いでお菓子やおもちゃを買うことも。
思い返せば、いつも一緒だ。
(ただ、家ではそんなことがあったなんて……)
美哉自身が、過去を語らないのなら聞かれたくはない話題なのだと。だから、夏目も聞かない。とはいえ、過去話が相談にどう関係があるのか疑問に思う。
「過去話と相談にどう関係があるんだ?」
「今の先輩は、逢真と共に過ごす時間が楽しくて仕方がないんだ。幼い頃のように一緒にいられる時間が何より嬉しいのだろう」
「そ、そうなのか?」
「ああ。そして、大胆に迫って誘惑するのは逢真が好きで堪らないからなのだろう。と、わたしが勝手に思い込んでいるだけだが」
燐の話に夏目は数回、瞬きをして固まる。
鼓動が早くなる。本人からではないが、好きの一言を聞いて全身の血が懸け巡り火照る。
迫り、誘惑してくるのも、何かと世話を焼きたがり面倒を見てくれている時点で美哉の中に何か特別な感情がある、ということは最初から気づいていた。
言葉にし伝えられると、こそばゆさがある。あるのだが、
「………………」
同時に事故のことを思い出してしまい、浮かれ熱くなり火照っていた体と感情は急激に冷え切る。
「先輩にされるがままではなく、時に逢真から迫ってみたらどうだ? もしかしたら先輩の思わぬ反応が見られるかもしれないぞ?」
と少し面白がって言う燐。それに夏目は生返事で返す。
「そう、だな……」
頭の中では、冷たく非難する己の声がする。
『お前にそんな資格があるとでも? 消えぬ傷を負わせて、護れなかったお前に、そんな資格などありはしない』
「――っ!」
そう告げられ、恋心など自分が抱いてはならないと奥深くに押し込み蓋をしてしまう夏目。
美哉の過去を一部とはいえ知る貴重な時間のはずが、夏目は自分を責め抱いた気持ちに目を背ける結果となってしまう。
あの頃は、ただお菓子を持ってキラキラするもの興味が惹かれたものを追いかけていた。羽が綺麗な蝶々や、高台にある見晴らしがいい場所へ一人で向かう。
誰かと遊ぶというより、一人で冒険気分に浸りながら遊ぶことの方が好きだった。
その頃に出会った女の子が、美哉だったことを覚えている。
(蝶々を追いかけていたら、後ろに知らない子がいたんだよな)
最初は驚いたが、美哉の顔を見た時に追い払うのではなく、一緒に追いかけてみるか、と訊いていた。人見知りではなかったから、その言葉が出たのかもしれないが。
(それで、公園のベンチでお菓子を食べたんだっけか。懐かしい)
切っ掛けはそれだった。そのお陰で、一人で遊んでいた時間はいつしか美哉と共有するようになった。登下校も、宿題の時も、公園の遊具で遊ぶ時間も、お小遣いでお菓子やおもちゃを買うことも。
思い返せば、いつも一緒だ。
(ただ、家ではそんなことがあったなんて……)
美哉自身が、過去を語らないのなら聞かれたくはない話題なのだと。だから、夏目も聞かない。とはいえ、過去話が相談にどう関係があるのか疑問に思う。
「過去話と相談にどう関係があるんだ?」
「今の先輩は、逢真と共に過ごす時間が楽しくて仕方がないんだ。幼い頃のように一緒にいられる時間が何より嬉しいのだろう」
「そ、そうなのか?」
「ああ。そして、大胆に迫って誘惑するのは逢真が好きで堪らないからなのだろう。と、わたしが勝手に思い込んでいるだけだが」
燐の話に夏目は数回、瞬きをして固まる。
鼓動が早くなる。本人からではないが、好きの一言を聞いて全身の血が懸け巡り火照る。
迫り、誘惑してくるのも、何かと世話を焼きたがり面倒を見てくれている時点で美哉の中に何か特別な感情がある、ということは最初から気づいていた。
言葉にし伝えられると、こそばゆさがある。あるのだが、
「………………」
同時に事故のことを思い出してしまい、浮かれ熱くなり火照っていた体と感情は急激に冷え切る。
「先輩にされるがままではなく、時に逢真から迫ってみたらどうだ? もしかしたら先輩の思わぬ反応が見られるかもしれないぞ?」
と少し面白がって言う燐。それに夏目は生返事で返す。
「そう、だな……」
頭の中では、冷たく非難する己の声がする。
『お前にそんな資格があるとでも? 消えぬ傷を負わせて、護れなかったお前に、そんな資格などありはしない』
「――っ!」
そう告げられ、恋心など自分が抱いてはならないと奥深くに押し込み蓋をしてしまう夏目。
美哉の過去を一部とはいえ知る貴重な時間のはずが、夏目は自分を責め抱いた気持ちに目を背ける結果となってしまう。
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