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第二章 神喰い狼フェンリルと不死鳥フェニックス
本当の気持ち(3)
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昼休み、学園の屋上にて燐と共に昼食を摂る夏目。ふと、気になり生徒会長のことを訊いてみる。
「なあ、東雲会長ってどんな人なんだ?」
「そうだな。会長は、気配り上手で穏和な性格なのだろう。常に笑顔で隔てりなく誰にでも接し、後輩の面倒見もよく教師からの人望も厚く女子からの人気がすごいな」
と、そう評する。他にも容姿についても話す。
「容姿は、茶髪に少し長めの髪を後ろに束ね、服の上かからだと分かりにくいがそれなりに鍛えているとわたしは見る。隙きを見せず、気を張っているな。それに、桜とも仲が良い」
「へぇ~」
夏目は思う、俗に言うイケメンという奴なのだなと購買で買ったカレーパンを齧りながら。
そんな夏目に、真剣な顔つきに変わった燐が言う。
「桜から聞いた話だが、会長は代償として怒りと悲しみの感情を贄にしたそうだ。そして、契約神獣はあの有名な不死鳥のフェニックスだ」
「っ!」
「ん?」
燐の話に反応したのは、影に潜みながらも小型犬のサイズとなり顔だけを出していたフェンリル。しかし、夏目はその名を聞いてもいまいち分かっておらず首を傾げるだけ。
「いや、ん? じゃなく、不死鳥のフェニックスだぞ?」
「えっ、ああ、うん……。それで、フェニックスってなんだ?」
「えっ……?」
夏目の反応に、燐は瞬きを一回して言葉を繰り返すがまさか疑問をぶつけられるとは思わず固まった。それには、フェンリルもやれやれといった風に頭を左右に振る。
「…………」
仮にも神殺しと覚醒し、神喰い狼ことフェンリルと契約しているはずの夏目が、分かっていないとは思わず頭を抱える羽目になる燐。
燐とフェンリルの反応を交互に見て益々、疑問符を浮かべる夏目に呆れつつも分かりやすく説明をする。
「いいか、夏目。フェニックスとは、何度死のうと蘇り永遠の時を生きるといわれている伝説上の鳥のことだ。寿命を迎えると、薪から燃え上がる炎に自ら飛び込み死ぬが、再び蘇るとされており不死鳥や、もしくは見た目または伝承から火の鳥とも言われる」
「なるほど。それで、不死鳥と呼ばれるわけか」
「ああ。そうだ」
説明に不死鳥の意を知り夏目が聞き返せば燐は肯定する。
「フェニックスは業火を纏い、その炎は灼熱。一度でもその身に受ければ火傷などと生易しいものではない。骨すら溶かしてしまうだろう」
そうつけ加える。
不死身な上、業火を纏い灼熱の炎を持つ神獣との契約。生徒会長がとてつもなく強い相手、何より美哉の婚約者でありおそらく縁談の件の破壊となれば戦うことになるだろう。
昔の夏目なら、燐の話を聞いた時点で目を背け知らないふりを決め込んだはず。だが、今は目を背け知らないふりなどできるはずがない。
「縁談の件で、俺は生徒会長と戦うかもしれないんだよな?」
「ああ。きっとそうなるだろうな」
クリームパンを口に入れながら答える。
思い返す燐の話にあった代償。
夏目は代償にとして左足を贄と捧げた。
東雲春人は、怒りと悲しみを贄と捧げたこと。常に笑顔で穏和な性格と聞いたがそれは、神殺しの力を得た結果として怒ることも泣くこともできなくなったのではないか。
空を見上げ、そう思う夏目。
(だからといって、俺が引く理由にはならないよな。どんな理由で、東雲会長が神殺しとなったのかは知らない。俺はただ、美哉を護りたい。そのために、贄を差し出し使う度に命を削るとしても、神をも殺せる力を欲し得て今ここにいる)
――負けられない!
声には出さず、ただそう強く思い拳を握りしめた。
「なあ、東雲会長ってどんな人なんだ?」
「そうだな。会長は、気配り上手で穏和な性格なのだろう。常に笑顔で隔てりなく誰にでも接し、後輩の面倒見もよく教師からの人望も厚く女子からの人気がすごいな」
と、そう評する。他にも容姿についても話す。
「容姿は、茶髪に少し長めの髪を後ろに束ね、服の上かからだと分かりにくいがそれなりに鍛えているとわたしは見る。隙きを見せず、気を張っているな。それに、桜とも仲が良い」
「へぇ~」
夏目は思う、俗に言うイケメンという奴なのだなと購買で買ったカレーパンを齧りながら。
そんな夏目に、真剣な顔つきに変わった燐が言う。
「桜から聞いた話だが、会長は代償として怒りと悲しみの感情を贄にしたそうだ。そして、契約神獣はあの有名な不死鳥のフェニックスだ」
「っ!」
「ん?」
燐の話に反応したのは、影に潜みながらも小型犬のサイズとなり顔だけを出していたフェンリル。しかし、夏目はその名を聞いてもいまいち分かっておらず首を傾げるだけ。
「いや、ん? じゃなく、不死鳥のフェニックスだぞ?」
「えっ、ああ、うん……。それで、フェニックスってなんだ?」
「えっ……?」
夏目の反応に、燐は瞬きを一回して言葉を繰り返すがまさか疑問をぶつけられるとは思わず固まった。それには、フェンリルもやれやれといった風に頭を左右に振る。
「…………」
仮にも神殺しと覚醒し、神喰い狼ことフェンリルと契約しているはずの夏目が、分かっていないとは思わず頭を抱える羽目になる燐。
燐とフェンリルの反応を交互に見て益々、疑問符を浮かべる夏目に呆れつつも分かりやすく説明をする。
「いいか、夏目。フェニックスとは、何度死のうと蘇り永遠の時を生きるといわれている伝説上の鳥のことだ。寿命を迎えると、薪から燃え上がる炎に自ら飛び込み死ぬが、再び蘇るとされており不死鳥や、もしくは見た目または伝承から火の鳥とも言われる」
「なるほど。それで、不死鳥と呼ばれるわけか」
「ああ。そうだ」
説明に不死鳥の意を知り夏目が聞き返せば燐は肯定する。
「フェニックスは業火を纏い、その炎は灼熱。一度でもその身に受ければ火傷などと生易しいものではない。骨すら溶かしてしまうだろう」
そうつけ加える。
不死身な上、業火を纏い灼熱の炎を持つ神獣との契約。生徒会長がとてつもなく強い相手、何より美哉の婚約者でありおそらく縁談の件の破壊となれば戦うことになるだろう。
昔の夏目なら、燐の話を聞いた時点で目を背け知らないふりを決め込んだはず。だが、今は目を背け知らないふりなどできるはずがない。
「縁談の件で、俺は生徒会長と戦うかもしれないんだよな?」
「ああ。きっとそうなるだろうな」
クリームパンを口に入れながら答える。
思い返す燐の話にあった代償。
夏目は代償にとして左足を贄と捧げた。
東雲春人は、怒りと悲しみを贄と捧げたこと。常に笑顔で穏和な性格と聞いたがそれは、神殺しの力を得た結果として怒ることも泣くこともできなくなったのではないか。
空を見上げ、そう思う夏目。
(だからといって、俺が引く理由にはならないよな。どんな理由で、東雲会長が神殺しとなったのかは知らない。俺はただ、美哉を護りたい。そのために、贄を差し出し使う度に命を削るとしても、神をも殺せる力を欲し得て今ここにいる)
――負けられない!
声には出さず、ただそう強く思い拳を握りしめた。
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