84 / 220
第四章 神山学園のレヴィアタン
風紀委員長の襲来(4)
しおりを挟む
美哉の殺意を真正面から受けても動じず、しかし素直に夏目から手を放す。
「そう怖い顔をしないで。ちょっと、遊ぼうと思っただけ」
そう言いながらも、ははっと笑いながら離れた。
遅れて燐と桜もこの場に集まり、美哉と先輩女子を交互に見てどう動くべきか迷う。
美哉は、夏目の元へ駆け寄り体を起こすのに手を貸す。右足に絡まっていた水と土は消え、あっさり解放される。
フェンリルとヨルムンガンドも戦闘をやめ駆け寄る。
「夏目、無事ですか?」
「あ、ああ」
制服についた土を払いながら、美哉の手を借りて立ち上がる。
「それよりも、彼女はいったい……?」
夏目の質問に、美哉は小さなため息を吐き出し答えようとした瞬間にそれを遮るように自ら自己紹介をする。
「初めまして。私は、神山学園の風紀委員長を務める神前真冬。契約神獣はレヴィアタン。美哉が夢中で一筋で、一応後輩に当たる逢真のことが知りたくて少しいじわるをしたの。驚かせてごめんね」
(……言葉では謝ってはいるがこの人、絶対に反省とかしてないだろ)
夏目の思うように、真冬の言葉とは裏腹に態度も表情からも反省の色が全く見えない。今でも、玩具で遊び終わり楽しかった、と言いたげに笑っているくらいだ。
「はあー……。真冬は困った性格をしているんです」
そう前置きをし、額に手を当てながら説明をする美哉の顔には呆れが含まれていた。
「何事にも楽しむ精神はいいのですが、その楽しむために行き過ぎた言動があり、時に破壊してしまうんです。それは物だったり、他にも人から役割を奪ったりと。本人は、壊し奪ったとしても全く反省も、悪いとも思わないため扱いに要注意人物なんです」
その説明に誰もが、開いた口が塞がらない。フェンリルまでもが、何とも言えず呆れ果てる始末。ヨルムンガンドは、思ったことをそのまま口にした。
「すっごい面倒くさくて怖い人だ!」
と、本人を前に叫ぶ。
「あははははっ!」
それを聞いた真冬は盛大に笑う。
「まあ、美哉の言うことは間違いじゃないわ。でも、それが私だから今更、変えられないし何よりそれを生き甲斐の一つとしてるから。変えようとも思わないのよね」
真冬は、堂々と言い認める。
夏目の中で、真冬は厄介な人だと認識。
と、昼休みの終了を告げるチャイムが鳴り響く。
「さて、続きは放課後に。神研メンバーは、風紀委員会室に来るように」
それだけを言い残し去って行く。その背中を見送り、真冬の第一印象がまるで嵐のような人だなと。あと、あまり関わり合いたくはないタイプだとも思う夏目だった。
「全く……。本当に困った人ですね。とりあえず、私たちも戻りましょうか。このままだと授業に遅れますし」
美哉に言われ各々、教室に戻る。授業には間に合ったが、昼休みの鬼ごっこで体力を使い果たし疲れ切り、午後の授業の内容がほとんど頭に入らず終わってしまう。
放課後、真冬の指示通りに燐と桜、途中で美哉と合流し風紀委員会室へ向かう。
風紀委員会室は、東校舎に位置しており生徒会室は西校舎だ。
委員会室は基本的に東校舎に、家庭科室や技術室の他に実験室などは西校舎に並ぶ。
中央の校舎は生徒たちが通う一般教室がり、全ての校舎は通路で繋がっており外に出て向かう必要はない造り。もちろん、外からの行き来は可能だ。
そうして、風紀委員会室の前まで来た夏目たち。
代表として部長の美哉がノックをすると、中から「どうぞ」と真冬の声が聞こえ扉を開けた。
夏目は内心、ドキドキしていた。何もなければここに来ることはまずない。だから、委員会室の内装が少し気になっていたのだ。
部屋へ入ると、コの字に並べられたテーブルの一番奥に座る真冬。その隣には、これまた初めて見る先輩女子。桃色の長髪、ハーフポニーテール、緑色の眠そうな目で椅子に座り船を漕ぐ。
夏目たちが来たとこで真冬は、初めて会った時から見せていた崩さない笑みで言う。
「ようこそ、風紀委員会室へ。色々と訊きたいことがあったから呼び出したのよ。それと今後についても、ね」
(今後についても、ってどういう意味だ?)
そう言う真冬の言葉の意味が分からない夏目。隣で今にも寝てしまいそうな、首を上下にコクコクと揺らす桃色の髪の彼女を放置して。
「そう怖い顔をしないで。ちょっと、遊ぼうと思っただけ」
そう言いながらも、ははっと笑いながら離れた。
遅れて燐と桜もこの場に集まり、美哉と先輩女子を交互に見てどう動くべきか迷う。
美哉は、夏目の元へ駆け寄り体を起こすのに手を貸す。右足に絡まっていた水と土は消え、あっさり解放される。
フェンリルとヨルムンガンドも戦闘をやめ駆け寄る。
「夏目、無事ですか?」
「あ、ああ」
制服についた土を払いながら、美哉の手を借りて立ち上がる。
「それよりも、彼女はいったい……?」
夏目の質問に、美哉は小さなため息を吐き出し答えようとした瞬間にそれを遮るように自ら自己紹介をする。
「初めまして。私は、神山学園の風紀委員長を務める神前真冬。契約神獣はレヴィアタン。美哉が夢中で一筋で、一応後輩に当たる逢真のことが知りたくて少しいじわるをしたの。驚かせてごめんね」
(……言葉では謝ってはいるがこの人、絶対に反省とかしてないだろ)
夏目の思うように、真冬の言葉とは裏腹に態度も表情からも反省の色が全く見えない。今でも、玩具で遊び終わり楽しかった、と言いたげに笑っているくらいだ。
「はあー……。真冬は困った性格をしているんです」
そう前置きをし、額に手を当てながら説明をする美哉の顔には呆れが含まれていた。
「何事にも楽しむ精神はいいのですが、その楽しむために行き過ぎた言動があり、時に破壊してしまうんです。それは物だったり、他にも人から役割を奪ったりと。本人は、壊し奪ったとしても全く反省も、悪いとも思わないため扱いに要注意人物なんです」
その説明に誰もが、開いた口が塞がらない。フェンリルまでもが、何とも言えず呆れ果てる始末。ヨルムンガンドは、思ったことをそのまま口にした。
「すっごい面倒くさくて怖い人だ!」
と、本人を前に叫ぶ。
「あははははっ!」
それを聞いた真冬は盛大に笑う。
「まあ、美哉の言うことは間違いじゃないわ。でも、それが私だから今更、変えられないし何よりそれを生き甲斐の一つとしてるから。変えようとも思わないのよね」
真冬は、堂々と言い認める。
夏目の中で、真冬は厄介な人だと認識。
と、昼休みの終了を告げるチャイムが鳴り響く。
「さて、続きは放課後に。神研メンバーは、風紀委員会室に来るように」
それだけを言い残し去って行く。その背中を見送り、真冬の第一印象がまるで嵐のような人だなと。あと、あまり関わり合いたくはないタイプだとも思う夏目だった。
「全く……。本当に困った人ですね。とりあえず、私たちも戻りましょうか。このままだと授業に遅れますし」
美哉に言われ各々、教室に戻る。授業には間に合ったが、昼休みの鬼ごっこで体力を使い果たし疲れ切り、午後の授業の内容がほとんど頭に入らず終わってしまう。
放課後、真冬の指示通りに燐と桜、途中で美哉と合流し風紀委員会室へ向かう。
風紀委員会室は、東校舎に位置しており生徒会室は西校舎だ。
委員会室は基本的に東校舎に、家庭科室や技術室の他に実験室などは西校舎に並ぶ。
中央の校舎は生徒たちが通う一般教室がり、全ての校舎は通路で繋がっており外に出て向かう必要はない造り。もちろん、外からの行き来は可能だ。
そうして、風紀委員会室の前まで来た夏目たち。
代表として部長の美哉がノックをすると、中から「どうぞ」と真冬の声が聞こえ扉を開けた。
夏目は内心、ドキドキしていた。何もなければここに来ることはまずない。だから、委員会室の内装が少し気になっていたのだ。
部屋へ入ると、コの字に並べられたテーブルの一番奥に座る真冬。その隣には、これまた初めて見る先輩女子。桃色の長髪、ハーフポニーテール、緑色の眠そうな目で椅子に座り船を漕ぐ。
夏目たちが来たとこで真冬は、初めて会った時から見せていた崩さない笑みで言う。
「ようこそ、風紀委員会室へ。色々と訊きたいことがあったから呼び出したのよ。それと今後についても、ね」
(今後についても、ってどういう意味だ?)
そう言う真冬の言葉の意味が分からない夏目。隣で今にも寝てしまいそうな、首を上下にコクコクと揺らす桃色の髪の彼女を放置して。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜
美鈴
ファンタジー
ホットランキング上位ありがとうございます😊
ストーカーの被害に遭うアイドル歌羽根天音。彼女は警察に真っ先に相談する事にしたのだが…結果を言えば解決には至っていない。途方にくれる天音。久しぶりに会った親友の美樹子に「──なんかあった?」と、聞かれてその件を伝える事に…。すると彼女から「なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」と、そんな言葉とともに彼女は誰かに電話を掛け始め…
※カクヨム様にも投稿しています
※イラストはAIイラストを使用しています
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
魔眼の剣士、少女を育てる為冒険者を辞めるも暴れてバズり散らかした挙句少女の高校入学で号泣する~30代剣士は世界に1人のトリプルジョブに至る~
ぐうのすけ
ファンタジー
赤目達也(アカメタツヤ)は少女を育てる為に冒険者を辞めた。
そして時が流れ少女が高校の寮に住む事になり冒険者に復帰した。
30代になった達也は更なる力を手に入れておりバズり散らかす。
カクヨムで先行投稿中
タイトル名が少し違います。
魔眼の剣士、少女を育てる為冒険者を辞めるも暴れてバズり散らかした挙句少女の高校入学で号泣する~30代剣士は黒魔法と白魔法を覚え世界にただ1人のトリプルジョブに至る~
https://kakuyomu.jp/works/16818093076031328255
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる