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第五章 真実に近づく者たち
神の子の三兄妹(3)
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ヘルは、自らの神通力を氷像全体に流し込む。己の手足を動かす感覚と、イメージを常に頭の中に描きながら。
氷像で創り出された人型は、ゆっくりだが一歩と踏み出し地面から振動が伝わり揺れる体。ヘルはもっと滑らかに、かつ流れる動作を思い描きながら流し込む神通力が、全身に行き渡り動きが変わった。
ゆっくり歩む足は速度を上げ、バランスが悪く傾いていた胴体は真っ直ぐ立ち、脚だけではなく腕も同時に動くように。
ヘルのイメージ通りに氷像の機体は動き出し走ることも可能となる。
「おお! 動きが変わった!」
「ヘルの思い通りに動くようになってきたね!」
見守る夏目とヨルムンガンドから歓声が起き、フェンリルもその調子で頑張れと応援されたヘルはますます嬉しくなり内心では大喜び。
次いで、今度は攻撃動作ができるか試す。
右から左と交互に連続で拳を打ち出し、右脚を振り上げ突き出してから回し蹴り、踵落としを繰り出す。これを左脚でも試すと、どちらも問題なく動くことを確認できた。
今度は、やはり光の翼に模した氷の翼を背中に創り出す運びへ。形にするのは簡単だ、飛べるかやってみるとこれも上手くいく空を飛び回る。
思っていた以上に、試験運用は順調。
最後は、やはり剣だろう。剣を作り握らせ振り回す。このくらいならば、できると予想はできた。
ここからは実践演習。
「よし、いこうか。ヨルムンガンド!」
「うん!」
夏目とヨヨルムンガンドが合体技を披露しその拳を受ける。
「とりゃあ!」
すると、氷像の機体と剣はいとも簡単に粉々に破壊されてしまう。
音を立て、バラバラと氷の塊が落下。
「耐久度が足りないです。もっと、わたくしの神通力を流し耐えられるように……」
耐久力がないことが分かるともう一度創りまた拳を受け破壊され、また創造し破壊されを繰り返し耐久力を神通力で引き上げていく。
三十四回と繰り返し、ようやく耐えられる機体へとレベルアップ。
「次は、我輩の炎を受けても無事でいられるかどうか」
次はフェンリルの攻撃にどこまで機体が保てるか試験。吐き出す青い炎を受けてみると、氷像が破壊ではなく溶けていく。
「ありゃま。溶けたな」
「熱に弱いみたいだね」
溶けていく機体を見て感想をこぼす夏目とヨルムンガンド。
今度は、耐久力ではなく熱に溶けないようする課題が出てくる。
「兄様の炎に耐える……。わたくしの神通力で、耐久力はむろんのこと常に保っていられるよう流し続けるほかないです」
お互いに神通力を使い、機体溶けないよう氷像を維持するヘルと、青い炎の火力を上げ溶かすため吐き続けるフェンリル。
何度もテストを繰り返し、こちらも四十四回と繰り返し溶けない氷像機体が完成した。
「ヘルの機体が完成した!」
「うん、これなら敵を一網打尽だよ!」
わーい、とまるで自分のことのように喜ぶ夏目とヨルムンガンド。
戦闘スタイルとしては、破壊されててもすぐ元に戻るよう神通力をひたすら流し込む。その間は、フェンリルがヘルを護り抜くという形に。攻撃面は、夏目とヨルムンガンドに任せる。
休憩を挟み一息入れる。ヘルは、夏目のそばに寄り礼を言う。
「逢真夏目。あなたがいなければ、わたくしの機体は完成しなかったです。だから、その、ありがとうです」
照れくさそうに少し顔を赤らめながら。そんなヘルを見て夏目は返す。
「いやいや、俺は何もしてないよ。ただ、イメージを貸した程度で」
笑いながらそう言う夏目に、ヘルは首を横に振りながら。
「いえ、あなたが兄様たちと契約を交わし信頼があったからこそです。わたくしも、機体を創造しようと考え実現できたもの。あなたと、兄様たちをずっと見てきたから見つけられた答えです。だから、礼を言うのは当然のこと」
「ヘル……」
初めて、夏目に向け笑顔を見せたヘル。
「そっか。なら、良かったよ。ヘルの力になれて」
夏目もヘルに笑顔を向ける。
ヘルの中で、契約を交わすのなら彼がいいと思い始めていた。
そんな時、アザゼルからのアナウンスが入る。
『お前たち、神殺しが襲撃してきたからこの疑似空間内に送り込んだ! 撃破、任せたぞ!』
「ええっ!? 襲撃!?」
立ち上がり辺りを見渡す夏目。しかし、敵の姿を見えないが地面に黒い影が落ちる。
一斉に空を見上げれば、見たことのある神獣が空を泳いでいた。
「やはり、ヒュドラーか。大きさは、前回よりも巨大で本来の姿になったようだ」
と、推測するフェンリル。
「へえ。空を覆い尽くさんばかりの巨躯だが、これはヘルと共に創り上げた氷像機体ユニットの力を試す絶好の機会だな!」
夏目がヒュドラーを見上げ強気で言い放つ。
「うむ!」
「そうだそうだ! 潰しちゃえ!」
これにフェンリルは闘争心を出し頷き、ヨルムンガンドもやる気満々で意気込む。
ヘルは、そんな夏目と兄たちの反応を見て何故か心強く感じる胸の奥。
「はいです!」
だからか、不安などない。ヘルも不敵な笑みを作りヒュドラーを睨む。
二度目の戦いが、擬似空間内で始まろうとしていた。
氷像で創り出された人型は、ゆっくりだが一歩と踏み出し地面から振動が伝わり揺れる体。ヘルはもっと滑らかに、かつ流れる動作を思い描きながら流し込む神通力が、全身に行き渡り動きが変わった。
ゆっくり歩む足は速度を上げ、バランスが悪く傾いていた胴体は真っ直ぐ立ち、脚だけではなく腕も同時に動くように。
ヘルのイメージ通りに氷像の機体は動き出し走ることも可能となる。
「おお! 動きが変わった!」
「ヘルの思い通りに動くようになってきたね!」
見守る夏目とヨルムンガンドから歓声が起き、フェンリルもその調子で頑張れと応援されたヘルはますます嬉しくなり内心では大喜び。
次いで、今度は攻撃動作ができるか試す。
右から左と交互に連続で拳を打ち出し、右脚を振り上げ突き出してから回し蹴り、踵落としを繰り出す。これを左脚でも試すと、どちらも問題なく動くことを確認できた。
今度は、やはり光の翼に模した氷の翼を背中に創り出す運びへ。形にするのは簡単だ、飛べるかやってみるとこれも上手くいく空を飛び回る。
思っていた以上に、試験運用は順調。
最後は、やはり剣だろう。剣を作り握らせ振り回す。このくらいならば、できると予想はできた。
ここからは実践演習。
「よし、いこうか。ヨルムンガンド!」
「うん!」
夏目とヨヨルムンガンドが合体技を披露しその拳を受ける。
「とりゃあ!」
すると、氷像の機体と剣はいとも簡単に粉々に破壊されてしまう。
音を立て、バラバラと氷の塊が落下。
「耐久度が足りないです。もっと、わたくしの神通力を流し耐えられるように……」
耐久力がないことが分かるともう一度創りまた拳を受け破壊され、また創造し破壊されを繰り返し耐久力を神通力で引き上げていく。
三十四回と繰り返し、ようやく耐えられる機体へとレベルアップ。
「次は、我輩の炎を受けても無事でいられるかどうか」
次はフェンリルの攻撃にどこまで機体が保てるか試験。吐き出す青い炎を受けてみると、氷像が破壊ではなく溶けていく。
「ありゃま。溶けたな」
「熱に弱いみたいだね」
溶けていく機体を見て感想をこぼす夏目とヨルムンガンド。
今度は、耐久力ではなく熱に溶けないようする課題が出てくる。
「兄様の炎に耐える……。わたくしの神通力で、耐久力はむろんのこと常に保っていられるよう流し続けるほかないです」
お互いに神通力を使い、機体溶けないよう氷像を維持するヘルと、青い炎の火力を上げ溶かすため吐き続けるフェンリル。
何度もテストを繰り返し、こちらも四十四回と繰り返し溶けない氷像機体が完成した。
「ヘルの機体が完成した!」
「うん、これなら敵を一網打尽だよ!」
わーい、とまるで自分のことのように喜ぶ夏目とヨルムンガンド。
戦闘スタイルとしては、破壊されててもすぐ元に戻るよう神通力をひたすら流し込む。その間は、フェンリルがヘルを護り抜くという形に。攻撃面は、夏目とヨルムンガンドに任せる。
休憩を挟み一息入れる。ヘルは、夏目のそばに寄り礼を言う。
「逢真夏目。あなたがいなければ、わたくしの機体は完成しなかったです。だから、その、ありがとうです」
照れくさそうに少し顔を赤らめながら。そんなヘルを見て夏目は返す。
「いやいや、俺は何もしてないよ。ただ、イメージを貸した程度で」
笑いながらそう言う夏目に、ヘルは首を横に振りながら。
「いえ、あなたが兄様たちと契約を交わし信頼があったからこそです。わたくしも、機体を創造しようと考え実現できたもの。あなたと、兄様たちをずっと見てきたから見つけられた答えです。だから、礼を言うのは当然のこと」
「ヘル……」
初めて、夏目に向け笑顔を見せたヘル。
「そっか。なら、良かったよ。ヘルの力になれて」
夏目もヘルに笑顔を向ける。
ヘルの中で、契約を交わすのなら彼がいいと思い始めていた。
そんな時、アザゼルからのアナウンスが入る。
『お前たち、神殺しが襲撃してきたからこの疑似空間内に送り込んだ! 撃破、任せたぞ!』
「ええっ!? 襲撃!?」
立ち上がり辺りを見渡す夏目。しかし、敵の姿を見えないが地面に黒い影が落ちる。
一斉に空を見上げれば、見たことのある神獣が空を泳いでいた。
「やはり、ヒュドラーか。大きさは、前回よりも巨大で本来の姿になったようだ」
と、推測するフェンリル。
「へえ。空を覆い尽くさんばかりの巨躯だが、これはヘルと共に創り上げた氷像機体ユニットの力を試す絶好の機会だな!」
夏目がヒュドラーを見上げ強気で言い放つ。
「うむ!」
「そうだそうだ! 潰しちゃえ!」
これにフェンリルは闘争心を出し頷き、ヨルムンガンドもやる気満々で意気込む。
ヘルは、そんな夏目と兄たちの反応を見て何故か心強く感じる胸の奥。
「はいです!」
だからか、不安などない。ヘルも不敵な笑みを作りヒュドラーを睨む。
二度目の戦いが、擬似空間内で始まろうとしていた。
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