偽りの神人 ~神造七代の反逆と創世~

ゆー

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第五章 真実に近づく者たち

第五幕 隠された真実(1)

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 時は少し遡り、夏目宅に帰宅していた美哉とお邪魔する燐と桜たち。

 アザゼルも一緒に来ていた。リビングで紅茶を飲み、今後について話す。



「このままいけば、ヘルは夏目と契約を交わすだろう」



 しばらく、ヘルと夏目を観察していたアザゼルの見解だ。共に過ごす中で、あの女神は居場所を自ら見つけ答えを得た、そう見ている。



「それなら良かったです。敵に奪われるよりも、夏目と契約を交わしてもらった方がいいでしょうから」



 美哉も、ヘルの心境の変化に気づいていた。少しずつ、変わっていく様を見て内心では安堵している。



「これで、また一つピースが揃うわけだからな」

「ピース? それは、悪神を滅ぼすためのピースですか? アザゼル」

「ああ、そうだ。そのために俺もルシファーも行動を起こしたからな」

「そうでしたね」



 夏目たちサイドは敵側の神殺しを仕留め、最終目標は悪神を滅ぼすこと。そして、アザゼル、ルシファーも悪神を滅ぼすために行動を起こしている。だからこそ、接触し協力関係を築こうとしているのだから。

 美哉たちは、そんなアザゼルとルシファーの言葉と彼らを信じ手を取り合った。

 そんな会話をしていると、急にアザゼルが立ち上がり目つきを鋭くさせ窓の外を眺め静かに告げる。



「襲撃だ」

「……っ!?」



 全員が窓の外を見ると同時に突然、玄関の方から門が破壊される騒音が響く。



「まさか!」



 美哉を筆頭に、玄関へ飛び出し敵を確認しに行く。



「ど、どうして……」

「なっ!?」

「え、破門されたはずじゃ……」



 美哉、燐、桜の前に現れたのは、雪平家を破門されもう会うことはないと思っていた父親。と、もう一人はモデル体型の金髪ストレートロングの女。

 美哉の姿を捉えた雪平幸助は、嫌な笑みを作り再開の言葉を述べる。



「ああ、娘よ。会いたかったぞ! やはり、お前には私がいなければすぐダメになる! 恋や友情などにうつつを抜かし、お前の価値を下げ愚かになっていく!」



 などと独り善がりで勝手なことを言い出すその態度に呆れる。

 おまけに隣にいる女は、美哉と燐たちを見て鼻で笑う。



「あら、美しくもなければ品もない女が揃いも揃ってお出ましですわね。先日の一件、その借りを返しに来ましたわ!」



 などと、こちらも頭の悪そうな態度で全員が呆れてしまう。

 言い返そうとも考えたが、それではただの幼稚な言い争いにしかならない。そう思うと、哀れな人を見る目になる美哉たち。

 最後に、玄関へ出てきたアザゼルが二人に向かって言い放つ。



「お前たちがここに来たのはヘルが目的だろうが遅かったな。ヘルは、もう己で主を見つけた。お前らが出る幕はもうない、諦めろ」



 アザゼルの言葉に怒りを見せたのは女の方だ、横槍を入れられた、そのことに自分が手に入れるはずだったものを奪われ鬼の形相に。



「わたくしの物に手を出すなんて許しませんわ! 殺して差し上げますわ!」



 そう叫ぶが、アザゼルは無視し美哉たちも聞く耳を持たない。



「美哉。お前さんたちを擬似空間へ送る。そこで決着をつけろ。あっちには、夏目たちもいる。問題はないだろう?」



 と、笑い訊く。それに燐が答えた。



「もちろん! 先輩、桜、行こう!」



 二人の顔を交互に見て手を差し出す。その手を握り返す美哉も頷き、桜も同様に手を握りしめ笑って見せた。



「そうですね」

「ええ!」



 その様子を眺めアザゼルは、安心と良い仲間だと内心で思いながら叫ぶ。



「よしっ! 行って来い、お前たち! 擬似空間内のことは気にするな、いくらでも壊し暴れてこい!」



 地面に大きな魔法陣を展開させ美哉と燐、桜そして敵二人の足元が光り輝き包み込むと擬似空間へ飛ばすのだった。

 光が消えると、そこにはアザゼルしかいない。彼は破壊された門を見て呟く。



「元通りに修復して戦いが終わるのを気長に待つか。……ん?」



 そこへ、群青色の髪の青年がやって来る。その人物を見て笑う。



「来たか」

「やあ、来たよ。あとリーリエ・マロイツェを殺しておかないと後々、面倒になるだろう? それに彼らに信じてもらうために必要な贄だよ」



 アザゼルの言葉に青年は、笑みを作り敵側の神殺しの名を口にしながら、恐ろしいことを言い出す。その目は、鋭利な刃物のように冷たく鋭さが滲む。一切の躊躇いがなく、殺すことに抵抗も良心もない者の目つきだ。



「まあ、言いたいことは分かるがな。お前さんが、こちら側に付いてくれたお陰でピースが埋まった。お前のことは、俺からもあいつらに話す。なに問題はない。始末は任せたぞ、紅」



 その言葉に、紅の足元の影が揺らめき八つの頭を持つ蛇が脚にから全身へと巻きつく。



「ああ、任されたとも。オレと八岐大蛇、そしてこれがあればヒュドラーもあの女も取るに足らない存在だよ」



 八岐大蛇の頭を優しい手つきで撫でながら、腰に携えた光る剣を見つめ笑う。
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