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第五章 真実に近づく者たち
隠された真実(3)
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一方、夏目とヨルムンガンドは神殺しの女ことリーリエを捜していた。
街中を走ること十分、金髪の女性を見つけ立ち止まる。
彼女も、夏目に気づき余裕の笑みを作り挨拶を交わす
「二度目ですわね、会うのは。わたくし、リーリエ・マロイツェと申しますわ。ヒュドラーと契約を交わす神殺しですの。あなたのお名前を伺ってもよろしくて?」
そう訊かれ戸惑いつつも、夏目も軽く自己紹介を返す。
「えっと、俺は逢真夏目だ。こっちはヨルムンガンド。……これでいいのか?」
首に巻きつくヨルムンガンドに小声で訊くも、頭を傾げ分からないと反応で示す。敵同士が、こんなに軽い感じでいいのかと悩む。
リーリエは、夏目の自己紹介に、ふふっと笑い目を細めた。
「では、紹介も終わりましたし始めますわね」
言い終わると同時に、夏目の肩へ肉眼では見えない何かが飛来し掠る。遅れて、痛みが伝わり視線を肩に向ければ血が滲み、服に赤い染みが広がっていく。
(な、何をされたんだ俺は……!?)
何をされたのかの理解できず、とにかく距離を取るため後方へ飛び退く。左肩に触れると、やはり血が指に付着する。
「こ、こいつ……!」
リーリエを睨みつけ思考する。目では追えない不可視の攻撃、こんな芸当ができるのは神通力だ。
そこまでは考えがつくが音もなく、リーリエはそれらしい動作がない。どうやって攻撃をしたのか、防ぐ方法はあるのか、注意し見るが今度は右側の脇腹から痛みが走った。
「つっ……!」
「夏目!」
二度目の不可視による攻撃。脇腹も掠った程度だが、血が滲み痛みが気力と集中力を削っていく。
「夏目、ここから離れよう!」
「そうだな!」
ヨルムンガンドの言葉に従い離脱する夏目。
建物の中に入り、上着を脱いで脇腹に巻きつけ止血。傷口を見て夏目は気づく。弾丸ではない、剣で斬りつけられたものに近いと。
「不可視の剣が正体。動作がなくとも、何か発動するための条件があるはず。ヨルムンガンド」
「ボクはいつでもオッケーだよ」
冷静に状況を把握する。ヨルムンガンドと合体すれば、その鱗が鎧の役割を担い傷を負うことはない。不可視の剣戟とその条件も、相棒の目があれば見抜けるだろう。
お互いに頷き合い、合体し戦闘態勢へ入る。すると、そこへ血痕から居場所を追ってきたリーリエが夏目を視界に捉え、舌舐めずりをしながら恍惚とした表情で笑う。
「くふふっ。もっと虐めてあげますわ! 泣き叫び、無様な姿を晒して、わたくしを楽しませてくださいな!」
そう叫び、不可視の剣戟が繰り出される。
第六感の感覚で立っているその場から離れる夏目。ついさっきまでいた場所の床にには、深く斬り込みの痕が残る。
『夏目、視界はボクに任せて! あいつの攻撃は全部、見切るから!』
「頼もしいな! 任せた!」
ヨルムンガンドに任せ夏目は動く。視界に、空間が歪みねじ曲がって何かが飛来してくる。
『それが攻撃だよ! 右に避けて!』
「……っ!」
ヨルムンガンドの言葉通りに、右へ避ければ後ろの壁に斬り込みが入る。
『またくるよ夏目!』
前方を向けば、ヨルムンガンドが見る視界に✕印で襲う歪みの斬撃。それを跳躍で天井に張りつき躱す。
今度は、三連撃で襲う。
天井から降り立ち、縦の斬撃を体を捻り躱し、横一文の攻撃には床に姿勢を低くし、最後の斜めからの不可視には夏目から近づきギリギリの距離で体を左回転で躱し、前を向きリーリエへ顔面を殴る。
その流れるような動きは、戦闘アクションのように。そして、気合の声と共に拳を突き出す。
「はぁっ!」
「避け切られた!? ……んぶっ!?」
夏目の殴打が美しい顔に、めり込む後ろへ吹き飛ぶ。窓ガラスが、吹き飛んだ体にぶち当たり砕け散る。
「あ、あああっ! い、いだいっ!」
殴られた痛みと背中に伝わった衝撃で苦痛の声を絞り出し睨む。割れた破片が、顔を映し出しそれを見たリーリエは怒りを爆発させた。
鼻は折れ、頬は赤く腫れ上がり血が流れる。
「よくも、わたくしの美しい顔に! 綺麗なわたくしの顔を! 殺す!」
目尻を吊り上げ、なりふり構わず不可視の剣撃を発動させる。リーリエの視線が忙しく動く、その動作に合わせて斬撃も夏目を襲う。
(そういうことか! 視線そのものが発動条件! だったら――)
視線が条件と判断し夏目とヨルムンガンドが全身から猛毒の煙を放つ。
視界を奪い、呼吸困難にするための反撃へと。リーリエは、咄嗟に口を手で塞ぐが吸い込んでしまい激しく咳き込む。
「ゲホッ、ゲホッ、ゴホッ! こ、小癪な!」
視界を塞がれては剣撃が打ち出せない。リーリエは考える。この煙は、相手にも有効なはず。逃げるための一手ならば、剣撃で煙を散らし逃げるその背中に一撃をぶちかませばいい。
「わたくしには効きませんわ!」
不可視の剣撃で煙を吹き飛ばし、視界を取り戻すと夏目の姿を捜す。
しかし、この煙は逃げる一手のために視界を奪ったわけではない。夏目は最初から、リーリエの背後を気配も音もなく取るためだ。背後から脇腹に、尻尾による横殴りを見舞う。
「なっ!? ど、どうして!?」
隙だらけの脇腹へ綺麗に入り、ゴキッと音を鳴らし肋骨が折れる。
「がはっ……!」
「もういっちょ!」
それだけではなく壁へ叩きつけて避ける暇を与えることはなく、前のめりに倒れ込みそうなリーリエへ、夏目の右拳が顎下から振り上げられ顎の骨も砕き脳が激しく揺れる。
「――――っ!?」
「ふんっ!」
リーリエの視界が点滅し歪み、体は仰け反り無防備な腹部に衝撃と激痛が走った。夏目の二発目が炸裂、神通力を纏った左手の拳が容赦なく抉るように深くめり込む。
「うぐっ、あがっ……!」
我慢できず口から大量の血反吐を吐き出すリーリエ。女だからと、手加減など一切ない夏目の殴打に意識が飛ぶ。
倒れ込み動かなくなったことを確認してから、ヨルムンガンドとの合体を解き息を吐き出す。
「ふー……。終わった」
「今回は楽勝だったね」
「ああ。ヨルムンガンドの目のお陰でな」
「えへへ」
ヨルムンガンドと話し、余力を残し戦闘を終える夏目。
街中を走ること十分、金髪の女性を見つけ立ち止まる。
彼女も、夏目に気づき余裕の笑みを作り挨拶を交わす
「二度目ですわね、会うのは。わたくし、リーリエ・マロイツェと申しますわ。ヒュドラーと契約を交わす神殺しですの。あなたのお名前を伺ってもよろしくて?」
そう訊かれ戸惑いつつも、夏目も軽く自己紹介を返す。
「えっと、俺は逢真夏目だ。こっちはヨルムンガンド。……これでいいのか?」
首に巻きつくヨルムンガンドに小声で訊くも、頭を傾げ分からないと反応で示す。敵同士が、こんなに軽い感じでいいのかと悩む。
リーリエは、夏目の自己紹介に、ふふっと笑い目を細めた。
「では、紹介も終わりましたし始めますわね」
言い終わると同時に、夏目の肩へ肉眼では見えない何かが飛来し掠る。遅れて、痛みが伝わり視線を肩に向ければ血が滲み、服に赤い染みが広がっていく。
(な、何をされたんだ俺は……!?)
何をされたのかの理解できず、とにかく距離を取るため後方へ飛び退く。左肩に触れると、やはり血が指に付着する。
「こ、こいつ……!」
リーリエを睨みつけ思考する。目では追えない不可視の攻撃、こんな芸当ができるのは神通力だ。
そこまでは考えがつくが音もなく、リーリエはそれらしい動作がない。どうやって攻撃をしたのか、防ぐ方法はあるのか、注意し見るが今度は右側の脇腹から痛みが走った。
「つっ……!」
「夏目!」
二度目の不可視による攻撃。脇腹も掠った程度だが、血が滲み痛みが気力と集中力を削っていく。
「夏目、ここから離れよう!」
「そうだな!」
ヨルムンガンドの言葉に従い離脱する夏目。
建物の中に入り、上着を脱いで脇腹に巻きつけ止血。傷口を見て夏目は気づく。弾丸ではない、剣で斬りつけられたものに近いと。
「不可視の剣が正体。動作がなくとも、何か発動するための条件があるはず。ヨルムンガンド」
「ボクはいつでもオッケーだよ」
冷静に状況を把握する。ヨルムンガンドと合体すれば、その鱗が鎧の役割を担い傷を負うことはない。不可視の剣戟とその条件も、相棒の目があれば見抜けるだろう。
お互いに頷き合い、合体し戦闘態勢へ入る。すると、そこへ血痕から居場所を追ってきたリーリエが夏目を視界に捉え、舌舐めずりをしながら恍惚とした表情で笑う。
「くふふっ。もっと虐めてあげますわ! 泣き叫び、無様な姿を晒して、わたくしを楽しませてくださいな!」
そう叫び、不可視の剣戟が繰り出される。
第六感の感覚で立っているその場から離れる夏目。ついさっきまでいた場所の床にには、深く斬り込みの痕が残る。
『夏目、視界はボクに任せて! あいつの攻撃は全部、見切るから!』
「頼もしいな! 任せた!」
ヨルムンガンドに任せ夏目は動く。視界に、空間が歪みねじ曲がって何かが飛来してくる。
『それが攻撃だよ! 右に避けて!』
「……っ!」
ヨルムンガンドの言葉通りに、右へ避ければ後ろの壁に斬り込みが入る。
『またくるよ夏目!』
前方を向けば、ヨルムンガンドが見る視界に✕印で襲う歪みの斬撃。それを跳躍で天井に張りつき躱す。
今度は、三連撃で襲う。
天井から降り立ち、縦の斬撃を体を捻り躱し、横一文の攻撃には床に姿勢を低くし、最後の斜めからの不可視には夏目から近づきギリギリの距離で体を左回転で躱し、前を向きリーリエへ顔面を殴る。
その流れるような動きは、戦闘アクションのように。そして、気合の声と共に拳を突き出す。
「はぁっ!」
「避け切られた!? ……んぶっ!?」
夏目の殴打が美しい顔に、めり込む後ろへ吹き飛ぶ。窓ガラスが、吹き飛んだ体にぶち当たり砕け散る。
「あ、あああっ! い、いだいっ!」
殴られた痛みと背中に伝わった衝撃で苦痛の声を絞り出し睨む。割れた破片が、顔を映し出しそれを見たリーリエは怒りを爆発させた。
鼻は折れ、頬は赤く腫れ上がり血が流れる。
「よくも、わたくしの美しい顔に! 綺麗なわたくしの顔を! 殺す!」
目尻を吊り上げ、なりふり構わず不可視の剣撃を発動させる。リーリエの視線が忙しく動く、その動作に合わせて斬撃も夏目を襲う。
(そういうことか! 視線そのものが発動条件! だったら――)
視線が条件と判断し夏目とヨルムンガンドが全身から猛毒の煙を放つ。
視界を奪い、呼吸困難にするための反撃へと。リーリエは、咄嗟に口を手で塞ぐが吸い込んでしまい激しく咳き込む。
「ゲホッ、ゲホッ、ゴホッ! こ、小癪な!」
視界を塞がれては剣撃が打ち出せない。リーリエは考える。この煙は、相手にも有効なはず。逃げるための一手ならば、剣撃で煙を散らし逃げるその背中に一撃をぶちかませばいい。
「わたくしには効きませんわ!」
不可視の剣撃で煙を吹き飛ばし、視界を取り戻すと夏目の姿を捜す。
しかし、この煙は逃げる一手のために視界を奪ったわけではない。夏目は最初から、リーリエの背後を気配も音もなく取るためだ。背後から脇腹に、尻尾による横殴りを見舞う。
「なっ!? ど、どうして!?」
隙だらけの脇腹へ綺麗に入り、ゴキッと音を鳴らし肋骨が折れる。
「がはっ……!」
「もういっちょ!」
それだけではなく壁へ叩きつけて避ける暇を与えることはなく、前のめりに倒れ込みそうなリーリエへ、夏目の右拳が顎下から振り上げられ顎の骨も砕き脳が激しく揺れる。
「――――っ!?」
「ふんっ!」
リーリエの視界が点滅し歪み、体は仰け反り無防備な腹部に衝撃と激痛が走った。夏目の二発目が炸裂、神通力を纏った左手の拳が容赦なく抉るように深くめり込む。
「うぐっ、あがっ……!」
我慢できず口から大量の血反吐を吐き出すリーリエ。女だからと、手加減など一切ない夏目の殴打に意識が飛ぶ。
倒れ込み動かなくなったことを確認してから、ヨルムンガンドとの合体を解き息を吐き出す。
「ふー……。終わった」
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