偽りの神人 ~神造七代の反逆と創世~

ゆー

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第二部 第七章 終わりの始まり

神器VS神の機械(3)

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 三男の撃破後、隣町へ移動した俺たちは奏と遥の案内の元に辿り着く。



「……どこも、地上に人の姿はないな」

「そうですね……」



 俺のこぼした言葉に返す美哉。

 崩壊した街並みが広がるだけ、そしてここでも機械人形が人間を捜し徘徊している。



「ここにもいるのね。私が、相手をしてくるわ」



 まだ暴れ足りない神前先輩は、そう言い機械人形のもとへ向かって行く。人形供も、神前先輩の存在に気づき手足を振り乱し襲う。

 ニッ、と笑いデュランダルを横に一閃。その衝撃と波動で軽々と吹き飛ぶ。



「もう一丁!」



 と叫び、デュランダルを今度は振り下ろし斬撃を繰り出すと機械人形は簡単に破壊。まだ残っている人形を捉えると突貫、刀身が届く範囲内に入り込むと斬り刻み、地面を叩き割るとその間に落とし頭をかち割る。

 その暴れっぷりと神前先輩はずっと楽しげに笑っている。

 一人で事足りる様に美哉は、



「相変わらずですね」



 一言そうもらす。

 立花先輩だけは、嬉しそうに拍手し他のメンバーは見慣れた光景なのでノーコメント。

 徘徊していた機械人形を片づけ終わったところで、泊まる場所の確保のためアザゼルと四音は、上空から使えそうな家を探しにひとっ飛び。

 紅はスーパーを見つけ燐を引き連れて食料調達へ、東雲先輩と桜は周辺の警戒と念の為に結界を張る。仲間が戻ってくるの待っている俺たちの前に、また新たな機械人形がやってくるではないか。



「徘徊する人形が多いな」



 そいつを見上げながら、俺は面倒くさそうに呟く。おまけに機械のくせしてブクブクと太り、足が四本と二本の手には何かを握りしめ口に運ぶ。



「……クソ害虫が」



 握りしめているものの正体に気づき吐き捨てる。

 ボタボタと滴る赤い液体と血生臭さが漂い、神前先輩も気づきは美哉へ頼む。



「美哉。悪いけど、ヒナの視界を塞いで」



 その理由をすぐに理解した美哉は、立花先輩の背後に回り視界を手で覆い隠す。



「陽菜は、見なくていいものです」

「うん、分かった」



 耳元で伝えると立花先輩は素直に聞き頷く。



「桜も見なくてもいいよ」

「は、はい……」



 東雲先輩も妹に伝え、兄の言葉に顔を逸らす桜の顔色は青ざめていた。

 慣れていなければ、胸糞悪い光景だろうな。なにせ、喰らっているのが人間だ。邪魔な衣服を口で剥ぎ取り、臓物ごと肉を噛み千切り咀嚼している。



「機械人形の食事はいつもあれなのか? 腐った思考回路だぞ?」



 俺が奏と遥に問えば、二人共に知っていることを話す。



「抵抗する者なんかを殺すのがいつものの手段だけど、時々ああして食べる奴もいるの……」

「お兄さんの言う通り、腐った思考しかしてないから」



 ふーん、なるほど。機体に夥しい血痕がこびりつき、それだけで何人も喰らっていることが分かる。



「逢真、私がいくわ。あんたはみんなを護って」

「いいだろう。神前先輩に譲ってやる」

「あんた、ほんと以前とは別人ね。まあ、私は今の生意気な逢真も悪くはないし、それくらいあった方が私たちのボスみたいで良いけど」

「そりゃあどうも」



 なんて会話を交わし、結界の外に出る神前先輩に近づき見下ろす豚人形。

 近くで見ると体長十メートルほどある巨人。

 四本の足のうち一本の足が、神前先輩を踏み潰さんと振り上げ落とす。

 そんな大振りな攻撃が通じるはずもなく、躱し足の甲に降り立った神前先輩は脚を伝って駆ける。

 顎下まで駆け抜けるとデュランダル下から振り上げ、頭を後ろへ倒すと喉元に目掛け斜めから斬りつける。



「ちっ! 邪魔な脂肪ね!」



 機体に脂肪の塊を被っているせいなのか傷が浅いな。

 舌打ちする神前先輩の横から、多きな手が伸び跳躍してその手の平を躱す。手は握り潰す勢いで握るが空を切り、その手首に着地し刀身を叩きつける。

 手首を斬り落としたい神前先輩だが、やはり脂肪が邪魔をして届かないか。

 一度、豚人形から地面へ降り距離を取る。



「アア、アアウウウッ」



 豚人形はブヨブヨと脂肪の肉を揺らし、口からダラダラと唾液を垂らしながら四本の足で地団駄を踏む。



「……っ!」



 揺れる地面と割れていく路面、神前先輩がバランスを崩しその場に膝をついた瞬間、豚人形は見た目によらず高々と跳躍を見せ頭上から落ちてくる。

 轟音を響かせクレーターが生まれ、俺たちの視界は土煙に包まれ何も見えなくなった。
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