偽りの神人 ~神造七代の反逆と創世~

ゆー

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最終章 神造七代の創生

最後は笑顔で未来を(7)

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 俺たちは、神山学園跡地に戻って来ていた。あの戦いがあったそこには、原型を留めている建造物など皆無だが僅かに残ったものが。それは、悪神が世界崩壊のために施し展開させ発動させていた陣。その欠片が残っていた。



 まさか、これだけ残っていたとはな……。

 何とも言えない俺たちを見て、アザゼルと四音は苦笑いを浮かべつつも陣の修復に取り掛かる。しばらくして、グラウンドだった場所で幾重にも重なり、様々な文字の羅列と神紋が光を放ち浮かび上がる。



「さて、陣の修復は終わった」

「あとは、みんな。陣を囲むように位置に着いて」



 アザゼルと四音の指示に従い陣を囲むように位置へ着く俺たち。相棒たちもそれぞれの主のそばに立ち、俺は手に持った二つを起動させる。右手には幾重にも歯車が絡み合う球体『地球の歯車』、左手には白一色のカバーをした本『世界の出来事』。

 俺たちがしようとしていることとは、『地球の歯車』で惑星の仕組みそのものであるこれを行使し、惑星を創り変えるというより



 滅びた世界、失った文明、奪われた命、それらを取り戻すために『地球の歯車』で崩壊していない世界、今後も発展していく文明、死ぬ必要などなかった生命。その全てを完全な形で復元する。そのために、もう一つの『世界の出来事』が必要不可欠。これに書き込み、崩壊世界の理をぶち壊す。

 その本に書き込むとその通りになる、これを利用しない手はない。だから、俺はその本のページを埋め尽くすように書き加える。



「ふぅー……」



 息を吐き出し右手に持っていた幾重にも歯車が絡み合う球体『地球の歯車』をフェンリルに預け、アザゼルから手渡されたペンで誰も死んでいない、世界は滅んでいない、文明を失ってなどいない。あの、ありふれた日常は現在も存在している。

 そして、この戦いに関係のない者全てに記憶は存在しない。覚えているのは、〝悪神と戦った者たちだけ〟と。



「これでよし」

「夏目」

「美哉。もう大丈夫だ、きっと上手くいく」

「ええ。そうですね」



 俺と美哉は、互いの顔を見て微笑み合う。

 さあ、始めよう。

 陣は完成し起動。光が俺たちを包み込み、、そんな感覚が全員を襲う。

 なんの代償もなく、行使できるとは思っていない。少なくとも寿命を削るだろう、と誰もが考える。



 俺の視線は仲間に向けられる。アザゼルとルシファーが珍しく、お互いの体を支え合うように立ち、他のメンバーはそれぞれ、大切な人と手を繋ぎ合う。

 誰もの顔に苦しげな表情、額に汗の雫を浮かべ。そんな中で、直矢が俺と美哉に笑顔を向け言う。



「お父さん、お母さん! なんだか、世界を創造する神様みたいだね。お父さんもお母さんも、みんなが一つになって。えっと、あれだよ! 神造七代の創生!」



 …………ん?  神造七代の創生? なんだそれ?

 俺だけ疑問符を浮かべるが、仲間たちは直矢の言葉に苦しげだった表情が綻び、アザゼルは苦しさを吹き飛ばすように豪快に笑う。



「だははははっ! そりゃあいい! 天地開闢ってやつか。俺たちを神世七代に例えたな。まあ、直矢の言う通り。世界を元に戻すっていうより、これはもう創生に近いからな。ピッタリだろうよ!」



 アザゼルの言葉に続くように四音も笑って言う。



「ふふっ! そうね。アザゼル、わたしたちで二組。そして、夏目くんと美哉さん。春人くんと桜さん。真冬さんと陽菜さん。紅くんと燐さん。最後に奏さんと遥さん。これで、七組十二柱ね」



 なるほど、そういうことか。ふっ、本当に直矢は俺たちにピッタリな名付けを思いついてくれるな。



「直矢のネーミングセンスはさすがだな」

「ほんと!?」

「ああ。なんなら、タイトルにするなら〝偽りの神人~神造七代の反逆と創生~〟ってところか」

「カッコいい!」



 俺と直矢の会話を聞く仲間に笑顔が戻る。苦しいはずが、何ともないように感じ仲間の口から笑いが生まれた。

 全員に笑顔が戻ったところで輪になるよう手を繋ぎ合わせる。



「お前たち、死ぬんじゃねえぞ! 踏ん張れよ!」

「これが終わったら、残りの人生を思いっ切り楽しむのよ? だから、誰一人として欠けてはダメ」



 最後にアザゼルと四音の言葉に俺たちの返事は同じだった。



『もちろん!!』



 そうして眩い光が天に向かって伸び、世界は光り輝くそれに呑まれ万物も、音も、生命の存在も、全てが一度だけこの地球から消えた――――。
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