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君との距離

42.

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「治療はしてやる。だが、お前は学院に入りなさい。」

イオのセリフにヤナは泣きそうな顔をする。病弱な母を置いていくなんてあんまりだ。

「そしたら…そしたら母さんはどうなるんだよ!」

「イザベラー。おーい。おっきろー、」


「「は?」」

言い合って気がついてなかったが、ヤナの母のほっぺをつんつんとしてるソレがいる。

「こら!ソレなにやってんだ!」

「イオこいつおきないぞ!」

何当たり前のことを、

「なんで母さんの名前…、、いや、」

ヤナは言葉なしに俯いた。






……今はムリか。今は。


「この人は病気なの。これから治すの。」

そうなのか?と首を傾げるソレ。お前は可愛いよな。悔しいけど。

「精霊王よ。力をかしてくれ。」

呪文とかめんどいから直接ソレから力をもらう。

とたんにイオの握ったヤナの母親の手から光が全身を包む。それは優しい光だった。

青白かった顔色に赤みがさしてくる。健康状態まではもってけそうだ。












すごい……。



今まで見たことの無い力。目の前で先生が使ってるのをみて、ヤナは心臓が強く脈うつのを感じた。。。





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