異世界言ってみよう

サラニネル

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アオイノシシ運びの悲(喜)劇

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ボッケはアオイノシシの足を持ち引っ張ったりしながら言った。
「どうやって運ぶのこれ?森だし荷車借りても入れないよ」
「大丈夫だよ、もうドゥエンデの収納で入るよ!今は保存の2つ分使ったから、今までの2倍に増えて約120cmの立方体くらいの容量あるもんね。...やっぱドゥエンデは頼りになるね」アマリの言葉にツッコ達も同意するとドゥエンデは嬉しそうにしていた。そんな様子を見たプルが物欲しげな表情をしていた事にアマリだけは気付いて心配そうな顔をした。

「後は、街に入る前に荷車借りないとな、そうなると...荷車のレンタル料も高いし荷車買っとくか?」ツッコは高額になりそうなので苦渋の表情になった。
「う~ん、これからたくさん取れるなら、毎回銅貨180枚払うよりはいいとお思う。確か荷車は銅貨2000枚ぐらいだったから12匹以上取るならだけど。...それなら今日は赤字だね」アマリもガックリしていた。
「今後は、こいつに会う可能性が高いしな。しょうがねえ買いに行くぞ!」
ツッコが決断し、全員でアオイノシシを収納に入れた。

森から出たところで見上げると日は、すでに真上に来ていた。
その時ボッケの腹が鳴るとボッケは疲れた感じでつぶやいた。
「もお~ここで食べてから街に行こうよ」
「街まで行けば廃れた空き家幾つかあったろ、そこの方が座れるしいいだろ」
ツッコの意見が優先され街の空き家に向かい昼飯と休憩を済ますことになった。

オールドデニスは昔栄えていたが今は寂れている、空き家を探すのは難しくはなかった。まあ時々先客に会うとびっくりしたもんだった。ただマナーがあって、使う時は入り口に石か何かを置いてバッテンを書くんだとロルフが教えてくれた。

「あれ、今日はお粥じゃないの?」プルが不思議そうに呟いた。
見ると焦げ目の付いた薄焼きのクレープのようなものと、何かグチャグチャの物体があり、良く見ると豆や根菜類全てが潰されたようなシチューだった。
料理が出て機嫌が治ったボッケは皿を食い入るように見るプルを見ながら言った。
「よく気づいたねプル!」

「お粥ばかりだったのはもう過去の話だよ、見てみなよこのパンを!」
ボッケは胸を張り偉そうにしている。
「パンっていうかこれ?クレープじゃねえか?」
眉間に皺を寄せたツッコがクレープを手に持ってヒラヒラさせた。
「まあ、手回しの臼(ウス)が手に入ったんだよ」
ボッケはツッコを睨みながら手で臼を回す真似をした。

「あとね、押し麦はパンにしたから、その他全部を煮込んで潰してポタージュみたいにしてみたんだ」アマリ全員の皿に取り分けながら言った。
ドゥエンデは待ちきれないようで羽ををブンブン振っていた。
「ポタージュだったのか?...だから棒で潰しまくってたのか」
ツッコはスプーンでとろみを確認してたが、かなり塊が残っていた。
しかしアマリとボッケに不満げに睨まれ、あっさりと方向転換した。
「...いや!見るからに、これは完全にポタージュだな!」

荒い全粒粉のクレープと潰れた塩煮込みでも、今までを考えれば革命だった。
「ギルドのマーサさんに教えてもらったんだ。クレープみたいにするか、乾燥させて固焼きのビスケットにするか、まあ、いわゆる乾パンにするか2種類だね。しかも乾パンだと携帯も楽だし一年ぐらい持つんだよ」
アマリはそう言いながら思い出していた。...この前ギルドからの報奨金で無限お粥地獄から抜け出す方法をマーサさんに聞いたらマーサに笑われた事を。

「おいフィいよこれ、食べやフィ」
プルはモガモガと齧って口に押し込み、プル用の皿からポタージュと交互に口に運んでいた。
「この噛み締めるたびに感じる麦の甘み、そして口に含めば野菜とキノコと魚の骨のだしの旨みが凝縮された旨みの爆発!ああ!うまあああい!」ボッケは涙でも出そうな顔をしながら一言だけで、もう手は止まらなかった。
「てめえは相変わらず、うるせえな!けどうめえええ!」
「美味しい、美味しいよ!」「オイシ、オイシ!」
ツッコもアマリもドゥエンデも一言だけで無言で食べ進めると、すぐに空になってしまった。

その後ギルドでマーサに荷車を安く買える所を聞くと、古いのでよければ1台余ってるからと銅貨1500枚で買い取ることができた。そして、街の外の人から見えない所で少し休憩してから、収納から荷車に乗せ替えギルドに行き換金した。

まだ、夕方には早い青空の中、1人で引くと大変なのでツッコとボッケが両端を持ち荷車を引っ張り家に帰っていた。結局儲けは猪に会うまでに採取したものを含めても銅貨1枚にしかならなかった。
「馬とかいれば楽なのにね?」「ウマハ ラク」
「ワタイ馬より鹿がいい」
荷台ではアマリとドゥエンデとプルの声が聞こえていた。
ボケは驚愕したプルはやはり持っていると。

そんな呑気な状況だからこそツッコは先を心配してしまった。
「アオイノシシが荷車に替わったな」
ツッコが疲れた顔で呟くとボッケは笑いながら言い返した。
「僕たちの顔も青くなっちゃったね」
ツッコは思い出したように口角をあげた。
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