殿下と僕のお話

まっちゃこ

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今①

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懐かしい夢をみた。あの時、確か僕は8歳で殿下は12歳だよなぁ…僕の泣き虫はあまり変わってないけど、殿下はあの完璧なお姿のまま、清廉潔白、文武両道、聡明でカッコいいみんなの憧れの的だ。

僕は今16歳になり、王都にある学校に通っている。

殿下はもう20歳。婚約者や結婚していてもおかしくない年なのになぜか未だに独身。この国では、男女関係なく結婚できることもあり、男女問わずモテモテの殿下は沢山の見合い話がある。だけど、聞こうとすると「エリィは僕が結婚してもいいの⁇」と背筋が寒くなる笑顔で言われるから何故か何も返せなくなる。

なぜまだ殿下とお話しできるかって?

殿下がなぜか毎朝お迎えにくるからです!!

「おはようエリィ。今日もかわいいね。」

王都に向かう馬車は殿下がお迎えに来てくださり毎日一緒に行っている。8歳で出会ったパーティーから、もう会えないだろうと思ったのに、その3日後には伯爵家に「こんにちはエリィ。一緒に遊ぼう。」と来て下さった。

その後も、殿下のとしてみんな認識している。

「ディーン殿下。おはようございます。僕は可愛くないです!…殿下みたいにカッコいいって言われたいです…」

殿下の癖なのか、毎日かわいいと言われ、移動の時には腰に手を当てて支えられる。側から見たらカップルの距離感だが、僕たちはこれが普通だ。慣れってすごい。

馬車のドアが閉まった途端殿下はちょっと不機嫌な顔をして僕の頬に手を当て自分の方に向けた。

「呼んで。名前。」

「…ディーン。人前ではやっぱり呼べないよ。…ごめんね?」

「っかわいいなぁ…敬語もなしにしたいのにそれもダメ⁇エリィの立場もわかるけど、距離感が…寂しい」

「ふ、2人きりの時とミーシャとマークがいる時しか僕はムリだよ…伯爵家の僕がなんで呼ばれてると思う?『ディーン殿下のお人形』だよ?お気に入りのおもちゃ感覚で見られてるから色々言われないだけでみんななんで僕がディーンの隣にいるんだって思ってるんだからちゃんと弁えなきゃ」

ミーシャとマークは僕とディーンそれぞれの侍従者だ。あの2人は基本ずっといるから僕がディーンに気軽に話すのを許していることを知ってる。

「お人形って…それはエリィの容姿を…2人の秘密もいいけど、学校では必要以上に仲良くしないでね。エリィが僕より仲良くする人が出てきたら相手に何しちゃうか分からないから、ね?」

相手も何も僕は人見知りだし、あまり人が寄ってこないからいい容姿もしていないと思う。ディーン程の人が隣にいるんだから他の人から見ても自分の容姿は平凡かそれ以下だろうなぁって感じだ。

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