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壱
第4話
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高校一年生の春、バイトして家に帰ってきたら父さんが首を吊って死んでいた。
足だけがプラプラ揺れていて、固く握られた手にはクシャクシャに丸められた白い半紙があった。
───『悠太へ
お前が産まれたせいで父さんは闇金に追われるようになった。
お前が産まれたせいで父さんは追い込まれた。
お前が産まれたせいで父さんは人生が嫌になった。
お前が産まれたせいで父さんは死んだ。
お前のせいで
お願いです。悠太がコレを読んだなら父さんと死んで下さい。
せめて父さんが殺してやろうと何度も思いましたが、無理でした。
産まれてきてから辛い思いばかりさせてすまなかった。知らなかったとはいえ、大切な息子である貴方を汚してしまってすみません。
不幸な人生にしてごめんなさい。一緒に死んで下さい。
父より』────
いつの間にかボロアパートに何台もパトカーがきていた。
駆けつけた刑事が眉をひそめて大きな声で悪態をついた。
『コイツ、自分が死んだのは全部子供のせいってか?!カ~ッ!反吐が出るぜ』
『こんな酷い遺書を唯一の遺族である息子に残すか・・・酷いことするな』
父さんの遺体が降ろされる。
沢山ワンワン泣くはずだと思っていたのに、その遺体を見ても不思議な事に一滴も涙がこぼれなかった。
『刑事の真山です。君が陽真悠太君だね?辛いだろう。無理に現場を見なくてもいい』
父さんが唯一残した遺書を無神経に朗読する若い刑事さん二人を窘めた中年の刑事さんが優しくそう言って俺の背中を押した。
『外へ出ようか』
足だけがプラプラ揺れていて、固く握られた手にはクシャクシャに丸められた白い半紙があった。
───『悠太へ
お前が産まれたせいで父さんは闇金に追われるようになった。
お前が産まれたせいで父さんは追い込まれた。
お前が産まれたせいで父さんは人生が嫌になった。
お前が産まれたせいで父さんは死んだ。
お前のせいで
お願いです。悠太がコレを読んだなら父さんと死んで下さい。
せめて父さんが殺してやろうと何度も思いましたが、無理でした。
産まれてきてから辛い思いばかりさせてすまなかった。知らなかったとはいえ、大切な息子である貴方を汚してしまってすみません。
不幸な人生にしてごめんなさい。一緒に死んで下さい。
父より』────
いつの間にかボロアパートに何台もパトカーがきていた。
駆けつけた刑事が眉をひそめて大きな声で悪態をついた。
『コイツ、自分が死んだのは全部子供のせいってか?!カ~ッ!反吐が出るぜ』
『こんな酷い遺書を唯一の遺族である息子に残すか・・・酷いことするな』
父さんの遺体が降ろされる。
沢山ワンワン泣くはずだと思っていたのに、その遺体を見ても不思議な事に一滴も涙がこぼれなかった。
『刑事の真山です。君が陽真悠太君だね?辛いだろう。無理に現場を見なくてもいい』
父さんが唯一残した遺書を無神経に朗読する若い刑事さん二人を窘めた中年の刑事さんが優しくそう言って俺の背中を押した。
『外へ出ようか』
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