とける。

おかだ。

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第43話

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───「おれっ、は・・・・」

薄く開いた唇を震わせて、潤んだ瞳で男を見上げる。

心の中では毒づいて。

勿論どれだけ乳首を捏ねられようと気色が悪いだけだし、舐められるのも同じだ。

相手が男だから、とか。そんなのは関係ない。男だろうが女だろうが、善にとって体の交わりは汚いとしか思えなかった。

「あっ、そこ・・・・!ん、ゃっ意地悪するなよ」

太ももを滑る男の手が、勿体ぶるように際どい部分を撫でていく。

ゾワゾワと嫌悪感が募っていくのを我慢して、如何にも善が男に快感を与えられているような仕草をする。

「へへ、そこ?そこって何処だよ・・・」

「んっん。わかってるだろ・・・っちんこ、触ってよ」

善がモジモジと腰をくねらせ続きを強請ると、男が満足気に下卑た笑みを浮かべた。

男の手がスラックスの上から善の性器をやんわりと握る。

「・・・・ん?」

「あん♡もっと~」

今まで善の甘い鳴き声を聞いていた男からしたら信じられないだろう。

期待する様にかたくなっているものと思って触れたそこは、何もなかったかの様にかたくなるでもなくシンとしていた。

善のキュッと吊った目尻が可笑しげに細まり、馬鹿にするように男を見上げていた。

「っなんで!」

「ここに残ったのは気まぐれだったけど、おっさんの間抜けズラのお陰でスッキリしたわ。アイツらも下で待ってるし、そろそろ帰る」

大きな欠伸をすると、呆然とする男の胸を善の手のひらが押した。

「どいて。重いよ」

男が怒りで顔を真っ赤にする。

立ち上がろうとした善の身体を押し倒し、こぶしにした手のひらを勢いよく善の首筋に叩きつけた。

「っぐ、てぇな!!」

「がっ・・・!!」

うつ伏せに倒れた善を再度羽交い締めにしようと男が伸し掛るが、善の鋭い蹴りが腹に入り後方に飛び退くと、そのまま男は動かなくなった。

「・・・っくそ、面倒な事させやがって」

ヒリヒリと痛む首筋を抑えていた手のひらを見ると、ほんの少しだけ血痕が着いていた。

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