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Otoha
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私片桐音羽。今日から高校2年生。ただいま高校1年生の時からずっと好きだった草名木草太くんと同じクラスだということが発覚してしまい心臓爆発中。
夢、じゃ、ないよね…?
何度も何度もクラス名簿を確認してしまう。
「おはよー!」
どきっ
草名木くんの声っ!
見知らぬ男子と挨拶を交わしている。
「草名木ーよろしくな!」
「おう!」
「宿題見せてくれよな」
「学級委員は草名木に決定だな、もちろんやるんだろ?」
おおおお一気に草名木くんの周りに無数の男子が群れ上がってる!さすが人気者だな~。私もあの中に入りたい…なーんて思ってるのは私だけじゃないはず!ほかの女子たちよ!
草名木くんの存在を知ったのは高校の入学式のとき。新入生代表の言葉を読んでいた。その時はああすげー頭のいいやつなんだぐらいにしか思ってなかったの。
本格的に草名木くんにハートを奪われはじめたのは文化祭の時!
私文化祭実行委員を務めたんだけど企画書の書き方がいまいちよく分からなくてフリーズしてたら
「大丈夫?」
彼は、そう、話しかけてきたの。ここからはじまる私の恋。
「えっと…あ、分量とかよくわからなくて…」
「手伝おっか?片桐さんのクラスはなにするの?」
「きらきらジュースっていうの作るんだけど…ジュースの中にフルーツとかグミとかアイスとか色々入れ込んであと花火を付けて光らせるの!」
「斬新だね。絶対売れる!俺買いに行くよ。」
「ほんと?!嬉しい。」
「ちなみにいくらで売るつもりなの?」
「えーっと5400円ぐらいかな?」
「高!やっぱ買うのやめた」
「じゃ、じゃあ1080円で!」
「高ぇよ、まず消費税なくせ。」
「ええ~」
「それからなんだこのマカロンってのは!」
草名木くんが私の企画書を覗き込む。
「いいアイディアでしょ?」
「やめろ!入れるな!」
「ええ~」
「あとハーゲンダッツはやめとけ。それからなんでフルーツ苺しかないんだ!しかもこれ!ジュースじゃなくてお酒じゃないか!」
「リア充には最適じゃない?ふっと女の子が酔ったところに相手の男の子がキュンとくる、縮まる距離。きゃ~~~~!えっち♡」
「……俺、帰るわ。」
「え、え?!」
「生徒会の仕事もあって忙しいんだよ!じゃあな。」
さっさと教室を出ていく草名木くん。1度だけ振り返りこう言う。
「あ!企画書ちゃんと期限内に出せよ!」
「え!あたしひとりじゃ無理…え!」
3度見、いや5度見したね。
企画書いつのまにかちゃんと出来上がってたの。分量も予算もちゃんと書いてあって…
私は草名木草太に恋をした。
「パイナップル、あんま好きじゃないんだけど~…」
そうひとりごとを呟きながら顔が熱くなってきた自分を鮮明に覚えている。
その草名木くんと同じクラス!運命!いや~~同じクラスってだけでこんなに距離が近く感じるんだねぇ~きゅんきゅん。
「っはー?お前の隣かよ!だる」
突然隣から声がした。
「ええっ今なんか声が聞こえた?!幽霊かなー」
「ざっけんな!」
立田松一。去年に引き続き今年も同じクラス…何かと文句言ってくるんだ。
「またお前と同じクラスかよ!吐き気がするぜ!」
「先生に視力悪いって言って席変えてもらおうかなぁ~」
「おまえここ1番前の席だぞ。馬鹿じゃねーの?」
周りからくすくす笑いが起きる。
「もう!」
「あ」
休み時間、廊下で草名木くんとすれ違う。
「よろしくな、片桐。」
きました草名木くんのさわやかボイスーーー!そーしーてーニコッと微笑むー!神の対応ですね。
「こちらこそよろしく!」
きゃー!きゃー!きゃー!話せたっ!話しちゃった!一瞬だけど!
家に帰るとすぐさまスマホを開きツイッターLINEなどなどチェックチェック~!あ!草名木くんのアカウント発見~!鍵付きや~フォロリクポチっ!
きゃー!きゃー!きゃー!
私、草名木くんともっとお近づきになりたい!草名木くんの好み、好きなタイプ、色々知りたい!な~!
翌日から私は彼、草名木くんに猛アタックを始めた。
「く、さ、な、ぎ、くーん!」
私は草名木くんの隣の席にドカッと座る。
「ね!これから草太って呼んでもいい?」
「そっちのほうが呼び慣れてるから助かる笑」
「やった!草名木く…草太って好きな音楽何?!」
「チェリーボーイ!」
なんだそれ、知らん!
「聴いてみたい!」
「ちょっと待って…はい。」
草太からイヤホンの片方を渡される。
これって…
顔がトマトになるのを必死に抑えながら耳にはめ込む。うっわ…!草太のイヤホン!さすがイケメンな心地!
「いい曲だろ?」
「うん!かっこいい!」
うそ、ドキドキしすぎてそれどころじゃねーっつの!もう、もう、曲なんて頭の中に入ってこない。
「CD、貸してほしいな~なんて…」
「いいよ。」
あっさりOKひょっこりはん。
「明日持ってくるよ。」
まーじか~!さいっこうに嬉しいんですけど!
「おい片桐!そこおまえの席じゃないだろ!田中さん困ってるぞ!」
急に現実に引き戻される。立田の声。
「うっわっ!ごめんね!」
「ううん。大丈夫。」
慌てて席を立つ。
そして今年もやってきた。
文化祭の季節。
うちのクラスはお化け屋敷をすることになったんだ。
ただいま教室で準備中。
「調子どう~?」
草太っ!
生徒会でなかなかクラスに顔を出せない草太が来たっ!!
「草太~!見てみて!看板作った!」
私は草太に駆け寄る。
「お!いいじゃん。」
「ね!お化け屋敷いくらがいいかな?」
「無料でいいだろ。」
「ええ~」
「片桐サボってんじゃねーよ!」
ガコン。頭を叩かれる。また立田かよ。
「サボってな…」
「本番明日だぞ!このままだと終わんねーぞ!さっさと手伝えくず!」
「…」
はーーーーうざ。
文化祭当日。
「あーやっと終わった。じゃあとはよろしく頼みます~!」
私は自分のクラスの仕事を終わらすとさっさと生徒会室に向かった。草太と一緒に回りたい!最高の思い出をつくんなきゃ!自然と足が走り出す。
「片桐。何してんだよ。」
生徒会室まであと数センチのところで立田に鉢合わせしてしまった。
「何。立田には関係ないでしょ。」
立田は生徒会室の前を通せんぼした。
「どいてってば!」
「おまえ生徒会じゃないだろ。生徒会以外は入っちゃいけないんだよ。」
「まぁそんなかたいこと言わずに」
「だ…め!」
とその時ガラリと生徒会室のドアが空いて草太が出てきた。
「お、片桐。いい顔してんな。」
「え!」
しまった!ゾンビメイクのままだった!まぁいいや。
「どう?お客さんいっぱい来た?」
「うん!ちょーーーありの行列!」
「怖がってくれてる?」
「時々?驚いてくれる!」
「そっか。」
「草太は今暇?」
「暇だよ。」
「じゃあ一緒に回らない?」
「いいよ!」
やった!
「草太。私わたあめ食べたい!」
「行こうか。」
「うん!」
いや~ちょー楽しいっ!嬉しい!夢見たい、好きな人とこうやって2人で肩を並べて歩けるなんて。…デートしてるみたい。
「草太は何味にした…」
言いかけたその時、
「草太!一緒に写真撮ろ!!」「あたしも!」「次私ねー」「草太じゃん!なにしてんのー。」「草太奢って~。」
同じクラス、他クラスの女子たちが一斉にぶわっとやってきた。きゃー人気者。
「おう。」
ひとりひとりに快くツーショットに応じる草太。王子だ…
「草太くん!写真撮ろ!」
「先輩!お久しぶりです!撮りましょう!」
うわ~先輩まで!
「草太先輩!写真撮りませんか?」
「おう!」
後輩!
「草太ー!来てやったぜ!写真撮ろ。」
「楽しんで!撮ろう!」
他校の女子まで~!中学校の同級生とかかな?
さすがモテモテ…噂で中学時代100人の女子に告白されたとか聞いたことある。
「あ…」
「片桐?」
「…のその…私も写真撮っていい?」
おずおずとスマホを出す私。
「もちろん!」
インカメラにしてえっと…
手が震える。上手くスマホが持てない。両手のほうがいいかな。でもやりにくい…
「貸して!」
「え!」
草太が私の手から素早くスマホを取る。
「はい!チーズバーガー!」
カシャッ
「ほら。」
あっという間に撮れてしまった。
「あ、りがと…」
恥ずかしくて顔をまともにあげられない。
「片桐は自撮りとか慣れてるんだと思ってた。意外と苦手?」
「…うるさい!草太、背が高すぎて位置合わせるの大変だっつーの!」
「わりぃわりぃ。片桐チビだもんな。」
「は?!黙れ。」
「ねぇ草太!私たちとも一緒にまわろうよ!」
1人の女子が言う。
「おお、いいぜ。」
せっかくの二人っきりが…まぁいいか。
「ね!みんなで写真撮ろうよ!」
「いいね~!」
「片桐さん撮って!」
女子にスマホを渡される。わ、わ、わ
「と、撮ります!はい、チーズバーガー…わっ撮れたかな??」
む、むず…
「ちょ、片桐さん撮るの下手~」
女子たちがくすくす笑う。
「音羽ちゃ~ん」
「ごめ~ん」
「いいよ私撮る!はいみんなこっち向いて!」
何枚か撮ったあと1人の女子が言った。
「音羽ちゃんって話しにくい子だと思ってた。」
「え!」
「めっちゃきゃぴきゃぴしてるからさ、ちょっと壁を感じるって言うか…」
「私たちとは合わないと思ってた」
ほかの女子たちも口々に言う。
「でもそんなこともなさそう!」
「うん!普通に普通そう!」
「ね!音羽ちゃんLINE追加してもいい?クラスLINE入ってるよね??」
「うん!」
「ところで音羽ちゃんって立田とどういう関係なの?」
「え?」
立田?
「何も関係持ってないよ。」
「めっちゃ仲良くない?」
「良くない。」
「でも立田って絶対音羽ちゃんのこと好きだよね。」
「わかる~!超かまちょじゃん。」
「それな!」
「私立田に嫌われてるから…笑」
「文化祭を機に付き合っちゃえ!」
「告白されたりして!」
きゃーきゃー盛り上がっちゃってんの。
立田か~。私が好きなのは草太だな~…
そして時は経ちバレンタインデーになった
私は前日徹夜して作ったチョコを学校に持ってきた。
夢、じゃ、ないよね…?
何度も何度もクラス名簿を確認してしまう。
「おはよー!」
どきっ
草名木くんの声っ!
見知らぬ男子と挨拶を交わしている。
「草名木ーよろしくな!」
「おう!」
「宿題見せてくれよな」
「学級委員は草名木に決定だな、もちろんやるんだろ?」
おおおお一気に草名木くんの周りに無数の男子が群れ上がってる!さすが人気者だな~。私もあの中に入りたい…なーんて思ってるのは私だけじゃないはず!ほかの女子たちよ!
草名木くんの存在を知ったのは高校の入学式のとき。新入生代表の言葉を読んでいた。その時はああすげー頭のいいやつなんだぐらいにしか思ってなかったの。
本格的に草名木くんにハートを奪われはじめたのは文化祭の時!
私文化祭実行委員を務めたんだけど企画書の書き方がいまいちよく分からなくてフリーズしてたら
「大丈夫?」
彼は、そう、話しかけてきたの。ここからはじまる私の恋。
「えっと…あ、分量とかよくわからなくて…」
「手伝おっか?片桐さんのクラスはなにするの?」
「きらきらジュースっていうの作るんだけど…ジュースの中にフルーツとかグミとかアイスとか色々入れ込んであと花火を付けて光らせるの!」
「斬新だね。絶対売れる!俺買いに行くよ。」
「ほんと?!嬉しい。」
「ちなみにいくらで売るつもりなの?」
「えーっと5400円ぐらいかな?」
「高!やっぱ買うのやめた」
「じゃ、じゃあ1080円で!」
「高ぇよ、まず消費税なくせ。」
「ええ~」
「それからなんだこのマカロンってのは!」
草名木くんが私の企画書を覗き込む。
「いいアイディアでしょ?」
「やめろ!入れるな!」
「ええ~」
「あとハーゲンダッツはやめとけ。それからなんでフルーツ苺しかないんだ!しかもこれ!ジュースじゃなくてお酒じゃないか!」
「リア充には最適じゃない?ふっと女の子が酔ったところに相手の男の子がキュンとくる、縮まる距離。きゃ~~~~!えっち♡」
「……俺、帰るわ。」
「え、え?!」
「生徒会の仕事もあって忙しいんだよ!じゃあな。」
さっさと教室を出ていく草名木くん。1度だけ振り返りこう言う。
「あ!企画書ちゃんと期限内に出せよ!」
「え!あたしひとりじゃ無理…え!」
3度見、いや5度見したね。
企画書いつのまにかちゃんと出来上がってたの。分量も予算もちゃんと書いてあって…
私は草名木草太に恋をした。
「パイナップル、あんま好きじゃないんだけど~…」
そうひとりごとを呟きながら顔が熱くなってきた自分を鮮明に覚えている。
その草名木くんと同じクラス!運命!いや~~同じクラスってだけでこんなに距離が近く感じるんだねぇ~きゅんきゅん。
「っはー?お前の隣かよ!だる」
突然隣から声がした。
「ええっ今なんか声が聞こえた?!幽霊かなー」
「ざっけんな!」
立田松一。去年に引き続き今年も同じクラス…何かと文句言ってくるんだ。
「またお前と同じクラスかよ!吐き気がするぜ!」
「先生に視力悪いって言って席変えてもらおうかなぁ~」
「おまえここ1番前の席だぞ。馬鹿じゃねーの?」
周りからくすくす笑いが起きる。
「もう!」
「あ」
休み時間、廊下で草名木くんとすれ違う。
「よろしくな、片桐。」
きました草名木くんのさわやかボイスーーー!そーしーてーニコッと微笑むー!神の対応ですね。
「こちらこそよろしく!」
きゃー!きゃー!きゃー!話せたっ!話しちゃった!一瞬だけど!
家に帰るとすぐさまスマホを開きツイッターLINEなどなどチェックチェック~!あ!草名木くんのアカウント発見~!鍵付きや~フォロリクポチっ!
きゃー!きゃー!きゃー!
私、草名木くんともっとお近づきになりたい!草名木くんの好み、好きなタイプ、色々知りたい!な~!
翌日から私は彼、草名木くんに猛アタックを始めた。
「く、さ、な、ぎ、くーん!」
私は草名木くんの隣の席にドカッと座る。
「ね!これから草太って呼んでもいい?」
「そっちのほうが呼び慣れてるから助かる笑」
「やった!草名木く…草太って好きな音楽何?!」
「チェリーボーイ!」
なんだそれ、知らん!
「聴いてみたい!」
「ちょっと待って…はい。」
草太からイヤホンの片方を渡される。
これって…
顔がトマトになるのを必死に抑えながら耳にはめ込む。うっわ…!草太のイヤホン!さすがイケメンな心地!
「いい曲だろ?」
「うん!かっこいい!」
うそ、ドキドキしすぎてそれどころじゃねーっつの!もう、もう、曲なんて頭の中に入ってこない。
「CD、貸してほしいな~なんて…」
「いいよ。」
あっさりOKひょっこりはん。
「明日持ってくるよ。」
まーじか~!さいっこうに嬉しいんですけど!
「おい片桐!そこおまえの席じゃないだろ!田中さん困ってるぞ!」
急に現実に引き戻される。立田の声。
「うっわっ!ごめんね!」
「ううん。大丈夫。」
慌てて席を立つ。
そして今年もやってきた。
文化祭の季節。
うちのクラスはお化け屋敷をすることになったんだ。
ただいま教室で準備中。
「調子どう~?」
草太っ!
生徒会でなかなかクラスに顔を出せない草太が来たっ!!
「草太~!見てみて!看板作った!」
私は草太に駆け寄る。
「お!いいじゃん。」
「ね!お化け屋敷いくらがいいかな?」
「無料でいいだろ。」
「ええ~」
「片桐サボってんじゃねーよ!」
ガコン。頭を叩かれる。また立田かよ。
「サボってな…」
「本番明日だぞ!このままだと終わんねーぞ!さっさと手伝えくず!」
「…」
はーーーーうざ。
文化祭当日。
「あーやっと終わった。じゃあとはよろしく頼みます~!」
私は自分のクラスの仕事を終わらすとさっさと生徒会室に向かった。草太と一緒に回りたい!最高の思い出をつくんなきゃ!自然と足が走り出す。
「片桐。何してんだよ。」
生徒会室まであと数センチのところで立田に鉢合わせしてしまった。
「何。立田には関係ないでしょ。」
立田は生徒会室の前を通せんぼした。
「どいてってば!」
「おまえ生徒会じゃないだろ。生徒会以外は入っちゃいけないんだよ。」
「まぁそんなかたいこと言わずに」
「だ…め!」
とその時ガラリと生徒会室のドアが空いて草太が出てきた。
「お、片桐。いい顔してんな。」
「え!」
しまった!ゾンビメイクのままだった!まぁいいや。
「どう?お客さんいっぱい来た?」
「うん!ちょーーーありの行列!」
「怖がってくれてる?」
「時々?驚いてくれる!」
「そっか。」
「草太は今暇?」
「暇だよ。」
「じゃあ一緒に回らない?」
「いいよ!」
やった!
「草太。私わたあめ食べたい!」
「行こうか。」
「うん!」
いや~ちょー楽しいっ!嬉しい!夢見たい、好きな人とこうやって2人で肩を並べて歩けるなんて。…デートしてるみたい。
「草太は何味にした…」
言いかけたその時、
「草太!一緒に写真撮ろ!!」「あたしも!」「次私ねー」「草太じゃん!なにしてんのー。」「草太奢って~。」
同じクラス、他クラスの女子たちが一斉にぶわっとやってきた。きゃー人気者。
「おう。」
ひとりひとりに快くツーショットに応じる草太。王子だ…
「草太くん!写真撮ろ!」
「先輩!お久しぶりです!撮りましょう!」
うわ~先輩まで!
「草太先輩!写真撮りませんか?」
「おう!」
後輩!
「草太ー!来てやったぜ!写真撮ろ。」
「楽しんで!撮ろう!」
他校の女子まで~!中学校の同級生とかかな?
さすがモテモテ…噂で中学時代100人の女子に告白されたとか聞いたことある。
「あ…」
「片桐?」
「…のその…私も写真撮っていい?」
おずおずとスマホを出す私。
「もちろん!」
インカメラにしてえっと…
手が震える。上手くスマホが持てない。両手のほうがいいかな。でもやりにくい…
「貸して!」
「え!」
草太が私の手から素早くスマホを取る。
「はい!チーズバーガー!」
カシャッ
「ほら。」
あっという間に撮れてしまった。
「あ、りがと…」
恥ずかしくて顔をまともにあげられない。
「片桐は自撮りとか慣れてるんだと思ってた。意外と苦手?」
「…うるさい!草太、背が高すぎて位置合わせるの大変だっつーの!」
「わりぃわりぃ。片桐チビだもんな。」
「は?!黙れ。」
「ねぇ草太!私たちとも一緒にまわろうよ!」
1人の女子が言う。
「おお、いいぜ。」
せっかくの二人っきりが…まぁいいか。
「ね!みんなで写真撮ろうよ!」
「いいね~!」
「片桐さん撮って!」
女子にスマホを渡される。わ、わ、わ
「と、撮ります!はい、チーズバーガー…わっ撮れたかな??」
む、むず…
「ちょ、片桐さん撮るの下手~」
女子たちがくすくす笑う。
「音羽ちゃ~ん」
「ごめ~ん」
「いいよ私撮る!はいみんなこっち向いて!」
何枚か撮ったあと1人の女子が言った。
「音羽ちゃんって話しにくい子だと思ってた。」
「え!」
「めっちゃきゃぴきゃぴしてるからさ、ちょっと壁を感じるって言うか…」
「私たちとは合わないと思ってた」
ほかの女子たちも口々に言う。
「でもそんなこともなさそう!」
「うん!普通に普通そう!」
「ね!音羽ちゃんLINE追加してもいい?クラスLINE入ってるよね??」
「うん!」
「ところで音羽ちゃんって立田とどういう関係なの?」
「え?」
立田?
「何も関係持ってないよ。」
「めっちゃ仲良くない?」
「良くない。」
「でも立田って絶対音羽ちゃんのこと好きだよね。」
「わかる~!超かまちょじゃん。」
「それな!」
「私立田に嫌われてるから…笑」
「文化祭を機に付き合っちゃえ!」
「告白されたりして!」
きゃーきゃー盛り上がっちゃってんの。
立田か~。私が好きなのは草太だな~…
そして時は経ちバレンタインデーになった
私は前日徹夜して作ったチョコを学校に持ってきた。
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