32 / 51
第32話 指と指を絡めあう、恋人つなぎ
しおりを挟む
「けど、メルアだってその服、とてもに合ってると思うよ。メルアの明るくて、繊細な所がよく表れていて素敵な服だと思う」
「本当。信一君。お世辞で言ってるんじゃないよね?」
メルアは恥ずかしそうに聞いてくる。ここは──、本当のことを言おう!
「う、うん。とても素敵だよ。かわいくて素晴らしいと思う!」
ど直球のストレート発言。すると彼女は顔を真っ赤にしてしまい。
「そうゆーこと、平然と言う?? もう!」
そう言ってむきなって言葉を返したのだ。ほめたはずなのに、何か地雷にでも触れたのかな?
俺、地雷でもふんじゃったのかな?
メルアは、顔を真っ赤にしたまま目をそらす。ど、どうしようか──。と、とりあえず次に行こう。
「じゃあ、次行こうか」
そして俺はスッと手を差し出す。すると、メルアは驚いて1歩退いてしまう。
「え──、えっっっ?? 手、繋いじゃうの?」
なんで慌てているんだ、俺、また地雷踏んじゃったのか!?あわてて「ごめん」といって手を引こうとすると、メルアは目をつぶりパッと手を握ってきた。
「もう、握ればいいんでしょ!」
恥ずかしそうに、顔は真っ赤。そしてお互い恥ずかしさを抱えながら目が合ってしまう。
「じゃあ、行こうか」
「う、うん……」
いつもは明るくて活発的な彼女が、俺を見るなりもじもじと黙りこくってしまう。
そして手をつなぎながら街を歩き始める。
それから、歩き疲れたせいか、公園にたどり着き。木のベンチにちょこんと座る。
ぎゅっとメルアの手を握る。ほんのりと冷たくて、繊細でか細い手。
柔らかくて、ずっと握っていたい。そんな気分になる。
すると、周囲からひそひそと、俺を見るなり話してくるのだ。
「あれ、あの人かっこよくない。新しく来た人?」
「違うよ。信一君だよえれ、この前魔王軍を追い払っていたって噂の。結構イケメンだよね」
「あーあれ、確かに面影ある。前見たときはさえない感じだったけど、こんなにカッコイイ人だったんだ!」
いやおや、買いかぶりすぎだって。しかしメルアはその言葉にどこか不満なようで──。
「当たり前だよ! 私はずっと前から分かってたんだよ。私が信一君の魅力を再発見したのは私なんだからね!」
どこか不満そうに顔を膨らませている。
すると、さっきまで噂していた女の子が大きく手を振って叫んでくる。
「信一君。その姿、めっちゃイケメンだよぉ! 私と付き合ってみない?」
追い待て、メルアの目の前で、そんな言葉はやめてくれ。どう返せばいいんだよ……。
とりあえず、相手のことも立てて、こんな感じで返せばいいのだろうか。
「わ、わかった。考えておくよ」
「やりぃ! その時は、いつでもよろしくね」
その女の子はノリノリでこの場を去っていく。そして、後方から感じる熱い視線。
振り返ると、メルアがジト目で俺を見つめているのだ。
「信一君。意外とモテモテで積極的なんだねぇ。このすけこまし君」
メルアのにやりとした表情。ち、違う、あれはそんなんじゃなくて。
「ご、ごめん。そんなつもりなんじゃなくて、ほら、ちゃんと相手を立てないといけないし。落ち込ませたくないし。それに──」
「それに?」
「あそこまで褒めてくれたのは初めてだから。本当に嬉しっかった」
そんな言葉にメルアはほっと溜息をつき、俺に接近してくる。
そして柔らかい微笑を浮かべると俺に話しかけてきた。
「ま、あんなさえない外見じゃそうなるよね」
だ、だよな……。
「けど、信一君。ちゃんとコーディネートすればかっこよくなったじゃん。自信もちなよ自身」
「あ、ありがとう。確かに自信になった。ただ……、ほら、俺今までかっこいいとかイケメンとか言われたことなくて。それでいきなり見知らぬ人からかっこいいとか言われて、ちょっとびっくりしているんだ」
本当に生まれて初めてだったんだ。あそこまでかっこいいとか言われるのは。お世辞じゃないかとか、裏があるんじゃないかとか思ったり、どうしても考えてしまうんだよ。
俺がそんな暗いことを口にしても、メルアは動じない。ほっと一息ついて今度は俺の隣に寄ってくる。
肩が当たるくらいの近さ。
そしてにっこりと笑った後──。
「でも私は。信一君の事かっこいいし、好きだと思ってるよもちなよ。だから、こうして──」
そう言うと、メルアは俺の右手をぎゅっと握ってくる。それもただ手を握ってきたわけではない。
指と指を絡めあう。通称恋人つなぎだ。
彼女の冷たく、か細い滑らかな指の感触を手全体に感じる。
とても気持ちいい、永遠に握っていたいと思えるような感触。
メルアもその感触を感じながら、目をつぶり、微笑を浮かべている。何か考えているのだろうか。
そうメルアをじっと見ていると、メルアが目を上げ、見つめあう形になってしまう。俺もメルアも顔を赤くさせ、はっと目をそらす。──気まずい。
「信一君。ありがとうね。わたしを救ってくれて──」
「みんなから裏切り者扱いされた時、本当に怖かったんだ。このまま、私が何を言っても、誰も信じてくれなくなっちゃうんじゃないかって。私の友達が、みんないなくなっちゃって、この村からいられなくなっちゃうんじゃないかなって。それが本当に不安だったの」
「そ、そうだったのか──」
「本当。信一君。お世辞で言ってるんじゃないよね?」
メルアは恥ずかしそうに聞いてくる。ここは──、本当のことを言おう!
「う、うん。とても素敵だよ。かわいくて素晴らしいと思う!」
ど直球のストレート発言。すると彼女は顔を真っ赤にしてしまい。
「そうゆーこと、平然と言う?? もう!」
そう言ってむきなって言葉を返したのだ。ほめたはずなのに、何か地雷にでも触れたのかな?
俺、地雷でもふんじゃったのかな?
メルアは、顔を真っ赤にしたまま目をそらす。ど、どうしようか──。と、とりあえず次に行こう。
「じゃあ、次行こうか」
そして俺はスッと手を差し出す。すると、メルアは驚いて1歩退いてしまう。
「え──、えっっっ?? 手、繋いじゃうの?」
なんで慌てているんだ、俺、また地雷踏んじゃったのか!?あわてて「ごめん」といって手を引こうとすると、メルアは目をつぶりパッと手を握ってきた。
「もう、握ればいいんでしょ!」
恥ずかしそうに、顔は真っ赤。そしてお互い恥ずかしさを抱えながら目が合ってしまう。
「じゃあ、行こうか」
「う、うん……」
いつもは明るくて活発的な彼女が、俺を見るなりもじもじと黙りこくってしまう。
そして手をつなぎながら街を歩き始める。
それから、歩き疲れたせいか、公園にたどり着き。木のベンチにちょこんと座る。
ぎゅっとメルアの手を握る。ほんのりと冷たくて、繊細でか細い手。
柔らかくて、ずっと握っていたい。そんな気分になる。
すると、周囲からひそひそと、俺を見るなり話してくるのだ。
「あれ、あの人かっこよくない。新しく来た人?」
「違うよ。信一君だよえれ、この前魔王軍を追い払っていたって噂の。結構イケメンだよね」
「あーあれ、確かに面影ある。前見たときはさえない感じだったけど、こんなにカッコイイ人だったんだ!」
いやおや、買いかぶりすぎだって。しかしメルアはその言葉にどこか不満なようで──。
「当たり前だよ! 私はずっと前から分かってたんだよ。私が信一君の魅力を再発見したのは私なんだからね!」
どこか不満そうに顔を膨らませている。
すると、さっきまで噂していた女の子が大きく手を振って叫んでくる。
「信一君。その姿、めっちゃイケメンだよぉ! 私と付き合ってみない?」
追い待て、メルアの目の前で、そんな言葉はやめてくれ。どう返せばいいんだよ……。
とりあえず、相手のことも立てて、こんな感じで返せばいいのだろうか。
「わ、わかった。考えておくよ」
「やりぃ! その時は、いつでもよろしくね」
その女の子はノリノリでこの場を去っていく。そして、後方から感じる熱い視線。
振り返ると、メルアがジト目で俺を見つめているのだ。
「信一君。意外とモテモテで積極的なんだねぇ。このすけこまし君」
メルアのにやりとした表情。ち、違う、あれはそんなんじゃなくて。
「ご、ごめん。そんなつもりなんじゃなくて、ほら、ちゃんと相手を立てないといけないし。落ち込ませたくないし。それに──」
「それに?」
「あそこまで褒めてくれたのは初めてだから。本当に嬉しっかった」
そんな言葉にメルアはほっと溜息をつき、俺に接近してくる。
そして柔らかい微笑を浮かべると俺に話しかけてきた。
「ま、あんなさえない外見じゃそうなるよね」
だ、だよな……。
「けど、信一君。ちゃんとコーディネートすればかっこよくなったじゃん。自信もちなよ自身」
「あ、ありがとう。確かに自信になった。ただ……、ほら、俺今までかっこいいとかイケメンとか言われたことなくて。それでいきなり見知らぬ人からかっこいいとか言われて、ちょっとびっくりしているんだ」
本当に生まれて初めてだったんだ。あそこまでかっこいいとか言われるのは。お世辞じゃないかとか、裏があるんじゃないかとか思ったり、どうしても考えてしまうんだよ。
俺がそんな暗いことを口にしても、メルアは動じない。ほっと一息ついて今度は俺の隣に寄ってくる。
肩が当たるくらいの近さ。
そしてにっこりと笑った後──。
「でも私は。信一君の事かっこいいし、好きだと思ってるよもちなよ。だから、こうして──」
そう言うと、メルアは俺の右手をぎゅっと握ってくる。それもただ手を握ってきたわけではない。
指と指を絡めあう。通称恋人つなぎだ。
彼女の冷たく、か細い滑らかな指の感触を手全体に感じる。
とても気持ちいい、永遠に握っていたいと思えるような感触。
メルアもその感触を感じながら、目をつぶり、微笑を浮かべている。何か考えているのだろうか。
そうメルアをじっと見ていると、メルアが目を上げ、見つめあう形になってしまう。俺もメルアも顔を赤くさせ、はっと目をそらす。──気まずい。
「信一君。ありがとうね。わたしを救ってくれて──」
「みんなから裏切り者扱いされた時、本当に怖かったんだ。このまま、私が何を言っても、誰も信じてくれなくなっちゃうんじゃないかって。私の友達が、みんないなくなっちゃって、この村からいられなくなっちゃうんじゃないかなって。それが本当に不安だったの」
「そ、そうだったのか──」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
50代無職、エルフに転生で異世界ざわつく
かわさきはっく
ファンタジー
就職氷河期を生き抜き、数々の職を転々とした末に無職となった50代の俺。
ある日、病で倒れ、気づけば異世界のエルフの賢者に転生していた!?
俺が転生したのは、高位エルフの秘術の失敗によって魂が取り込まれた賢者の肉体。
第二の人生をやり直そうと思ったのも束の間、俺の周囲は大騒ぎだ。
「導き手の復活か!?」「賢者を語る偽物か!?」
信仰派と保守派が入り乱れ、エルフの社会はざわつき始める。
賢者の力を示すため、次々と課される困難な試練。
様々な事件に巻き込まれながらも、俺は異世界で無双する!
異世界ざわつき転生譚、ここに開幕!
※話数は多いですが、一話ごとのボリュームは少なめです。
※「小説家になろう」「カクヨム」「Caita」にも掲載しています。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
転生調理令嬢は諦めることを知らない!
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる