暴力系幼馴染と異世界に転生したら、幼馴染が魔王軍に裏切るとか言ったから、そのクソみたいな面を思いっきりぶん殴った

静内燕

文字の大きさ
42 / 51
ネフィリムフィア編

第42話 ルナとの楽しい1日

しおりを挟む

 そして朝、朝食をとると、すぐに俺たちは外に出る。




 噴水がある、街の中心の公園。
 人通りが多く、にぎやかな場所。

「ルナちゃん。ここ、いい雰囲気だね!」

 その光景に思わずメルアが驚く。昨日までの人通りが多くてにぎやかな雰囲気とは違い、閑静で、人通りが少ない街なみ。

 人によって優劣はあるが、こっちの方が落ち着いていて過ごしやすい。

「なんか、物静かだね」

「うん、この辺りはね、人通りがそれほどないからあんまりごみごみしていなくてお気に入りの場所なの」

 噴水のベンチにちょこんと座っている彼女。

 そしてその美しい姿に俺たちは思わず見とれてしまう。

 まるでお姫様のような、落ち着いた印象の服。

 白を基調とした少しゆるゆるなワンピースで、色白で、おっとりとした印象のルナにはとてもよく似合っていた。

 派手ではないが、彼女の魅力がとても引き立っている。

「じゃあ、今日は1日、たっぷりと遊ぼうか!」

「う、うん!」

 飛び跳ねて喜ぶルナ。その姿にメルアが半仕掛ける。

「なんか、さっきより明るいね、ルナちゃん。こうやってみんなで遊ぶの、楽しみ?」

「えへへ、メルアちゃん。実は、こうして友達と遊ぶのって久しぶりで、緊張しドキドキしてるの」

 おっとりと、控えめな笑みを浮かべながら、ルナは立ち上がり俺の隣へ。
 読んでいた本を、肩にかけていたカバンの中にしまう。
 今気づいたのだが、バッグ自身もいろいろな飾りが飾られていて、どこか大人っぽい。

 彼女はおっとりぽわぽわで、幼い顔つきだから、どこかギャップを感じた。
 それはメルアも強く感じていたみたいで、興味しんしんそうにルナに詰め寄る。

「そういえばルナちゃん。その服どこで手に入れているの? すっごいルナちゃんにぴったりなんだけど~~」

「ぴったり? 本当に──、お世辞じゃなくて?」

「すっごいよ。大人っぽくて、綺麗でかわいいよ!」

「あ、ありがとう」

 ニヤニヤと喜んでいるのがわかる。
 俺もなんか言葉をかけた方がいいのかな? うーん、わからん。

「じゃあ、まずはお気に入り服があるんだけど、一緒に行かない?」

「いいよ~~。私も行ってみたい。大都会だから、いろいろな服とかありそう!」

 メルアが笑顔で首を縦に振る。またいろいろ試着とかさせられるのか。

「また服屋かよ。信一といった時以来だな。どうせならうまいものとか食いたかったのに」

「まあ、慌てなくても、腹が減ったら行くだろ」

「そうだな」

 ダルクは、ため息をつきながらも納得してくれた。俺は、こういうことは文香のデートという名のパシリで慣れている。

 大体何人もの人で行動するとき、全員が満足する場所なんてない。どこかで妥協しなくてはならない。今日の目的は、ルナと親睦を深めること、だからまずは、ルナが行きたいところに行かせよう。


 そして俺たちはルナに先導され、目的の場所へ。


 歩いて数分ほどすると、その場所はあった。

「ここだよ~~」

「おおっ。雰囲気出てるねぇ~~」

 その店を、窓の外からのぞき込む。中には店の中に、かわいいファンシー系の小道具が、所狭しと並んでいて、メルヘンな雰囲気をしていた。

「楽しそう。入ってみよー」

「うんうん」

 ノリノリな気分でメルアがドアを開けた瞬間、チリンチリンという音が鳴る。
 細かいところまで、いい雰囲気を醸し出している。

 これは期待が持てそうだ。

 店にはいろいろな洋服が並んでいる。見たことがない文字や、美しい女神さまの絵が入っている。
 流石は王都、俺が見ても個性的でセンスがいい服が並んでいるのがわかる。

 俺たちがその服に見とれていると、店の奥から店主らしきお姉さんが出て来た。

「この人が店主さんよ。紹介するね、友達のメルアちゃん」

「友達ですか。それはよかったです。ゆっくり見ていってくださいね」

 上品そうなお姉さんをしり目に、2人は意気揚々と売り物の服を見ながら会話を始める。

 ルナが明るい表情で、手に取ったのは、お嬢様のような、上品な服。フリフリがついていて、とてもかわいい服だ。

「私、いっつもこういう服着ているの!」

「ルナちゃん、落ち着いた服とか、似合いそうだもんね」

 メルアと一緒にいろいろな服を試着してりしている。やっぱり女の子同士だとこういうの楽しそうだな。

 楽しい服選びは1時間にも及んだ。互いにいろんな服を試着してこっちがかわいい。これが似合うと、ずっと話していた。

 その姿を見て、心の底から楽しそうだと感じた。昨日見た、どこかくらい、自分の運命に対する「あきらめ」が存在しているルナとは違う。
 これが、本当の彼女なのだと──。

 俺とダルクはいろいろと小物類を見ていた。2人の間に入れるような気が、しなかったからだ。

「ふー、買った買った~~。すごいいい店だね、さっすが王都は違うね」

「へぇー、メルアちゃんの故郷では、そういう店ってないの?」

「私の住んでいる村って、小さな村でね。こういうおしゃれな店ってあんまりないんだよー」

「そうなんだ。私、生まれてこの街から出たことないの。ちょっと行ってみたいかもー」

 う~ん。会話に入っていけない。完全に2人の世界になってしまっている。ダルクもそれを察していて、俺の隣でただ街並みを見ていた。

「なんか、入りずれーな」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...