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ウェレン王国編
ハリーゼル、極寒の水中へ
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聖都の東側、本来であれば人々でにぎわう繁華街となっている場所。
そこで現れた魔物たちとの交戦が、すでに始まっていた。
逃げ惑う人々たちは何とか戦闘から逃れようと、荷物を持って避難している。
大きな広場などの避難場所の周りを兵士たちが取り囲み、傷つけさせないように護衛。
そしてその外では冒険者たちと大量の魔物たちが死闘を繰り広げていた。
真黒な外見に醜い姿の獣。
猛獣の様な外見をしていたり、ボロボロの鎧をまとった騎士の様な姿をしていたりしている。
「もう、何よこの数。キリがないわ」
「そうフィッシュ。こんな数の魔物、見たことがないフィッシュ」
「そうだね。けど頑張ろう」
レシアとハリーセル。レディナも魔物たちとの死闘を繰り広げている。
魔物の強さはそれほどでもない。
問題は数だ。三人ともニ十体以上の魔物を倒しているが、魔物たちは一向に数は減らない。
他の冒険者達も圧倒的な数の違いに苦戦が続き、次第に傷を負い撤退するものも続出。
泥沼の戦いと化していた。
しかし、こんなことでレディナ達はひるんだりしない。
「みんな、頑張りましょう。有利に戦っているのはこっちよ」
「そうフィッシュ」
「大丈夫。敵だって無限に魔物を召喚できるわけじゃない。限界があるはず」
レシアの言う通りだ。魔物を召喚するには、どうしたって魔力がいる。
人間にしろ、亜人にしろ魔力は有限なので、召喚できる魔物には限界がある。
現に大分魔物たちは片付いてきて、残りは半分くらいといった所か──。
流石に一体一体を相手にするのは時間がかかりすぎる、そう考えたのか、一つの策にでた。
「しょうがない。このままじゃきりがないわね──」
するとレディナは突然戦うのをやめ、目をつぶって神経を集中させる。
そして数秒ほどたつとこくりとうなづいて目を開ける。
「こっちよ──ついてきて」
レディナが右を指さす。ハリーセルとレシアが不思議そうな表情になる。
「何したでフィッシュか?」
「なにがあったの?」
「手繰ったのよ。魔物たちの力の源を──」
このまま戦っても時間の無駄だと考えたレディナ。自身の術式でその魔力の根源を手繰ったのだ。
「すごいよ。今すぐ行こう」
そして三人はその場所へと駆け足で進んでいった。
レディナ達が向かったのは川沿いにある雑居ビル。そして階段を上がり、奥にあるドアを開ける。
ドンドンとドアを開けようとするが、鍵がかかっている。
「仕方ないわね……」
レディナは深呼吸をして一歩下がる。そして──。
ドォォォォォン!!
思いっきりドアを蹴っ飛ばし、強引に開ける。
そして開けた先にいたのは──。
「あんただったのね。ウボ=サトゥラ……」
人のような体系をしている。真っ黒い長身で筋肉質な体。醜く気味が悪いまだら模様の肉体。
魚のようなえらがついていて、つり上がった悪そうないかにも眼付き。
そして、さっきまでの雑魚敵とは比べ物にならない魔力を纏っている。
「ほう。我の名を知り、この場所を特定してくるとはな──。流石だと言いたい」
ウボ=サトゥラは冷静な態度で腕を組みながら言葉を返す。
「天使達が連れてきたんだと思う」
「あんたが大元ね。さあ、覚悟しなさい!!」
レディナがウボ=サトゥラをにらみつけて叫ぶ。
その身から発せられるただならぬ魔力。
ここにいる魔物の中で、最も強い存在であることがわかる。
警戒した目つきで、三人がウボ=サトゥラを見つめる。
「ほう、我を見つけ出したとは。素晴らしいと言いたい。褒めてつかわす」
「のんきなこと言ってんじゃないわよ。今すぐ戦いなさい!!」
レディナの渾身の叫び。しかし、ウボ=サトゥラはニヤニヤと笑みを浮かべたまま言葉を返す。
「フッ、なんで貴様らの場所で戦わなければならんのだ」
そう言ってウボ=サトゥラは後ずさりし、窓から外へ。
そしてそのまま、後ろにある川に飛び込んだ。
レディナや周辺で戦っていた冒険者は慌てて川のほとりまで走るが、それまでだった。
「おい、あの川誰か突っ込めないのかよ」
「いやいや無理だぞ。あんな川、入ったら死んじまうぞ」
冒険者達の人たちがざわめき始める。
当然だ。真冬の、うっすらと氷が張った川。まともな人間が入ったら数分で動けなくなり、凍死してしまうだろう。
レディナも、それを理解しているので、どうすることも出来ないでいる。悔しそうな表情。
「ウボ=サトゥラ、これじゃあ追えないわ。逃げられちゃう」
このままいけば、ウボ=サトゥラは遠いどこかへ逃げてしまうだろう。そしてどこかで人々を襲い、多数の人が犠牲になってしまうだろう。しかし、わかっていながら彼らはどうすることも出来ない。
そう、一人の人物を除けば──。
「逃がさないフィッシュ。ウボ=サトゥラは、わたしが倒すフィッシュ!!」
強気な言葉で前に出て来たのはハリーセル。確かに彼女なら水中で呼吸ができる。しかし慌ててレディナが止めようとした。
「待ってハリーセル。無茶よ!!」
「大丈夫フィッシュ。水中なら任せろフィッシュ!」
「そうじゃないわ。息ができるだけじゃだめよ。ハリーセル、戻って!」
確かに、レディナの言う通りだ。水中で呼吸が出来る。それ自体は悪くないが、それだけではウボ=サトゥラに対する有効打にはならない。
水中では陸のように動けないし、氷水のような低温ではすぐに体が動かなくなってしまう。
しかしハリーセルは全く問題にしていない。
「それも大丈夫フィッシュ。こいつは私が倒すフィッシュから、みんなは陸の敵たちを倒してほしいフィッシュ」
自信満々な表情。それを見たレディナは理解した。ハリーセルは、ウボ=サトゥラを倒せる自信を持っているのだと。
であれば、やることは一つ。それ以外にウボ=サトゥラを倒せる秘策など無いのだから。
「──こっちは任せて、信じてるわハリーセル。」
「ありがとうフィッシュ。あいつは絶対倒すフィッシュ!!」
そう強く言い放ち、ハリーセルは一人水中へと潜っていった。
そこで現れた魔物たちとの交戦が、すでに始まっていた。
逃げ惑う人々たちは何とか戦闘から逃れようと、荷物を持って避難している。
大きな広場などの避難場所の周りを兵士たちが取り囲み、傷つけさせないように護衛。
そしてその外では冒険者たちと大量の魔物たちが死闘を繰り広げていた。
真黒な外見に醜い姿の獣。
猛獣の様な外見をしていたり、ボロボロの鎧をまとった騎士の様な姿をしていたりしている。
「もう、何よこの数。キリがないわ」
「そうフィッシュ。こんな数の魔物、見たことがないフィッシュ」
「そうだね。けど頑張ろう」
レシアとハリーセル。レディナも魔物たちとの死闘を繰り広げている。
魔物の強さはそれほどでもない。
問題は数だ。三人ともニ十体以上の魔物を倒しているが、魔物たちは一向に数は減らない。
他の冒険者達も圧倒的な数の違いに苦戦が続き、次第に傷を負い撤退するものも続出。
泥沼の戦いと化していた。
しかし、こんなことでレディナ達はひるんだりしない。
「みんな、頑張りましょう。有利に戦っているのはこっちよ」
「そうフィッシュ」
「大丈夫。敵だって無限に魔物を召喚できるわけじゃない。限界があるはず」
レシアの言う通りだ。魔物を召喚するには、どうしたって魔力がいる。
人間にしろ、亜人にしろ魔力は有限なので、召喚できる魔物には限界がある。
現に大分魔物たちは片付いてきて、残りは半分くらいといった所か──。
流石に一体一体を相手にするのは時間がかかりすぎる、そう考えたのか、一つの策にでた。
「しょうがない。このままじゃきりがないわね──」
するとレディナは突然戦うのをやめ、目をつぶって神経を集中させる。
そして数秒ほどたつとこくりとうなづいて目を開ける。
「こっちよ──ついてきて」
レディナが右を指さす。ハリーセルとレシアが不思議そうな表情になる。
「何したでフィッシュか?」
「なにがあったの?」
「手繰ったのよ。魔物たちの力の源を──」
このまま戦っても時間の無駄だと考えたレディナ。自身の術式でその魔力の根源を手繰ったのだ。
「すごいよ。今すぐ行こう」
そして三人はその場所へと駆け足で進んでいった。
レディナ達が向かったのは川沿いにある雑居ビル。そして階段を上がり、奥にあるドアを開ける。
ドンドンとドアを開けようとするが、鍵がかかっている。
「仕方ないわね……」
レディナは深呼吸をして一歩下がる。そして──。
ドォォォォォン!!
思いっきりドアを蹴っ飛ばし、強引に開ける。
そして開けた先にいたのは──。
「あんただったのね。ウボ=サトゥラ……」
人のような体系をしている。真っ黒い長身で筋肉質な体。醜く気味が悪いまだら模様の肉体。
魚のようなえらがついていて、つり上がった悪そうないかにも眼付き。
そして、さっきまでの雑魚敵とは比べ物にならない魔力を纏っている。
「ほう。我の名を知り、この場所を特定してくるとはな──。流石だと言いたい」
ウボ=サトゥラは冷静な態度で腕を組みながら言葉を返す。
「天使達が連れてきたんだと思う」
「あんたが大元ね。さあ、覚悟しなさい!!」
レディナがウボ=サトゥラをにらみつけて叫ぶ。
その身から発せられるただならぬ魔力。
ここにいる魔物の中で、最も強い存在であることがわかる。
警戒した目つきで、三人がウボ=サトゥラを見つめる。
「ほう、我を見つけ出したとは。素晴らしいと言いたい。褒めてつかわす」
「のんきなこと言ってんじゃないわよ。今すぐ戦いなさい!!」
レディナの渾身の叫び。しかし、ウボ=サトゥラはニヤニヤと笑みを浮かべたまま言葉を返す。
「フッ、なんで貴様らの場所で戦わなければならんのだ」
そう言ってウボ=サトゥラは後ずさりし、窓から外へ。
そしてそのまま、後ろにある川に飛び込んだ。
レディナや周辺で戦っていた冒険者は慌てて川のほとりまで走るが、それまでだった。
「おい、あの川誰か突っ込めないのかよ」
「いやいや無理だぞ。あんな川、入ったら死んじまうぞ」
冒険者達の人たちがざわめき始める。
当然だ。真冬の、うっすらと氷が張った川。まともな人間が入ったら数分で動けなくなり、凍死してしまうだろう。
レディナも、それを理解しているので、どうすることも出来ないでいる。悔しそうな表情。
「ウボ=サトゥラ、これじゃあ追えないわ。逃げられちゃう」
このままいけば、ウボ=サトゥラは遠いどこかへ逃げてしまうだろう。そしてどこかで人々を襲い、多数の人が犠牲になってしまうだろう。しかし、わかっていながら彼らはどうすることも出来ない。
そう、一人の人物を除けば──。
「逃がさないフィッシュ。ウボ=サトゥラは、わたしが倒すフィッシュ!!」
強気な言葉で前に出て来たのはハリーセル。確かに彼女なら水中で呼吸ができる。しかし慌ててレディナが止めようとした。
「待ってハリーセル。無茶よ!!」
「大丈夫フィッシュ。水中なら任せろフィッシュ!」
「そうじゃないわ。息ができるだけじゃだめよ。ハリーセル、戻って!」
確かに、レディナの言う通りだ。水中で呼吸が出来る。それ自体は悪くないが、それだけではウボ=サトゥラに対する有効打にはならない。
水中では陸のように動けないし、氷水のような低温ではすぐに体が動かなくなってしまう。
しかしハリーセルは全く問題にしていない。
「それも大丈夫フィッシュ。こいつは私が倒すフィッシュから、みんなは陸の敵たちを倒してほしいフィッシュ」
自信満々な表情。それを見たレディナは理解した。ハリーセルは、ウボ=サトゥラを倒せる自信を持っているのだと。
であれば、やることは一つ。それ以外にウボ=サトゥラを倒せる秘策など無いのだから。
「──こっちは任せて、信じてるわハリーセル。」
「ありがとうフィッシュ。あいつは絶対倒すフィッシュ!!」
そう強く言い放ち、ハリーセルは一人水中へと潜っていった。
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