オーパーツ鑑定士の成り上がり 追放された最弱鑑定士、実は最強の魔力を持つ『超古代魔法』の鑑定士だった

静内燕

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13話 追放されたエミリ

「大丈夫じゃないっす。こんなところでぼっちすようち」

 毛耳の女の子はにへらとしたような笑みで言葉を返してきた。

「何かあったんですか? 名前は、えーと」
「あ、うちエミリって言いますエヘヘ」

 エミリと名乗る女の子は頭に手を当てながら話す。


 何でも、さっきまで所属パーティー「ウォーターエムブレム」の一員で、このダンジョンを深くまで潜っていた。しかし、罠に何度かかって順調に進めなくなり──仲間の一人が負傷して撤退せざるを得なくなってしまった。得たものは少なく、宝も鑑定したり解析する人がいなかったためリーダーのアナトリにはフラストレーションがたまっていたという。


「え~~アナトリさん。強いんですけど気分屋で上手くいかないことがあると周囲に当たり散らすんっすよ」

「たまにいますよね。うまくいかないとイライラしたす人」

「はいっす」


 そして、イライラした挙句狭いダンジョンだと大技が発揮できず役割が持てなかったエミリに当たり散らした挙句追放してしまったという。エミリは、右頬を抑えながらがっかりした表情で話始める。

「仲間に入った時は、飲み会とかに誘ってくれていい人だったんっすけど──気分屋というか」

「感情的な人なんだね」


「そうっすそうっす。今まで貢献してきたのに、ひっぱたかれて──出ていけって言われて、ひどいっす。落ち込んでるっす。普段は気さくで、いい人だったのに」

 エミリの目に、うっすらと涙が灯る。普段は仲間として扱われていたという事がさらに、エミリを悲しくさせていたのだろう。

 さて、これからなんだけど。アナトリとかいう奴に合わせるにしろ、このまま分かれるにしろダンジョンから抜け出さなくちゃいかないしな。1人ではいくら何でも危なすぎるし。


 それなら、結論は一つ──これも何かの縁なのかな。

「エミリ、これからなんだけど一緒に行動しない? ダンジョンを出るまでさ」


「確かに、一人では危ないですしね」

「いいじゃんいいじゃん! 仲間にならない?」

 アンネもエルムも嬉しそうな表情をしていた。エミリは──何かを考えているのだろうか。座りながらじっとこっちを見ている。やっぱり、まだ警戒心が解けていないのだろうか。

 どうしようかと少し考え、エミリに手を差し伸べた。

「え──」

「最初から完全に信じなくてもいい。けど、エミリのことこんなところで放っていけなくてさ。警戒しながらでもいい、ダンジョンを出るまで一緒にいてみない?」


 エミリは、何も言わないまま俺の差し出した手をじっと見ていた。そして、隣のアンネが明るい笑みでさらに語る。

「そうだよ。一緒にいてみよう。それでやっぱり一人がいいとか、別の仲間がいいとか言うなら、それでいいからさ」

「アンネの言うとおりです。一緒にいたほうが、安全ですよ」

 二人の言葉に、エミリはもじもじと何か考え始めた。そして、恐る恐るエミリは差し伸べた手を握った。


「わかったっす。よろしくっす」

「こっちこそよろしく」

 その瞬間、エミリの表情がどこか明るくなった。孤独でな亡くなったことへの安堵だろうか。

 そして、俺達はエミリと一緒に行動することとなった。ダンジョンをさらに歩き、敵を倒しながらいろいろエミリのことを聞く。

「へぇ~~エミリは風を操る魔法を使うんだ」


「そうっす。具体的に言うと、風を使った竜巻みたいな攻撃とかが得意っす。後、最低限の接近戦もできるっす。魔導士だけど、状況に応じて前線で戦うこともできるのが強みっす」

「いいじゃん、それならエミリに奇襲されても最低限対応ができるってことか」

 話によると、以前のパーティーはあらかじめ作戦を考える習慣がなかった。行き当たりばったりで個人技任せ。だから後衛にいても普通に攻撃が飛んでくる。

「攻撃をくらったらそいつらの自己責任で誰も助けてくれないっす。だから自分で何とかするしかなくて、気づいたら自分である程度対処できるようになったっす」


「それでも、接近戦も対処できるってすごいよ」

 これなら、多少後方に敵が行っても前衛は目の前の戦闘に集中できるのは長所だ。それに、状況に応じて前世や後衛の人数を変えられるのがいい。敵の数や種類によって、必要な前衛や後衛の割合は変わるからだ。
 すごい、有能な女の子じゃないか。何で追放されなきゃいけないんだ?

「エミリの実力なら、どこに行っても活躍できるとおもうよ」

「そこまでほめられると、ちょっと照れるっす」

 エミリは機嫌が良さそうににへらヘラと笑って右手を頭の後ろに置く。別に、お世辞じゃないんだけどな。

 そんなことを話していると、エルムが話に入ってくる。
「楽しい話の所失礼ですが、何か来ているみたいです」

「ああ、気配で気づいてる」

 目の前には迷宮。その奥から、魔力の気配。確実に何かが待っているのがわかる。気配を足すって、ダンジョンの中を進んで行く。


 獣が鳴くような音はだんだん多くなり──目の前にその姿があった。

「これ、熊だよね??」
「あ、うちらも遭遇したっす」

「けど、いくら何でも大きすぎない??」


 アンネが驚いて指を差す。目の前にいるのは、数頭の熊。茶色い肉体──そして野生の熊とは違い数メートルはある巨体。肉体からは魔力の気配。

 聞いたことある。死喰熊<ナイト・グリズリー>という熊だ。
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