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18話 弱点を、見つける
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「でも」
「痛みが来るのはわかってる。わかっててやってる。だから安心して戦って」
その言葉にアンネとエミリがためらいの表情を見せる。二人とも、本来は俺が傷つくのを見ていると黙っていられない優しい性格なんだなというのがわかる。
前にパーティーでは、傷ついた俺に優しくしてくれる人はエレナだけだった。心配してくれたけど、周囲からとがめられて終わりだった。だから──こんなところで終わるわけには行かない。
「このまま正面からぶつかっても被害は増えるだけです」
「ああ、弱点があればいいんだけど」
「弱点を見つけて、そこをつく」
強い敵に力で劣る敵に勝つには、それしかない。真正面からただ闇雲にぶつかっても、強い方が勝ってしまうからだ。
けど、簡単に弱点が見つからるなら苦労はしない。何度も攻撃を試行錯誤すればできるかもしれないけれど、そんなことをドラゴン相手にしてたら前線が持たない。
確か、エルムは言っていたな。
俺は、ネプラディスクを取り出した。ここに来るまでエルムと話したことを思い出す。
「これ、聞いたことあるアイテムなんですが、情報に関するアイテムだって情報にアイテムだと来たんですよ」
「そうなんだ。普通に魔力の供給装置みたいに使ってたけど」
エルムの言葉に、戦いがひと段落したら色々試してみようと思っていたけど、ここまでピンチになっているならそうも言ってはいられない。
その間にも、三人はドラゴンと戦っている。三人とも、力を合わせて対応できてはいるが、圧倒的な力の差に少しずつ押されてしまっている。あまり時間はない。早くドラゴンを解析しないと。
賭けになってしまうが、勝つにはこれしかない。
ネプラディスクに力を込めた。力を込めると、ネプラディスクが黄色く光り出す。
これでは最初のただ力を供給していたのと何も変わらない。力を込めながら、前方にいるドラゴンに視線を向ける。どう魔力を出力ればいいのか。
ドラゴンが黄色く光り始めると、その骨格のようなものが見え始めた。まるで、全身の肉体が見えているかのように。
これに、解析能力があるのがわかった。視線を向けて、少し時間が経つとその構造がわかるようになるらしい。
これで、何とかドラゴンの弱点らしきものを見つけられれば。けど、解析能力を使うと魔力の消費が激しい。おまけに時間がかかる。
俺の分までエルムに護衛を頼まないといけないし、俺をアンネとエミリに加護してもらうように頼まないといけない。あまり使いすぎは禁物かな。本当に使わないといけない時だけに限定することになりそう。
それでも、勝つには頼み込むしかない。
「ちょっとお願いがある」
そして反論される覚悟でか解析するから援護をお願いする。
自分だけ戦わないなんてことになるから何言われるかわからないと思っていたが。
「信じてるっす!! シュウ君のこと援護するっす」
「任せて! 絶対守り切って見せるから!」
「頑張ってください。任せてください」
全員賛同してくれた。一瞬予想しなかった言葉に驚いてしまったがすぐにコクリと頷いた。
「ありがとう、絶対見つけ出して見せるから!!」
そして、二人が突っ込んでいく中俺はドラゴンに視線を集中させ解析を開始。
「お願い、私たち頑張るから!!」
「わかった!」
俺だけ何もできませんでしたなんて結果に終わるわけにはいかない。みんなが必死に戦っているのに俺だけなんの成果も出せなかったなんて絶対イヤだ。
ドラゴンが、それに気付いたのか四方八方に攻撃を放ってきた。
エルムが障壁を放つが、完全には防ぎきれず何発か攻撃を喰らってしまう。
俺は剣を地面にさし、それを支えにしてこらえる。
これほど長く、大きなダメージ、今までに受けたことがない。
汗が頬を伝う。体の内部に刃物が回っているかのような痛み。けど、折れるわけには行かない。
「す。私が、何とか打ち抜きます!!」
強気に言ったのは、エルム。さっきから護衛の術式を多用して、疲労の色が見えている。
けれど、表情に弱気は見せていない。
エルムも、俺と同じなのだろう。
俺は痛いだけだけど、前線の二人は傷を負ったらそのまま負傷につながってしまう。
そしたら、エルムにまで攻撃が来てパーティーは崩壊も同然。絶対に、二人を守らないと。
注意を俺に引き付ける。ドラゴンは俺の方を向き、炎のブレスを吐いてきた。
俺と、隣にいたエルムが同時に障壁を張る。
まともに戦ったら圧倒的な威力の差に一瞬で勝負がつきそう。それなら──このスキルしかない。
時間をかけて、ドラゴンを解析していくだけ。
俺が魔力を込めると、少しずつドラゴンが黄色くなっていく。だんだん魔力が強くなっていくのがわかるけど、魔力はあまりにも複雑で、超古代魔術の知識をもってしても完全な解析には時間がかかりそう。解析が終わって、ドラゴンの体がわかるまで二人が持つだろうか。
──絶対見つける。ドラゴンの弱点を。
「シュウ君、攻撃が来る!」
アンネが叫びながら、ドラゴンのブレスを剣で受け止めた。だが、その衝撃で彼女の身体が後ろに吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。
「アンネ!」
「痛みが来るのはわかってる。わかっててやってる。だから安心して戦って」
その言葉にアンネとエミリがためらいの表情を見せる。二人とも、本来は俺が傷つくのを見ていると黙っていられない優しい性格なんだなというのがわかる。
前にパーティーでは、傷ついた俺に優しくしてくれる人はエレナだけだった。心配してくれたけど、周囲からとがめられて終わりだった。だから──こんなところで終わるわけには行かない。
「このまま正面からぶつかっても被害は増えるだけです」
「ああ、弱点があればいいんだけど」
「弱点を見つけて、そこをつく」
強い敵に力で劣る敵に勝つには、それしかない。真正面からただ闇雲にぶつかっても、強い方が勝ってしまうからだ。
けど、簡単に弱点が見つからるなら苦労はしない。何度も攻撃を試行錯誤すればできるかもしれないけれど、そんなことをドラゴン相手にしてたら前線が持たない。
確か、エルムは言っていたな。
俺は、ネプラディスクを取り出した。ここに来るまでエルムと話したことを思い出す。
「これ、聞いたことあるアイテムなんですが、情報に関するアイテムだって情報にアイテムだと来たんですよ」
「そうなんだ。普通に魔力の供給装置みたいに使ってたけど」
エルムの言葉に、戦いがひと段落したら色々試してみようと思っていたけど、ここまでピンチになっているならそうも言ってはいられない。
その間にも、三人はドラゴンと戦っている。三人とも、力を合わせて対応できてはいるが、圧倒的な力の差に少しずつ押されてしまっている。あまり時間はない。早くドラゴンを解析しないと。
賭けになってしまうが、勝つにはこれしかない。
ネプラディスクに力を込めた。力を込めると、ネプラディスクが黄色く光り出す。
これでは最初のただ力を供給していたのと何も変わらない。力を込めながら、前方にいるドラゴンに視線を向ける。どう魔力を出力ればいいのか。
ドラゴンが黄色く光り始めると、その骨格のようなものが見え始めた。まるで、全身の肉体が見えているかのように。
これに、解析能力があるのがわかった。視線を向けて、少し時間が経つとその構造がわかるようになるらしい。
これで、何とかドラゴンの弱点らしきものを見つけられれば。けど、解析能力を使うと魔力の消費が激しい。おまけに時間がかかる。
俺の分までエルムに護衛を頼まないといけないし、俺をアンネとエミリに加護してもらうように頼まないといけない。あまり使いすぎは禁物かな。本当に使わないといけない時だけに限定することになりそう。
それでも、勝つには頼み込むしかない。
「ちょっとお願いがある」
そして反論される覚悟でか解析するから援護をお願いする。
自分だけ戦わないなんてことになるから何言われるかわからないと思っていたが。
「信じてるっす!! シュウ君のこと援護するっす」
「任せて! 絶対守り切って見せるから!」
「頑張ってください。任せてください」
全員賛同してくれた。一瞬予想しなかった言葉に驚いてしまったがすぐにコクリと頷いた。
「ありがとう、絶対見つけ出して見せるから!!」
そして、二人が突っ込んでいく中俺はドラゴンに視線を集中させ解析を開始。
「お願い、私たち頑張るから!!」
「わかった!」
俺だけ何もできませんでしたなんて結果に終わるわけにはいかない。みんなが必死に戦っているのに俺だけなんの成果も出せなかったなんて絶対イヤだ。
ドラゴンが、それに気付いたのか四方八方に攻撃を放ってきた。
エルムが障壁を放つが、完全には防ぎきれず何発か攻撃を喰らってしまう。
俺は剣を地面にさし、それを支えにしてこらえる。
これほど長く、大きなダメージ、今までに受けたことがない。
汗が頬を伝う。体の内部に刃物が回っているかのような痛み。けど、折れるわけには行かない。
「す。私が、何とか打ち抜きます!!」
強気に言ったのは、エルム。さっきから護衛の術式を多用して、疲労の色が見えている。
けれど、表情に弱気は見せていない。
エルムも、俺と同じなのだろう。
俺は痛いだけだけど、前線の二人は傷を負ったらそのまま負傷につながってしまう。
そしたら、エルムにまで攻撃が来てパーティーは崩壊も同然。絶対に、二人を守らないと。
注意を俺に引き付ける。ドラゴンは俺の方を向き、炎のブレスを吐いてきた。
俺と、隣にいたエルムが同時に障壁を張る。
まともに戦ったら圧倒的な威力の差に一瞬で勝負がつきそう。それなら──このスキルしかない。
時間をかけて、ドラゴンを解析していくだけ。
俺が魔力を込めると、少しずつドラゴンが黄色くなっていく。だんだん魔力が強くなっていくのがわかるけど、魔力はあまりにも複雑で、超古代魔術の知識をもってしても完全な解析には時間がかかりそう。解析が終わって、ドラゴンの体がわかるまで二人が持つだろうか。
──絶対見つける。ドラゴンの弱点を。
「シュウ君、攻撃が来る!」
アンネが叫びながら、ドラゴンのブレスを剣で受け止めた。だが、その衝撃で彼女の身体が後ろに吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。
「アンネ!」
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