オーパーツ鑑定士の成り上がり 追放された最弱鑑定士、実は最強の魔力を持つ『超古代魔法』の鑑定士だった

静内燕

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38話 因縁の対決

「デュナミスの与える力。それは望むものにそれをかなえる力があるとされています。 しかし、逆に言えば力を願うものの心が闇に染まってしまっていれば、その闇が彼らの精神を飲み込み、精神をのっとってしまうのです」

「確実に、精神に飲み込まれていますね」

 エルムの言葉通りと見て間違いなさそうだ。4人からは、邪悪な力の気配を強く感じる。
 それだけじゃない、こっちを敵視している目つき。

 説得しても、応じてはくれなさそう。それでも、叫ばないわけには行かない。追放されたとはいえ、ずっと戦って仲間だったのだから。

「待てグラム、正気に戻れ」

「うるっせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 俺の言葉を遮るように、グラムが怒鳴りつけた。俺の話など、絶対に聞かないと言わんばかりだ。

「俺達が、どんな屈辱を味わったと思っている!!」

「そうよ! ランクも落ちて、周囲からも白い目で見られて」

「俺達がギルドに入るたびに、みんながクスクス笑いやがる!」

 グラム、セリア、ガインが必死になって語り掛けてくる。どうやら、本当らしい。
 けど──。

「それなら、また強くなって、堂々と周囲を見返せばいいじゃない!!」


「そうっす! 誰だって、最初からうまくいくようになったわけじゃないっす!」

「そうです。チャンスは必ずあります、諦めずに、戦い続けていれば、いつかチャンスは必ずありますから」

 エルムもアンネも、エミリも、三人に言葉を贈る。確かに、俺もそうだったけど三人だって、最初っから上手く行っていたわけじゃない。何度か昔のことを聞いたから知ってる。

 何度も心配したり、うまくいかなくても強くなり続けてここにいる。


「こんなことしなくても、努力して強くなって──」

「きれいごと言ってんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

「そうだ! お前なんかに、俺達の気持ちがわかってたまるかよ!!」


 俺の言葉を遮るように、二人が叫ぶ。それだけじゃない、セイルもだ。

「そうよ。このまま屈辱の日を過ごすなんてあってはいけないわ!!」

「俺達は、こんなところで終わるわけには行かねぇんだ!」

 セイルとガインも、同じように叫ぶ。エレナは──大きく深呼吸をしながら何かささやいている。

「これしかないんだ。これしか、私たちには、これしか」

 全員の言葉を聞いて理解した。こいつらなりに、精神的に追い込まれて、判断して決断したのだろう。

「そ、そんな事言わないでよ。こんな事し──」


 説得しようとしたアンネを、止めた。

「シュウ君、何で──」

「恐らく、止めたところでこいつらは止まらない」

「そうだ。お前なんかの説得ごときで、止まるかよぉ!」

「止めたいなら、力づくで止めてみなさい!!」

 ずっとこいつらと一緒にいた俺だからわかる。こいつら三人の目は、本物だ。心の底から俺達を憎んでいて、その憎悪を理由に俺たちを倒そうとしている。

 どんな理由であれ、心の底から決断した強さ。それを、言葉で止めることなんてできない。
 それを止めるただ一つの方法は──正面から戦って、勝つこと。

「分かった。戦おう。みんな、準備はいい?」

「本当に、戦うの?」

「多分、それ以外方法はないっす」

 戸惑うアンネに、覚悟を決めて戦う構えを取るエミリ。エミリも、それについては分かっているようだ。当然だ、理由はどうあれリスクをかけてまで自分たちを強くする力を手にしたのだから。

 こいつらを止める。それが、かつて仲間だった俺がこいつらにやるべきことだ。

「という事で、その勝負。受けよう」

「当然だ。てめえなんかの言葉で、今更止まるわけがないだろうがよぉぉ!!」

「全員、一泡吹かせてやるよ。俺達を笑って、蔑んできたやつらをなぁ」

「まずはてめぇからだ。シュレーダー! 俺達が受けた屈辱を、倍以上にして晴らさせてやる! 覚悟しろ」

「相手をします。そんな力では、私たちに勝てないという事を教えてあげましょう」


 そして、俺たちの戦いが始まった。勢い良く突っ込んできたグラムとガインに、アンネとエミリが対応。俺は、2人に魔力を送って、エルムが援護。

 あちらはセイルとエレナが、後方から援護してくる。昔と、戦い方自体は変わっていない。多分、誰も変えようとしないのだろう。

 手の内を知っているなら、何とか対応できそう。
 タイミングも、バラバラ。恐らく、作戦なんて存在せず各々が思い思いに行動しているのだろう。

 セイルとエレナがそれぞれ攻撃を放つ、俺とエルムが障壁を放ち攻撃は通らない。

 エミリとアンネに魔力を送り、エミリはグラム。アンネがガインと交戦。


「強──」

「パワー、えげつないっす」

 俺とアンネも、その力を魔力から知る。
 強さは、予想以上だった。

「腕が、ちぎれそうっす」

「こんな強いパワー、初めて」


 流石のアンネもエミリも、力の強さに苦戦している。デュナミスから受け取った力を、フルに生かして戦っているのがわかる。

「ちょっと、こんなに力が強いの?」

「やばいっす、このままじゃ押し切られちゃうっす」

 猪のように、力任せ、感情任せに突っ込んで来るだけの攻撃。
 それでも、差があり過ぎるとこっちも防御に徹するのに精一杯になってしまう。

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