オーパーツ鑑定士の成り上がり 追放された最弱鑑定士、実は最強の魔力を持つ『超古代魔法』の鑑定士だった

静内燕

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39話 強くても、負けない

 俺もエルムも、精一杯の魔力で2人を援護。

「小癪な。とっととくたばりやがれこの野郎」

「あんたたちのせいで、こっちがどれだけひどい目に逢ってると思ってるのよ!」

 理由はどうあれ、俺達をどんなことをしても倒そうという信念を感じる。それなら、俺達もその強い想いに答えなければ。

 こいつらと、正面から戦って倒していくという方法で。

「来い、俺を追放したことを心の底から後悔させてやる」
「ふっ、お前こそそんなへらす口を叩いたことを、後悔させてやる」

 周囲に視線を送る。三人とも、強気な表情。

「行こう、勝つのは私たちなんだから」

「そうっす。うちらは、負けないっす」

「はい。たとえ相手が強くても、負けるわけには行きません」


 そうだ、三人は相手が強くても逃げ出そうともしない。俺が怯えてどうする。
 戦うんだ。

「行くぜ、これがお前たちの最後だぁ!」

 グラムたちが、全力でこっちに向かってきた。再び、コンビネーション無視の力づくの攻撃。
 こう来るのはわかっていた。

 それでも、遺跡から受け取ったオーパーツを使う。

 水晶髑髏を握り、三人にパワーを送り支える。だが──三人の表情を見れば三人がどんな状況下はわかる。

「おいおい。防戦一方じゃねけか。口だけかよ」

「そんなことないっす。絶対、負けないっす」


「けっ、すぐに叩き折ってやるよ。てめえらなんかな」

「そんなこと無いもん。絶対、負けないんだから」


 ネプラディスクに力を込めた。力を込めると、ネプラディスクが黄色く光り出す。
 2つ同時というのは初めてで、ある意味賭けに近い。供給する側の魔力容量が弱いと、肉体にダメージがいってしまう。

 三人は鍛錬も積んでいるし、それくらいしても問題ないが──強くし過ぎないように調節しよう。

 さっきよりはグラムたちに対抗できるようになったものの、やはり押され気味に。

「どうしたの? これだけ?」

「そんなことは、ありません」

 エルムもかなり、苦しそうな表情をしている。あまりの威力の差に、対応しきれないのがわかる。これでも足りないか。
 魔力の出力をさらにあげる。これ以上は苦しいけど、出し惜しみをして勝負を決められるわけには行かない。

 握っている拳から汗がにじみ出る。倒れるかもしれないけど、これくらいしないと三人が満たない。特にアンネとエミリはずっと体を張って前線で戦っている。

 なのに、俺がこんな所にいて──二人に何もできないなんてわけには行かない。



「これで決める・漆黒の力・我が憎しみの雷たぎらせ!黒き怒濤となりてこの世界を蹂躙せよ!」

 灰色の光を纏った雷が、俺達の方へ向かってくる。俺とエルムが障壁を慌てて貼るが、それは一瞬で破壊される。

 ドォォォォォォォォォォォォォン!!


 多少威力は軽減されたものの防ぎきることはできなかった。全員大きく吹き飛んでしまう。追撃を防ぐため、何とか立ち上がる俺たち、そして視線の先には勢いづくグラムたち。

「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。あと一息だぁ!」

「最高じゃねぇか、俺達」

「あと一息よ。こいつらに一泡吹かせてやるまで」

「もう少し、もう少し」

 ここで追撃せず、自慢げに語ってたからよかったものの、ここで本気で殺そうとしてたらヤバかった。

「さあ、地獄へ送る時間だ。覚悟しておけ!」

「次で、勝負を決めるわ」

 四人が、武器をもってこっちを向く。本気で、俺達を倒すつもりだ。すぐに倒れこんでいた仲間たちに視線を向ける。表情を見て、気付く。
 みんなの表情に、曇りも迷いもなかった。

「負けるわけには行かないっす。勝つのは、私たちっす」

「だよね。私──みんなと一緒にいることが出来て、本当に楽しかったもん。みんなと一緒にいた時間は、本当に思い出だと思っているもん」

「はい。私も一緒です。皆さんとも、マスターとも素晴らしい時間を過ごさせていただきました」

 三人とも、自信たっぷりの表情で言う。そうだ、俺だって彼女と一緒にいた時間は、かけがえのない時間だ。
 追放されてから、出会って。一緒に冒険して戦って。

 つらいことだってあったけど、その時間は宝石のように眩しくて、かけがえのない大切な時間だった。

 心の底から、本当にうれしい。心からそう言ってくれる人たちに出会えたというのが。
 だからこそ、負けるわけには行かない。だからこそ、絶対に勝ってここから帰る。



「光纏いて現れろ! 闇を切り裂く眩き──エクスカリバー・スラッシュ!!」

「いい攻撃だな、だがそんなんじゃあ力不足だ」

精一杯に攻撃で三人は反撃に移れそうにない。

これなら、こっちにも策がある。こいつらと一緒にいた時の俺なら、絶対にやらなかったこと。
絶対、こいつらは俺の行動を予想できないはず。

そんな、奇襲ともいえる行動──それは。

「血迷ったかシュレーダー。お前が突っ込んで何になるんだよ」

「あんた、バカじゃないの??」

俺の行動に、グラムたちは驚いて視線を向ける。そう、俺がとった行動は前線への飛び出し。それもただの飛び出しではなく、両足に水晶髑髏の魔力を込めて一気に飛び出した。

「逆巻く輝きよ。今希望の光になりて我が胸に宿れ! 雷の化身、ここに降臨! ボルテックス・ストリーム!!」

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