悪役令息アルフレッドのため息〜断罪処刑を絶対回避して平和な未来を手にいれるぞ!〜

コロン

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4.小説の中の僕と今の僕

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 アルフレッド・ベンジャミンは、前世の僕が読んでいたライトノベルに出てくる悪役の公爵令息だ。

 男性も女性と同じく妊娠する事が可能な、オメガも存在するオメガバースの世界であった。


 確か、公爵家の力を笠に王太子の婚約者になるのだが、その難ありの性格で、関係は上手くいかず、後に現れる平民出身の男爵令息と恋に落ちた王太子に、色々やらかした罪に問われ、あっけなく断罪、処刑されるのだ。


 わがまま放題に育った世間知らずのお坊ちゃまが、品行方正で優秀な国家の長となるべく教育を受けた王子に、早々に愛想をつかされるのも想像に値する訳で・・・。

 
 自分に向けられない愛情を一心に受ける男爵令息に、激しい嫉妬心を抱き、暴言や嫌がらせ、ついには破落戸を使った暴行未遂事件を起こしたのだ。

 未遂だけでは、処刑という重い罪に問われるのはどうかと思うが、犯行時、男爵令息は王太子と一緒に城下を散策中だったのだ。

 
 まさか、王子が自らの身を挺して、彼を守るとは。


 まさかその時、破落戸の振りかざした剣によって軽傷とはいえ負傷するとは。

 まさか、脅すだけのつもりの犯行が、王家を巻き込んだ大事になるとは。

 そして、あっさりと黒幕がアルフレッドである事が判明し、弁解の余地なく断罪。
 
 あっけなくこの世を去る。


 その後、王子と男爵令息は、身分差の問題も解決しながら二人の愛を深め、無事結ばれハッピーエンド。

 幸せになりましたとさ。



 何だ。このテンプレ展開は!

 
 一読者の時は、アルフレッドがその悪行によって断罪されて、ざまあって思ってたけど。
 いきなり処刑とは、もと日本人の感覚としては、ちょっと罪が重すぎる。

 せめて、身分はく奪の上の平民落ち、もしくは国外追放ぐらいで良くない?


 あー、なんでよりによって、アルフレッドに転生しちゃうかな~。辛い。ほんとに辛い。


 今はショックで、どうしたら良いのか分からない。
 あーいやだー。逃げ出したいよ~。
 
 現実逃避しか考えられない中、半面ふと俯瞰して、今の自分を見ている冷静な自分自身の感情にも気が付いた。


 逃げてどうする?


 そもそも逃げるってどうやって?


 今は、これからどうするか考える事が一番大事なんじゃないか?


 未来に起こるであろう最悪の出来事を回避する事を考えるんだ。

 そうだ。王子に断罪される人生ではなく、幸せな人生を歩むために。


 自分自身で、これからの人生を切り開いて行くんだ。


 「僕は生きる。絶対生き残ってやるんだ。」   

 
 涙目になりながらも、僕は決意新たに立ち上がったのだった。

 「ぐすっ。」

 鼻水はすすったけどね。

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