上 下
5 / 5

拾った以上最後まで面倒みる責任

しおりを挟む
泣きながら思考に暮れれば、水分不足で喉が渇いてきた。ベッド脇にある赤い液体はジュースみたいなので拝借する事にする後程料金を支払えばいいかしら。

コクりと一口飲めば、さらに喉の渇きを実感し勢いよく半分程飲み干した。

頬がホワホワと熱くなり身体がゆらゆら揺れてくる。





「あはは~そうよ私の初めては、将来の旦那様に捧げるんだからリュックになんかあげないわよ……グッスン…でもでもこれで最後になるなら……リュックに貰って欲しかった……」







身体が熱い 血液が沸騰してるみたいにドクドクと脈拍を感じる。

色々考えるのが面倒くさくなってきて、大きなダブルベッドに寝転がり目を閉じる。

熱くて熱くて……寝るにはイブニングドレスが邪魔になってきた、無意識にイブニングドレスを脱ぎ捨て下着姿で布団に潜りこめば安らぎが訪れた。









何か柔らかい物が唇に触れる……



柔らかくて暖かくて心地好い目を瞑り続ければ、私の頬は誰かに両手で拘束され、するりと私の口内に入り込んできた生暖かいぬるぬるした物…





これは…人間の舌なのかしら…?







「へっだれぇぇ、、んっ、」







微睡む目を少し開き私の口内に侵入した人物をみつめる。するりと入り込んでいた生暖かいぬるぬるした舌が彼の舌だと気が付いた時には、口の中を舐めまわされていた。





「はぁっ…」





低い低音ボイスと艶めかしい声が聞こえる…





「やっと見付けた……」





微睡む頭でよく現状が理解出来ずに、また再度目を瞑る……

ゴソゴソと布団を捲られるが、今は凄く眠いからほっておいて欲しい





「なっ……なんで!!!下着姿なの、誰かに何かされたの僕以外にもこの部屋にいたの??」


なにやら動揺した人にユサユサ揺すられるが、失恋して自棄になっている私など捨て置いてくだされ……







「メーシア起きろ!!ちゃんと答えろ誰かに乱暴な事をされたのかぁぁぁ?」



「……乱暴な事…?」



「そう……こうやって君の白い乳房を揉みあげたり……」





スリップごしに大きな手が私の身体に触れてくる…

えっ?と感じた時には再度柔かな口付けが落とされ、唇を封じられた。



あれ……これ私口付けされてる……



誰か知らない人に口付けされ、身体に触れられている







「やっ……!!やめてぇぇ……私に触れていいのはリュックだけなんだからぁぁぁ!」



「ふっ……ならいいだろ?」





何言っているのよコイツ!!

微睡む意識も吹き飛び大きく目を開けば、私の身体をリュックが組敷いていた……あで?…なんで?……





「たっく!!下着姿で寝こけやがって……ひとまず俺以外の奴が来た形跡が無いからいいものを、そんな姿で寝転けてたら襲われたって仕方ないだろうがぁぁ!」





ん……?

容姿はリュックなのに、なんだろ口調が全然違う?





「ど……どちら様で……?」



「ケッ!!良いこぶりっこもいい加減疲れてきたからな、お前の大好きなリュック様だろ!!」



「えっえっ……でもリュックはいつも僕って言うしそんな乱暴な口調じゃなくて……」



「チッ!!」



「舌打ちしたぁぁぁぁ!メチャクチャガラが悪い!!」



「ふぅ……こんな僕じゃダメ?メーシア?」



「あぁぁぁ~私のリュックが帰ってきた!お帰りなさい心配してたのよ、なんか貴方そっくりのガラの悪い男に組敷かれて驚いちゃった所なの」



「ぷっ……メーシアお前チョロいな……だから俺みたいな奴に付け込まれるんだぞ!!それに今さら逃がすわけないだろ!」



「ひっっっ!!」





スリップも胸当てもあっという間に剥ぎとられ、私の乳房が形が変わるほど揉みしごかれる。

執拗に私の唇を求めてきて、ちゅくちゅくと舌で口内をかき回され、まだ初心者ともいえる私は、はふはふと息が苦しくなる。



なにかを引き出すように舌を吸われ、私が苦しさから体を引こうとするのを許さないとばかりに、しっかりと腰を抱かれている。たまに、意味ありげにその腰を撫でられた。



そうされると、だんだんと体が熱くなってくるような気がする。

ようやくリュックが唇を離したところで、彼は泣きそうな顔をしながら懇願する





「メーシア好きなんだ……愛してる……離れていかないでくれ……」



「リュック!!」





リュックの言葉が心の叫びが痛いほど伝わる……

傷だらけのリュックが必死に人生を生きるには、きっと色々強がらなければいけなかった事も多かった、その口調や態度だってリュックだしリュックなのね。





「リュック……早く続きをして……早く貴方だけの物にして……」





私の言葉にリュックが、ガバッと私の股間の中へ顔を突っ込んだ。そしてぬれた箇所を確かめるように、指と舌を使い触れ始めた。ショーツなどあっという間に剥ぎとられ、すでに濡れそぼってたショーツは役目をはたさなくなっていた。





「んぅ」


まさか舐められると思っておらず、予想外の快楽に足の力が抜けそうになり思わず、嫌、嫌と首をふるう。







「んぅ、もう、濡れてるから、濡らさなくって、いい、から」





私の言葉など聞かずに舌と手を使った愛撫をやめない。しばらく背中をバシバシと叩いていると、気付いたのか諦めたのか、私の股間から男の顔が現れた。



リュックの光る口元を見てられず、視線を下に移動させると、ぎちぎちに勃起する彼の雄が目に入った。

どちらからともなく、リュックのそれと、私のぬれたそこを擦り合わせ、そしてゆっくりと埋もれさせていく。







「あっあっ……いった……い」



「クッ……キツイよな……凄く狭い、、、」





体のなかを押し入ってくる熱く太くそして長い物。初めてにはきつすぎる大きさの雄。







「うぅ、あぅあっあっ」





「初めてだからキツイよな、、、でも受け入れてくれて、、嬉しいんだ、、」







完全に飲み込んだ後、体を揺すられ私はまた淫らな声が出る。

パッンパッンと音を立てて抽挿は繰り返される。





「ぅ、っ、は、んっ」





 私は息をするので精一杯で喘ぎ声すら出せない。痛かったはずなのにどんどん違う感触に塗り代わり、その感触にどんどん引き込まれ思考が真っ白になる。



 私が真っ白になった後、リュックは動きを止めて熱く吐息を吐きだした。







ナカに広がるものを感じる。







中出しされた……中出しされたぁぁぁぁ!







「なっ、、、なっにしてるのぉぉぉ!!」





先程まで夢心地だったけど、これはダメ絶対だめだ。これから公爵家に養子になるリュックの子供を孕んでしまったら、完全に邪魔になってしまう。







「既成事実を作って……そのまんまお前ごと連れていく……」



「何言ってるの!?平民の私が貴方と結婚出来るわけないじゃない!!」



「俺さ……今だから告白するけど、13歳で母親亡くしてから生きる為に汚いことも穢れたこともやったし、やられたよ……」



「…………?」



「この学園に入学出来たのも、ある貴族のパトロンが俺を推してくれたから……」



「私以外にもパトロンが……」



「あぁ……居たぜ、少年好きの変態貴族様には色々されたな……そこで性交も覚えたし、同性愛についても学ばさせられたぜ。あと人に好感もたれる話し方や仕草、一通りの読み書きもな……でも16歳になったとき成長し過ぎだと捨てられた。せめての詫びのつもりかこの学園の特待生として入学させられた」



「なっっっ……」



「確かに知識を得る事は必要だ将来の俺に役立つ、でもさこんな学園入学させられたって今生きる金が無いんだよ。その日その日生きてく金がないからいつも腹が減ってた……なんでそんな状態で通い続けていたかは、いつか見返してやるって反骨精神だったんだと思う」



「そ……そんな……壮絶な過去が……」


「まぁ~な!気紛れで絵描いてみたらお前が寄ってきてさ、なんか世話焼かれてしまいにはパトロンになるって!大いに疑ったぜ、コイツは俺に何を求めるのかって……身体か?奴隷みたいな絶対服従か?」





「そっっんなの求めて無い!!」



「あぁ……分かってるよ……こんな汚く穢れた俺を人間みたいに扱って世話焼くんだぜ、最初は利用してやろうと思った。俺が受けた屈辱をお前で晴らしてやろうかと機会を伺ってたのに……いつの間にか絆されてた。一生懸命なお前に見合う人間になろうと必死に取り繕ってた……そん時にはお前に惚れてたんだろうな……」





トゥクンと心臓が鳴る……


彼に恋するのは何度目なんだろう……


この人に何度も何度も恋をする……







「クオッド公爵家の養子になる条件としてお前と結婚させるなら承諾すると条件をつけた。もしこの条件を破るなら、俺自身の過去を世間に公表するって脅したよ。貴族様ってのは汚い穢れた過去を嫌うからな、俺がされた事は一通り話してやった!それでもお前達は俺を養子にしたいのかって聞いたらさ、したいだってさ……」





困った様な、少し嬉しそうなリュックの顔……



まさかリュックがそんな条件を提示してたとは、あの狸執事わざと私に隠していたな!!

私から身を引くように促しにかかるとは、その喧嘩買ってやろうじゃないか。

腐っても私だって豪商の娘、礼儀作法や学園で学んだ知識もある。そしてリュックの才能で知りえた貴族様方々だっていらっしゃる、負けないわリュックをこれからだって守りたい。







「あと……身分差のことは……お前にも養女になってもらう。俺の絵を慈善事業で養護施設に貸し出し費用を払ってくれている伯爵家に、その伯爵夫人リリア様には話を通してあるし、お前の親にも了承済みだよ。益々貴族との繋がりが強くなるって喜んでたぞ」







あれ……



あれあれ……



私いつの間にか外堀埋められてませんか……?





「だから言っただろ……、君には僕をこれからも面倒を見る義務と責任があるってさ」







そう言って優しくリュックが額に口付けてくれるから、私も貴方に着いていく事を決意する。





まだまだ問題は山積みだけど、彼と一緒ならきっとなんとかなる気がする。





こうやって二人は試行錯誤しながら、時に喧嘩しながら生きていくことになりましたとさ……









【おしまい】
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

ori (kaori)
2022.10.18 ori (kaori)
ネタバレ含む
解除

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。