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第5章 メテオストライク
メテオストライク 11
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冷えた手を吐息で温め、重い書物のページをめくる。数ページめくり、もう一度表紙を見直した。間違っていない。
だがそに書かれていたのはウィルの日常の出来事だった。日記だ。それが何十ページも続いている。少し流して読み、やっと出て来た魔法に関するページが「魚が食べたかったから魚を降らせたが岩の魚しか降らなかった。残念」と絵付きで書いてあった。
「メテオ関係ないじゃないか」
再び読み始めると、詠唱の仕方から、印の結び方、そしてご丁寧に住民への注意喚起の方法や魚の岩の飾り方まで書かれていた。何だか張り詰めていた気が一気に抜けた気がした。
でも良かった。ウィルは嘘つきではなかったし、大量虐殺者でもなかった。大魔法使いだったかどうかは疑問だけど。レイは、それからしばらくウィルの平和な日記を読み漁った。
かなりの時間が経った時、不意にギィーと扉が開く音がした。
ハッと周りを見渡したが隠れられる場所はどこにもなかった。第一、ランプの火をいまさら消しても手遅れだ。それでも、さっと椅子から立ち上がり身構えた。
誰だ?
もしや例の幽霊?
いや、馬鹿らしい、とすぐに否定し、近づいてくる静かな足音に全神経を集中させた。
……静かに静かに、近づいてくる。
やがて、本棚の間から現れたのはノアだった。
「合鍵、つくっちゃった」
と言いながら鍵を持ったノアが笑顔で入ってきた。
だがそに書かれていたのはウィルの日常の出来事だった。日記だ。それが何十ページも続いている。少し流して読み、やっと出て来た魔法に関するページが「魚が食べたかったから魚を降らせたが岩の魚しか降らなかった。残念」と絵付きで書いてあった。
「メテオ関係ないじゃないか」
再び読み始めると、詠唱の仕方から、印の結び方、そしてご丁寧に住民への注意喚起の方法や魚の岩の飾り方まで書かれていた。何だか張り詰めていた気が一気に抜けた気がした。
でも良かった。ウィルは嘘つきではなかったし、大量虐殺者でもなかった。大魔法使いだったかどうかは疑問だけど。レイは、それからしばらくウィルの平和な日記を読み漁った。
かなりの時間が経った時、不意にギィーと扉が開く音がした。
ハッと周りを見渡したが隠れられる場所はどこにもなかった。第一、ランプの火をいまさら消しても手遅れだ。それでも、さっと椅子から立ち上がり身構えた。
誰だ?
もしや例の幽霊?
いや、馬鹿らしい、とすぐに否定し、近づいてくる静かな足音に全神経を集中させた。
……静かに静かに、近づいてくる。
やがて、本棚の間から現れたのはノアだった。
「合鍵、つくっちゃった」
と言いながら鍵を持ったノアが笑顔で入ってきた。
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