悪役令嬢に悪役が転生しました

やまあらし

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兄にバレましたけど、まあおっけー

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やっべえな。マジでやっばい。

「こんな時間に、どこへ行っていたのかな?」

何がやばいのかって言うと、

「胸糞悪い男の臭いがするね」


朝帰りした私のことを実の兄であるジョルジュお兄様がブチ切れて待ってたってことがだよ!!



 やばい、ヤバすぎてむしろなんか笑えてきた。でもここで笑ったりなんかしたらお兄様がさらに激おこになりそうだから我慢我慢。
 とりあえずメイドや執事たちもそろそろ起きてくる時間帯だということで、私はいまお兄様のお部屋に腕を掴まれて連行されている。
 まあお兄様ったら見た目モヤシなのに力はゴリラみたいにお強いとか、やっぱり男の子って不思議でいっぱいなのね~!……うん、現実逃避でも今のは痛い子だな。やめよう。


「アメリア、君のことを俺は信じていたんだけどな」


 へえ~信じてたのに普通、太陽もまだ登っていない朝っぱらから妹のことを待ち伏せしますかねぇ。正直に言えよ~疑ってたってな~!!
 だってこんな美人なんだよ?そりゃこんな瑞々しい花のようなお年頃である18歳の女の子が処女なわけないでしょ?美少女ぞ?我、絶世の美少女ぞ?

なんて口が裂けても言えないよね。


「正直に言うんだ、誰と何をしていたのかな?」


これはもう他の人に押し付けるしかねえ。


「……ルネ・アラン・マルラン様に、わ、わたしずっと前から呼び出されて!帰りたいって、もう嫌ですって、言ってたのにっ、かえしてくれなくて」

「っ、それは無理やり?」

「こわくて、でも、お家に何かあったらって……わたし、わたし、言えなかったのぉ」


 ふぇぇ…自分のぶりっ子が思いのほかキモすぎてアメリアたん、ゲロが出そうだよぉ。
 お兄様こんな演技に騙されるとか大丈夫か?って思ったけど今の自分の容姿を思い出してこれは騙されるなと考え直す。
 兄の目が節穴だからじゃない!私の見た目が良すぎてそれっぽく見えるのが悪いんだ。美しいって罪だね。


「あの男が前からアメリアのことをいやらしい目で見ていたのは知っていた。だがこんなことをする奴だったなんて」

 お兄様、ルネおじ様が私のことに気があるの知ってたんかい!!ちくしょうもっと早く知っていれば手を出されそうになっても華麗にスルーしてたのに。
 相手はよく選ぼう。こんな早い段階で家族にバレるとか計算違い過ぎて頭が痛くなるわ。まだ原作すら始まってないんだよ?ヒロインとかまだ会ってもないんだよ?


「お兄様、どうか気を静めてください。私だけが我慢すればいいことですもの」
「いや、アメリアをこれ以上汚させない」
「お兄様…やめて、何をするつもりなの」

 本当にやめてねお兄様。あの人セックスはクソつまらん男だけど将来役に立つから関係持ってんだよ?万が一あの人の息子から責められたときの切り札にするんだから邪魔しないで。

「あいつを殺してやる!!」

 これあかんやつや。目がイッちゃってる。お兄様シスコン気味だなぁとは思ってたけどこれはやりすぎでしょ。バーサーカーだよ。
 いや、可愛い妹が男に脅されて抱かれてたらこれぐらい普通なのかな?まあそれが真実かどうかは置いとくとしてね。

 今にも走り出して行きそうなお兄様のことをギュッと身体全体で止める。ふかふかでぷにっぷにの巨乳を押し付けられたら走り出すことはもはや不可能なのだ!みたいな。いや実際はめっちゃ力入れてるけど。
 脳内で必死に悲しいことを思い浮かべて涙を出しながらお兄様の顔を両手で挟む。
 私は必死なのだ。あれは重要な駒だからね。だからあまりこの手は使いたくなかったけれど……致し方ない……。


「何故止めるんだアメリア」
「お兄様、お相手は私達と同じ権力を持つ貴族ですのよ?なにをされるかわかりませんわ、それに……」
「それに?」

「私には考えがございますの」


 考えっていうか、いざとなったときの最終手段ってやつです!


 
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