「ミラー・ラヴズ・メビウス」~AIの天秤~

ゆんさん@

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第5話 「session」

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結衣は自宅で迎えた朝に、前夜の決意を胸に仕事に取り掛かる。
AIアシストは、彼女が朝食を摂る間も効率的に一日のスケジュールを整理していた。

「カイ、今日の予定は?」
結衣はテーブルに置かれたスマートディスプレイに目を通しながら尋ねた。

「午前中はオンライン会議が二つ、午後には悠斗さんとのセッションが予約されています。
その後、あなたはヨガクラスに参加されるとのことです。」
カイの声は落ち着いていて、結衣を安心させた。

午後、悠斗とのセッションの時間が近づくと、結衣の心は再び高鳴り始めた。
彼との対話は、ただのビジネスミーティングを超えたものであり、彼女自身の人生においても新たなページを開くかもしれないと感じていた。

二人がオンラインで接続すると、悠斗の画面が現れた。
彼はいつも通り落ち着いた表情で、
「結衣さん、準備はいいですか?」と尋ねた。

「はい、悠斗さん。いつでも始められます。」
結衣の返答は堂々としていたが、内心ではわずかな緊張を覚えていた。

セッションは二人がそれぞれの過去のデータをAIに読み込ませることから始まった。
結衣は学生時代から続けている日記から、
悠斗は自身の学術論文から、
感情的な要素を抽出するようにマイアに指示した。

データが読み込まれると、マイアは分析を始め、二人の経験に共通する感情パターンや思考傾向を明らかにしていった。マイアの分析によって、結衣と悠斗は自分たちの内面をより深く理解し始める。

「あなたたち二人は、変化への適応力が非常に高いという共通点があります。
また、対人関係では共感を重視し、知的好奇心が強いという特徴があります。」
マイアがそう報告すると、結衣と悠斗は顔を見合わせて笑みを交わした。

「私たち、結構似ていますね。」
悠斗が感心しながら言う。

「ええ、驚きました。でも、それが私たちがこんなに話が合う理由なのかもしれませんね。」
結衣の返答に、二人の間の空気がより一層温かくなる。

セッションを通じて、結衣と悠斗は互いに対する理解を深め、
さらにはAIの客観的な分析が自分たちに新しい視角を与えてくれることに気付いた。
この技術が提供する可能性と、それを共に探求できる相手の存在の重要性を改めて感じるのだった。

「カイ、今日のこのセッションを保存して、今後の成長につながる何かがあれば、教えてね。」
結衣はAIアシストに感謝の意を表しつつ依頼した。

「もちろんです、結衣さん。お二人の成長をサポートするために、ここにいますから。」
カイの言葉に、二人は改めて将来への希望を共有し、セッションを終えた。



その日の午後、結衣はヨガスクールで体を猫のように曲げ伸ばししながら、
悠斗と過ごした時間と、カイとのセッションを反芻していた。

彼女の心には新しい感情が芽生えていた。
それは、悠斗との深いつながりと、AIがもたらす新しい自己発見への期待だった。

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