神堕ちのランドスケープ  ~魔王の第2王女は澱みなく~

ゆんさん@

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第14話 「星の涙、夜明けの真実」

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星紋の輝きによって闇を退けたエスデスたちであったが、彼らが経験する試練はまだ終わりを告げていなかった。
暗黒の力は根深いものであり、たとえ一時的に退けたとしても、その本質を理解しなければ、再び彼らの前に立ちはだかるだろう。

三人は星の涙を手に入れたことで、その力が世界の均衡を保つ鍵であると確信していた。
しかし、エスデスの心にはまだ一抹の不安が残っていた。
星の涙がもたらす輝きは、果たして全ての暗黒を払うことができるのだろうか。

一行が次の目的地へと進む中、夜が深まり星空が彼らを見守っていた。
そのとき、予期せぬ出来事が起こった。

星の涙が突如として輝きを増し、エスデスの手から飛び出して空高く舞い上がった。
天空から降り注ぐ星々の光が星の涙に集中し、圧倒的な光の柱が天と地を結んだ。

レオンとソリスは目を瞠り、エスデスは息を呑んだ。
その光の中から、謎めいた人物が現れた。
長いローブをまとい、星の紋様が刻まれた仮面をつけたこの人物は、古代の言葉で語り始めた。

「汝らが目の当たりにしているのは、ただの試練ではない。星の涙は選ばれし者だけが触れ得る力を秘めており、その真実を告げる時が来た。」

エスデスは一歩前に出て尋ねた。
「あなたは誰ですか?そして、私たちに何を教えようとしているのですか?」

仮面の人物はゆっくりと仮面を取り、その下から現れたのは—驚くべきことに—エスデスと瓜二つの顔だった。
この双子のような存在はエスデスに微笑みかけながら語り始めた。

「私はあなたの過去でも未来でもない、別の可能性だ。星の涙は多次元の力を秘めており、異なる時空を繋ぐ鍵となる。あなたたちの世界は、他の無数の宇宙と交錯している。暗黒の力とは、宇宙のバランスを保とうとする自然の試みなのだ。」

この啓示は三人を深い驚愕に陥れた。
彼らの戦いは単なる自らの世界のためだけではなく、宇宙の秩序を保つための戦いでもあったのだ。

「そして今、真の試練が始まる。星の涙を巡る戦いは、ただの序章に過ぎなかった。全ての宇宙が見守る中、汝らの運命が今、動き出す。」

その言葉を残し、仮面の人物は再び光の中へと消えていった。
星の涙はエスデスの手に静かに戻り、その眼には驚きと感じた事のない不安が錯綜していた。

しかし徐々に、自分たちに課せられたとてつもない重責に対峙する決意の眼差しへと変わっていった。

二人もそうだった。
手を取り合い、未知なる戦いへの旅立ちを誓った。
それはまさに、星の涙が導く、夜明けの真実への道だった。
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