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03.ガーディアン
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太陽の光がカーテンの隙間から差し込む。
時間的には朝の7時くらいか。
琴子は太陽の光で目が覚めた。
「ふぁ~あ」
大きく欠伸をしてシャワールームに向かった。
シャワーを浴び終え鏡の前に立つ。
髪を左右で三つ編みにした。
左の三つ編みには赤いリボンを一緒に編み込んだ。
すると琴子の黒い髪と瞳は髪は白銀に、瞳は空色へと変化した。
「これでよし!」
このリボンは琴子が昔、東の魔女と名乗る不思議な女性から貰ったものだった。
身につけると自分の好きな髪色、瞳に変化させることができるのだ。
これで誰も琴子があの黒姫だとは気づかないだろう。
今日はガーディアンの試験日。
琴子は來之衛を追うため、止めるためにガーディアンになると決めた。
身を引きしめて家を出た。
…………
一方、ここはガーディアン本部の司令室。
ガーディアン総司令官、笹木豊花がガーディアンの受験者の書類に目を通している。
「朝日奈琴子……か。」
「何見てるんだ?」
そこに割って入ってきたのはワインレッドの髪に緑の瞳、髭ずらのワイルド風な男だった。
豊花の見ている書類を覗き見る。
「へぇ~、黒持ちね…。」
つか黒蝶じゃん!と呟く。
面白そうな顔をする男に豊花は少しうざったそうにする。
「ったく…ノックくらいしたらどうだ?龍美…。」
「したけどお前が気づかなかったんだろ?」
そう適当にあしらってきた。
こんなやり取りをもう何年も繰り返している気がする。
豊花はため息をついた。
龍美は今だ琴子の書類に目を通しながら楽しそうに笑みを浮かべた。
…………
一方、琴子は試験会場の前に来ていた。
何十人もの人達が琴子を通り過ぎ会場に入っていく。
「頑張ろう。まず一次試験は面接。二次試験が能力の披露。」
気を引き締めて琴子も試験会場に足を踏み入れた。
試験会場に入って受付を済ませる。
すると隅っこの方で蹲っている桃色の髪をツインテールにしている小柄な可愛らしい少女がいた。
「どうしたの?」
琴子は蹲る少女に歩み寄り声をかけた。
「うっ……緊張して……気持ち悪くて……」
琴子は蹲る少女を椅子まで連れていき座らせた。
そして背中を撫でる。
そして琴子は黒蝶のバラード曲を口ずさむ。
「~♬︎」
その歌声に蹲っていた少女は顔を上げた。
「それ…黒蝶の歌!あなた凄く歌が上手なのね。」
その歌声はとても綺麗で、桃色の髪の少女の緊張が少し解けたようだ。
「ありがとう…少し良くなった」
そして琴子が呼ばれた。
「お互い頑張ろうね」
そう言って笑顔を向けると琴子は面接室へと足を踏み入れた。
中に足を踏み入れると、ワインレッドの髪に顎に髭が生えたワイルド風な男と、それとは対照的にきちっとした面持ちで爽やか風な男が座っていた。
独特的な緊張感に琴子は唾を飲んだ。
それからは質問責めだった。
家は近いのかとか、趣味とか前職は何なのかとか…色々聞かれた。
そうして面接は終わり、一礼すると琴子は部屋をあとにした。
その後は、能力の確認で、ガーディアンの各隊長達が見ている中で自分の能力を披露した。
それから数日後、琴子の元に連絡がくる。
「はい…ありがとうございました。」
自宅で電話をとった琴子は、部屋に飾ってある希空と來之衛と楽しそうに写ってる写真を見つめた。
「希空…絶対、來之衛を止めるからね」
決心したようにはっきりと言った。
…………
琴子はガーディアンの総司令官に言われてガーディアン本部第1部隊が待機しているフロアに来ていた。
「ここかな?」
広い本部の中を歩き回ってやっと着いたっぽいが…。
表札には第1部隊と書いてあるのでここなのだろう。
「それにしても…案内なしなんて扱いがちょっと雑なんじゃ…。」
ボソリと呟き、キーロックについているインターホンを押す。
すると凛とした女の人の声がした。
「こちら第1部隊です。どなたでしょうか?」
「本日から配属になりました、朝日奈琴子です」
「…お待ちしておりました」
その言葉と同時にロックが解除される音が響いた。
そして扉が開く。
出迎えてくれたのはさっきの声の主であろう、薄紫色の綺麗なショートボブの凛とした若い女の人だった。
「私は東雲彩芽といいます。よろしく。」
「はい!よろしくお願いします!!」
「隊長の所まで案内するね」
扉の向こうには白を基調とした廊下が続いていて奥にまた扉があった。
中に入ると大きな部屋に出た。
部屋の両サイドにオシャレな螺旋階段がある。
部屋の中にはいくつかデスクが並んでいて、第1部隊の隊員達、数名がいて、各々何かをしている。
そして一番奥のデスクに彼はいた。
琴子は彼の前に立つ。
デスクの椅子に座る彼を見て琴子は目を見開く。
なぜならその人物は見知った顔だったからだ。
「あなたは…」
白金の髪に右目が空のように澄んだブルーに左目が黄金色の瞳の青年だ。
「久しぶり…になるのかな?まぁ…とりあえず自己紹介!第1部隊、隊長の獅子王玲音だ。よろしく」
そう言って握手を求めてくる。
「朝日奈琴子です!この前はありがとうございました。よ、よろしくお願いします!!」
琴子も挨拶を交わし差し出された手を握り返した。
彼は隊長だから琴子の正体も知っているのだろう。
琴子が歌手の黒蝶だと。
「もう1人の子も来てるから、一緒に本部内も案内するね」
そう言って彩芽は玲音に一礼すると歩き出す。
琴子はその後を追った。
ガラス張りの応接室に入ると、桃色の髪をツインテールにした黄緑色の綺麗な瞳の女の子が少し緊張した面持ちで椅子に座っていた。
「お待たせしました。」
「あ、あなたは…」
またもや見知った顔に琴子は目を見開く。
琴子を見た瞬間、桃色の髪の少女も目を見開いた。
「あ…」
そして緊張していた顔に微笑みを浮かべる。
「貴方も受かっていたのね」
そう彼女は試験当日、緊張しすぎて蹲っていたあの日の少女だった。
「よかった…。改めまして、私は朝日奈琴子です」
「私は王花凜よろしくお願いします。」
「あら…顔見知りだったのね。それじゃ2人とも本部内を案内するね」
それからは彩芽に連れられて広い本部の中を歩き回った。
修練所や、食堂、シャワールームや大浴場まであった。
地下もあるらしかったけど、一般隊員は立ち入り禁止らしい。
そして、また第1部隊のオフィスに戻って来た。
部屋の両サイドにある螺旋階段をあがると下から上は吹き抜けになっているので下の様子がよく見えた。
上は休憩室が何室かある。
休憩室は1人用で6畳くらいの広さでベッドと机が置いてある質素な部屋になっている。
思わずベッドにだいぶする。
初日は本部の施設の案内と制服の採寸どりと、メンバー達への挨拶回りで終わった。
「ふぅ~。疲れた。でも…これから始まるんだ…」
そう呟いた瞬間に琴子は眠りについていた。
…………
ここはエウスのどこか。
空の大きな満月を背景に、シルバーの長い髪を靡かせローブを羽織った女はワインレッド色の瞳でビルの屋上から下を見据えた。
「ここが…最後の地。」
そう呟く彼女の傍らには同じくローブを羽織った、栗色のくせっ毛の髪に、彼女と同じワインレッド色の瞳の青年いた。
「行こう…ディアーナ」
「えぇ…行きましょう」
彼の呼びかけに彼女が応えると、2人は闇に溶けるように消えた。
時間的には朝の7時くらいか。
琴子は太陽の光で目が覚めた。
「ふぁ~あ」
大きく欠伸をしてシャワールームに向かった。
シャワーを浴び終え鏡の前に立つ。
髪を左右で三つ編みにした。
左の三つ編みには赤いリボンを一緒に編み込んだ。
すると琴子の黒い髪と瞳は髪は白銀に、瞳は空色へと変化した。
「これでよし!」
このリボンは琴子が昔、東の魔女と名乗る不思議な女性から貰ったものだった。
身につけると自分の好きな髪色、瞳に変化させることができるのだ。
これで誰も琴子があの黒姫だとは気づかないだろう。
今日はガーディアンの試験日。
琴子は來之衛を追うため、止めるためにガーディアンになると決めた。
身を引きしめて家を出た。
…………
一方、ここはガーディアン本部の司令室。
ガーディアン総司令官、笹木豊花がガーディアンの受験者の書類に目を通している。
「朝日奈琴子……か。」
「何見てるんだ?」
そこに割って入ってきたのはワインレッドの髪に緑の瞳、髭ずらのワイルド風な男だった。
豊花の見ている書類を覗き見る。
「へぇ~、黒持ちね…。」
つか黒蝶じゃん!と呟く。
面白そうな顔をする男に豊花は少しうざったそうにする。
「ったく…ノックくらいしたらどうだ?龍美…。」
「したけどお前が気づかなかったんだろ?」
そう適当にあしらってきた。
こんなやり取りをもう何年も繰り返している気がする。
豊花はため息をついた。
龍美は今だ琴子の書類に目を通しながら楽しそうに笑みを浮かべた。
…………
一方、琴子は試験会場の前に来ていた。
何十人もの人達が琴子を通り過ぎ会場に入っていく。
「頑張ろう。まず一次試験は面接。二次試験が能力の披露。」
気を引き締めて琴子も試験会場に足を踏み入れた。
試験会場に入って受付を済ませる。
すると隅っこの方で蹲っている桃色の髪をツインテールにしている小柄な可愛らしい少女がいた。
「どうしたの?」
琴子は蹲る少女に歩み寄り声をかけた。
「うっ……緊張して……気持ち悪くて……」
琴子は蹲る少女を椅子まで連れていき座らせた。
そして背中を撫でる。
そして琴子は黒蝶のバラード曲を口ずさむ。
「~♬︎」
その歌声に蹲っていた少女は顔を上げた。
「それ…黒蝶の歌!あなた凄く歌が上手なのね。」
その歌声はとても綺麗で、桃色の髪の少女の緊張が少し解けたようだ。
「ありがとう…少し良くなった」
そして琴子が呼ばれた。
「お互い頑張ろうね」
そう言って笑顔を向けると琴子は面接室へと足を踏み入れた。
中に足を踏み入れると、ワインレッドの髪に顎に髭が生えたワイルド風な男と、それとは対照的にきちっとした面持ちで爽やか風な男が座っていた。
独特的な緊張感に琴子は唾を飲んだ。
それからは質問責めだった。
家は近いのかとか、趣味とか前職は何なのかとか…色々聞かれた。
そうして面接は終わり、一礼すると琴子は部屋をあとにした。
その後は、能力の確認で、ガーディアンの各隊長達が見ている中で自分の能力を披露した。
それから数日後、琴子の元に連絡がくる。
「はい…ありがとうございました。」
自宅で電話をとった琴子は、部屋に飾ってある希空と來之衛と楽しそうに写ってる写真を見つめた。
「希空…絶対、來之衛を止めるからね」
決心したようにはっきりと言った。
…………
琴子はガーディアンの総司令官に言われてガーディアン本部第1部隊が待機しているフロアに来ていた。
「ここかな?」
広い本部の中を歩き回ってやっと着いたっぽいが…。
表札には第1部隊と書いてあるのでここなのだろう。
「それにしても…案内なしなんて扱いがちょっと雑なんじゃ…。」
ボソリと呟き、キーロックについているインターホンを押す。
すると凛とした女の人の声がした。
「こちら第1部隊です。どなたでしょうか?」
「本日から配属になりました、朝日奈琴子です」
「…お待ちしておりました」
その言葉と同時にロックが解除される音が響いた。
そして扉が開く。
出迎えてくれたのはさっきの声の主であろう、薄紫色の綺麗なショートボブの凛とした若い女の人だった。
「私は東雲彩芽といいます。よろしく。」
「はい!よろしくお願いします!!」
「隊長の所まで案内するね」
扉の向こうには白を基調とした廊下が続いていて奥にまた扉があった。
中に入ると大きな部屋に出た。
部屋の両サイドにオシャレな螺旋階段がある。
部屋の中にはいくつかデスクが並んでいて、第1部隊の隊員達、数名がいて、各々何かをしている。
そして一番奥のデスクに彼はいた。
琴子は彼の前に立つ。
デスクの椅子に座る彼を見て琴子は目を見開く。
なぜならその人物は見知った顔だったからだ。
「あなたは…」
白金の髪に右目が空のように澄んだブルーに左目が黄金色の瞳の青年だ。
「久しぶり…になるのかな?まぁ…とりあえず自己紹介!第1部隊、隊長の獅子王玲音だ。よろしく」
そう言って握手を求めてくる。
「朝日奈琴子です!この前はありがとうございました。よ、よろしくお願いします!!」
琴子も挨拶を交わし差し出された手を握り返した。
彼は隊長だから琴子の正体も知っているのだろう。
琴子が歌手の黒蝶だと。
「もう1人の子も来てるから、一緒に本部内も案内するね」
そう言って彩芽は玲音に一礼すると歩き出す。
琴子はその後を追った。
ガラス張りの応接室に入ると、桃色の髪をツインテールにした黄緑色の綺麗な瞳の女の子が少し緊張した面持ちで椅子に座っていた。
「お待たせしました。」
「あ、あなたは…」
またもや見知った顔に琴子は目を見開く。
琴子を見た瞬間、桃色の髪の少女も目を見開いた。
「あ…」
そして緊張していた顔に微笑みを浮かべる。
「貴方も受かっていたのね」
そう彼女は試験当日、緊張しすぎて蹲っていたあの日の少女だった。
「よかった…。改めまして、私は朝日奈琴子です」
「私は王花凜よろしくお願いします。」
「あら…顔見知りだったのね。それじゃ2人とも本部内を案内するね」
それからは彩芽に連れられて広い本部の中を歩き回った。
修練所や、食堂、シャワールームや大浴場まであった。
地下もあるらしかったけど、一般隊員は立ち入り禁止らしい。
そして、また第1部隊のオフィスに戻って来た。
部屋の両サイドにある螺旋階段をあがると下から上は吹き抜けになっているので下の様子がよく見えた。
上は休憩室が何室かある。
休憩室は1人用で6畳くらいの広さでベッドと机が置いてある質素な部屋になっている。
思わずベッドにだいぶする。
初日は本部の施設の案内と制服の採寸どりと、メンバー達への挨拶回りで終わった。
「ふぅ~。疲れた。でも…これから始まるんだ…」
そう呟いた瞬間に琴子は眠りについていた。
…………
ここはエウスのどこか。
空の大きな満月を背景に、シルバーの長い髪を靡かせローブを羽織った女はワインレッド色の瞳でビルの屋上から下を見据えた。
「ここが…最後の地。」
そう呟く彼女の傍らには同じくローブを羽織った、栗色のくせっ毛の髪に、彼女と同じワインレッド色の瞳の青年いた。
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