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柔 vs 剛。
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そして、退場を言い渡され即応科棟へと戻る最中、基本平和な操法科に意図せず気も体も締め直してしまった彼女は、そんなことよりもお昼までの間に何かエネルギーを補給できるものを何にしようか考えていた。
この時間、お昼の仕込みと調理をしている食堂は開いておらず、購買も正門近くにあり遠く、コンビニも敷地から出ないとなかったため、お昼まで満足バーで我慢するか考えていた。
「...あっ!」
『....この棟にある食い物や飲み物は好きに食っていい。カップ麺系やレトルト系は給湯室にある。あぁー...ただ...』
前にした才亮との会話を思い出し即応科棟へ駆け足で行き、常備している完全栄養食カップ麺でエネルギー補給しようと給湯室へと向かった。
「何にしよーかなぁー....焼きそばにしよっと!」
焼きそばやカップラーメン冷蔵庫には冷凍食などがあり迷ったが、結局最初の選択肢になった。
「ん...この布なんだろ...まぁ丁度いいか」
そして、ケトルからお湯を注ぎルンルンで3分待っていた時雨は、近くに置いてあった黒い布で洗面台を綺麗にしていた。
すると、彼女の前に廊下を挟んで向かい側のシャワー室から、湯上がりの全裸の男が現れた。
「....ん、お前...」
「....っ....わぁぁぁぁ....す、すみませんぅ!!」
出てきた男のキリッとした顔と、バキバキに仕上がっている肉体、そして歴戦の競走馬が如くしなやかでムキムキの足の間にぶら下がっているチン...ともかく、時雨好みの全裸男をひとしきり見た上で、彼女は黒い布を持ってその場を走り去った。
「.....お、おい!」
「....付いてこないで下さい!!」
好みというかめっちゃタイプの男とはいえ、面識のない全裸男に追いかけられている彼女は逃げるしかなかった。
「....新人の女ー!おーい待てーっ!」
「え...って..なんで私のこと知ってるんですカァぁぁ?!」
タイプの男が自分のことを知っているのに少しキュンとした彼女であったが、一瞬で正気に戻ってその事実はより意味のわからない怖さを増加させていた。
「....あ!助けてくださぁぁぃ!!」
「....ん?....んん??」
資料室から出てきた汐留は、廊下を闊歩する時雨と彼女を追う全裸の男に一瞬目を疑ったが、サングラスをとってそれが幻覚でないことを理解した。
「助けてください!汐留さん!」資料室から出た汐留の後ろに隠れた。
「.....あら、セクハラですか...武田さん」
「え、た、武田さん?」
つい朝見た武田は髭ももじゃもじゃで髪も伸ばしっぱなしなのを、適当に後ろに結っていたいただけの、YAMA帰りの武人そのものだったが、汐留越しのその全裸男は髪はグレている時の三井くらいで髭はなく、目つきはキリッとりしており精悍な顔つきをした正直結構タイプの男前だった。めちゃめちゃ全裸で、色々すごいけど
「...はぁ...なんで逃げるんだよ。新人女」
追いついた彼はナニを隠そうともせずに、息を吐いてデカ女の後ろに隠れている彼女に落ち着いた様子で聞いた。
「だから!なんで!....私のこと知ってるんですか?」
声圧でその気持ちを抑えようとしたが、時雨は水が滴っているドストライク男に塩らしくなっていた。
「誰でも逃げますよ。それじゃあ」
彼と面識がある汐留は怯えているのか惚気ているのかわからない時雨の頭を撫でながら、常識を説いた。
「ったく.....いいから...」
水に濡れた髪を後ろに束ねながら、全裸男は最後にいらん通称をつけてしまった。
「...そこを....退け、スライム女」
ーーーーカッチーンっ
「....そういえば、前の決着はついてませんでしたか...」
「あぁ?あれは...お前が逃げただけだろ」
汐留は時雨を後ろに下がらせ、武田は煽る気一切なしにあの時率直に感じた残念な気持ちを呟いた。
ーーーーピキリ
普段は温厚で優しいお姉さんの汐留であったが、唯一の地雷を二つ踏み抜き、戦いの火蓋は切られた。
「.....ッシ!!!」
「...っ」
ーーーー....どずんっ!!
汐留の踏み込み振り切った上段蹴りが、全裸武田の顔面に向かうが、彼はそのまま向かって額で受け切り、密度を持った鈍い音が即応科棟に鳴り響く。
「...っぅ....相変わらず....なんつぅ.....石頭"ぁ”っ!!」
衝撃に耐えかねて距離をとった汐留はキレながら片足立ちで返された衝撃を、一点に受けた右足を振って逃げようのない痛みを散らした。
「かかかっ!脳みそりょうさん詰まっとるからなぁ!!」
全裸武田はフルチンをフルフル揺らしながら、仁王立ちで意味わからん理論を展開しながら勝ち誇っていた。
「ちょ...あの...」
時雨がなんとか仲裁しようとするが、互いに全然平和じゃない歩み寄りで、間合いを詰めている彼らには届きそうなかった。
「そろそろ....一発効かせないと、ですね...」
「かかっ!スライム有りでもいいけ、かかってこ”い”っ!!」
「いやっ....やめてくださいーっ!!」
『....んぁー』
もう1ラウンド始まりそうになった所で、時雨が叫ぶと寝起きのクゥさんがそれに呼応して、彼ら二人は即応科棟の外に放り出した。
「・・....ん」
「・・....ぬ?」
フルチンで真っ逆さまに落下している武田と、スライムを展開して本気で武田をぶっ倒そうとしていた汐留は何が起こったかはわからずとも、見知った庁内に居て、即応科棟の外側にワープした目の前の結果を理解した。
「.....武田さんの能力ですか?」
「いや、わしゃ知らん....あ」
「ん、なんです.....あ」
熱が冷めた彼らは落下しながら原因を考え始めていたが、買い出しに行っていた金髪男の開き切った茶色の瞳孔が、落ちてくる自分たちを静かに見ているのに気づいてしまった。
「・・怪我人は居ねぇから、良かったものの...」
その後、才亮が事の顛末を聞き大体わかった所であったが、そんなピタゴラ的に色々重なるものなのかと頭を抱えていた。
「武田。汐留が嫌がる事わざわざ言わんでいい。汐留も言われたら言われたで、いつも通り適当に流せるだろ、お前ら二人が真剣で殴り合ったらどっちか死ぬまで終わらないだろ。即応科内で殺し合いとか、勘弁だぞ。俺。」
「....す、すみません。」
「ぐぅ...」
汐留は少々熱が入りすぎたのを内省し、武田はそんな長期戦にならんとグゥの音を吐いた。
「ともかく、今回は不問だ。次やりたきゃ、実践試合内で、玄道とか俺が止められる範囲内で好きにやってくれ。」
「は、はい。」
「わかった。」
「じゃ、廊下の床直してこい。」
「はい。」
「.....おん。」
床も建築菌糸でできているため、霧吹きと片手板トンボを渡されて事件現場へと向かった。
「...時雨。」
「っ...はい!」
彼らを見送った才亮は時雨の方へ向き直り呼ぶと、彼女は勝手に怒られるものだと思い身構えたが、彼は真剣な面持ちで顔を近寄って小声でそう呟いた。
「....お前の召喚獣。能力詳細は、必要とあらば俺らにも言うな。わかったな?」
「っ...は、はい。」
今回は目撃者も今のところ即応科のメンバーだけだったため、実践訓練の延長という事で内々で処理出来た。
それよりも時雨の召喚獣クゥさんの能力拡張現象が見られていた場合、色々と不味く、その深刻さを伝えるには十分な忠告であり、それは才亮が彼女の味方であることの証左であった。
『....んなぁ?』
が、さっきのを褒めて欲しくてぬるっと現れているクゥさんは、真剣な面持ちの彼女を見てコテンっと首を傾げていた。
「ーーー・・おっ昼寝、おっ昼寝っ!」
『んなっ!...んなぁっ!』
そうして、時雨がお昼を食べてハミガミをして、クゥさんとスキップしてるんるんで仮眠室へ向かっていると、即応科内で出動のサイレンが鳴り響いた。
「..おっ仕事ぉー!!おっ仕事っー!」
無理やり仕事モードに切り替えさせるために、そのままの勢いでスキップして出動した。
ーーーーウォォォォンっ!!
「.....っ」
一方、同じ時刻にして、昼食と昼寝を済ました武田は座禅中に出動サイレンを聴き、ゆっくりと目を開き携帯を確認した。
「......っ!」
画面上に映る、事案発生時に取られた見るからに強めの召喚獣を目にして、自然と口角が上がった。
この時間、お昼の仕込みと調理をしている食堂は開いておらず、購買も正門近くにあり遠く、コンビニも敷地から出ないとなかったため、お昼まで満足バーで我慢するか考えていた。
「...あっ!」
『....この棟にある食い物や飲み物は好きに食っていい。カップ麺系やレトルト系は給湯室にある。あぁー...ただ...』
前にした才亮との会話を思い出し即応科棟へ駆け足で行き、常備している完全栄養食カップ麺でエネルギー補給しようと給湯室へと向かった。
「何にしよーかなぁー....焼きそばにしよっと!」
焼きそばやカップラーメン冷蔵庫には冷凍食などがあり迷ったが、結局最初の選択肢になった。
「ん...この布なんだろ...まぁ丁度いいか」
そして、ケトルからお湯を注ぎルンルンで3分待っていた時雨は、近くに置いてあった黒い布で洗面台を綺麗にしていた。
すると、彼女の前に廊下を挟んで向かい側のシャワー室から、湯上がりの全裸の男が現れた。
「....ん、お前...」
「....っ....わぁぁぁぁ....す、すみませんぅ!!」
出てきた男のキリッとした顔と、バキバキに仕上がっている肉体、そして歴戦の競走馬が如くしなやかでムキムキの足の間にぶら下がっているチン...ともかく、時雨好みの全裸男をひとしきり見た上で、彼女は黒い布を持ってその場を走り去った。
「.....お、おい!」
「....付いてこないで下さい!!」
好みというかめっちゃタイプの男とはいえ、面識のない全裸男に追いかけられている彼女は逃げるしかなかった。
「....新人の女ー!おーい待てーっ!」
「え...って..なんで私のこと知ってるんですカァぁぁ?!」
タイプの男が自分のことを知っているのに少しキュンとした彼女であったが、一瞬で正気に戻ってその事実はより意味のわからない怖さを増加させていた。
「....あ!助けてくださぁぁぃ!!」
「....ん?....んん??」
資料室から出てきた汐留は、廊下を闊歩する時雨と彼女を追う全裸の男に一瞬目を疑ったが、サングラスをとってそれが幻覚でないことを理解した。
「助けてください!汐留さん!」資料室から出た汐留の後ろに隠れた。
「.....あら、セクハラですか...武田さん」
「え、た、武田さん?」
つい朝見た武田は髭ももじゃもじゃで髪も伸ばしっぱなしなのを、適当に後ろに結っていたいただけの、YAMA帰りの武人そのものだったが、汐留越しのその全裸男は髪はグレている時の三井くらいで髭はなく、目つきはキリッとりしており精悍な顔つきをした正直結構タイプの男前だった。めちゃめちゃ全裸で、色々すごいけど
「...はぁ...なんで逃げるんだよ。新人女」
追いついた彼はナニを隠そうともせずに、息を吐いてデカ女の後ろに隠れている彼女に落ち着いた様子で聞いた。
「だから!なんで!....私のこと知ってるんですか?」
声圧でその気持ちを抑えようとしたが、時雨は水が滴っているドストライク男に塩らしくなっていた。
「誰でも逃げますよ。それじゃあ」
彼と面識がある汐留は怯えているのか惚気ているのかわからない時雨の頭を撫でながら、常識を説いた。
「ったく.....いいから...」
水に濡れた髪を後ろに束ねながら、全裸男は最後にいらん通称をつけてしまった。
「...そこを....退け、スライム女」
ーーーーカッチーンっ
「....そういえば、前の決着はついてませんでしたか...」
「あぁ?あれは...お前が逃げただけだろ」
汐留は時雨を後ろに下がらせ、武田は煽る気一切なしにあの時率直に感じた残念な気持ちを呟いた。
ーーーーピキリ
普段は温厚で優しいお姉さんの汐留であったが、唯一の地雷を二つ踏み抜き、戦いの火蓋は切られた。
「.....ッシ!!!」
「...っ」
ーーーー....どずんっ!!
汐留の踏み込み振り切った上段蹴りが、全裸武田の顔面に向かうが、彼はそのまま向かって額で受け切り、密度を持った鈍い音が即応科棟に鳴り響く。
「...っぅ....相変わらず....なんつぅ.....石頭"ぁ”っ!!」
衝撃に耐えかねて距離をとった汐留はキレながら片足立ちで返された衝撃を、一点に受けた右足を振って逃げようのない痛みを散らした。
「かかかっ!脳みそりょうさん詰まっとるからなぁ!!」
全裸武田はフルチンをフルフル揺らしながら、仁王立ちで意味わからん理論を展開しながら勝ち誇っていた。
「ちょ...あの...」
時雨がなんとか仲裁しようとするが、互いに全然平和じゃない歩み寄りで、間合いを詰めている彼らには届きそうなかった。
「そろそろ....一発効かせないと、ですね...」
「かかっ!スライム有りでもいいけ、かかってこ”い”っ!!」
「いやっ....やめてくださいーっ!!」
『....んぁー』
もう1ラウンド始まりそうになった所で、時雨が叫ぶと寝起きのクゥさんがそれに呼応して、彼ら二人は即応科棟の外に放り出した。
「・・....ん」
「・・....ぬ?」
フルチンで真っ逆さまに落下している武田と、スライムを展開して本気で武田をぶっ倒そうとしていた汐留は何が起こったかはわからずとも、見知った庁内に居て、即応科棟の外側にワープした目の前の結果を理解した。
「.....武田さんの能力ですか?」
「いや、わしゃ知らん....あ」
「ん、なんです.....あ」
熱が冷めた彼らは落下しながら原因を考え始めていたが、買い出しに行っていた金髪男の開き切った茶色の瞳孔が、落ちてくる自分たちを静かに見ているのに気づいてしまった。
「・・怪我人は居ねぇから、良かったものの...」
その後、才亮が事の顛末を聞き大体わかった所であったが、そんなピタゴラ的に色々重なるものなのかと頭を抱えていた。
「武田。汐留が嫌がる事わざわざ言わんでいい。汐留も言われたら言われたで、いつも通り適当に流せるだろ、お前ら二人が真剣で殴り合ったらどっちか死ぬまで終わらないだろ。即応科内で殺し合いとか、勘弁だぞ。俺。」
「....す、すみません。」
「ぐぅ...」
汐留は少々熱が入りすぎたのを内省し、武田はそんな長期戦にならんとグゥの音を吐いた。
「ともかく、今回は不問だ。次やりたきゃ、実践試合内で、玄道とか俺が止められる範囲内で好きにやってくれ。」
「は、はい。」
「わかった。」
「じゃ、廊下の床直してこい。」
「はい。」
「.....おん。」
床も建築菌糸でできているため、霧吹きと片手板トンボを渡されて事件現場へと向かった。
「...時雨。」
「っ...はい!」
彼らを見送った才亮は時雨の方へ向き直り呼ぶと、彼女は勝手に怒られるものだと思い身構えたが、彼は真剣な面持ちで顔を近寄って小声でそう呟いた。
「....お前の召喚獣。能力詳細は、必要とあらば俺らにも言うな。わかったな?」
「っ...は、はい。」
今回は目撃者も今のところ即応科のメンバーだけだったため、実践訓練の延長という事で内々で処理出来た。
それよりも時雨の召喚獣クゥさんの能力拡張現象が見られていた場合、色々と不味く、その深刻さを伝えるには十分な忠告であり、それは才亮が彼女の味方であることの証左であった。
『....んなぁ?』
が、さっきのを褒めて欲しくてぬるっと現れているクゥさんは、真剣な面持ちの彼女を見てコテンっと首を傾げていた。
「ーーー・・おっ昼寝、おっ昼寝っ!」
『んなっ!...んなぁっ!』
そうして、時雨がお昼を食べてハミガミをして、クゥさんとスキップしてるんるんで仮眠室へ向かっていると、即応科内で出動のサイレンが鳴り響いた。
「..おっ仕事ぉー!!おっ仕事っー!」
無理やり仕事モードに切り替えさせるために、そのままの勢いでスキップして出動した。
ーーーーウォォォォンっ!!
「.....っ」
一方、同じ時刻にして、昼食と昼寝を済ました武田は座禅中に出動サイレンを聴き、ゆっくりと目を開き携帯を確認した。
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