日本国 召喚獣管理省 関東庁 召喚獣総合事案即応科。

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クロトラ

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「ーーー・・多摩第二学校にて召喚式時に、召喚された虎型召喚獣が管理官と交戦、管理官一人重傷。現在、西南西へと逃走中。」
 
 才亮は眉間に皺を寄せながら事案発生時の聴書を共有していた。

「いや...召喚式でこんなのって...ここ数年なかったんじゃ...」

 首都圏は、全国でハイペースで召喚式を行わないと捌けない事もある点から、事故件数も相関的に増えるとされるが、その分日本国内でも選りすぐりの強力な召喚獣管理官、警察、機動隊、自衛隊などが配備されているため、もって召喚式においては実績と実力が伴った管理官と警察官が立ち会うため、学校外へ逃げられるような事案はここ数年一件もなかった。

「途中、召喚獣用の食糧庫があったような?そこには、見向きしなかったのですか?」

「あぁ、一直線に向かってる。」

 スマートウォッチから投影されているホログラムには、今もなお追跡ドローンからの情報が反映されたマップと、そのマップ上を俊敏に動く対象召喚獣が写されていた。

「早いですね...着いて、猶予は5分くらいですか」

「あぁ、相模野原田カントリークラブで罠を張って、そこで叩く。」
 
 すでに警察官や管理官は協力して、一直線に向かっている黒い虎型召喚獣が通るであろう開けた所にて捕縛作戦を遂行しようとしていた。

「空中警備隊は近づけないんですか?」

「空警は空から牽制してはいるが、纏ってる黒い蒸気が邪魔して、デバフが通らないらしい。」

 時雨は安全圏からの捕縛や対処可能な空中警備隊について聞くが、捕縛にまでは進めるには手札不足であった。

「....耐性持ちに、常駐の管理官を倒した...か。」

 静かに聞いていた武田は今回の事案の期待度にエンジンをかけていた。

「あぁ...だから、今回は殺しも視野だ。」

 召喚式では経験豊富な召喚獣管理官が必ず立ち会う。東京の学校に常駐している管理官であれば尚更、今回のような事態は起こるのはかなり稀であり、捕縛を一手としてそれが頓挫すれば殺処分も厭わない事態であった。

「ほぉ、良いのか?科長。」

「あぁ、タケ。お前の判断でやっていい。」

「御意。」

「ぁ....」

 淡々と慣れた言質を取った武田であったが、その様子をプラプトルに一緒に乗っている汐留の背中越しにみていた時雨は言いたげだった何かを飲み込んだ。

 そして、黒い虎型召喚獣、通称クロトラが相模野原田カントリークラブに来るまで5分を切ったところで到着した。

「お待ちしてました。神奈川県警の小野です....あ、武田さん!」

「ん、知り合いか?」

「いや、知らんのぉ」

「いやー、この前の事案も助かりましたよー!武田さんがいるならなんとかなりますねぇー!」

「あー、罠と捕縛が失敗したら、武田とクロトラがサシでやれるように調整したい。良いか?」

「了解しました!!」

 武田の即応科での働きぶりを知っていた現場責任者であった小野と話が早々についた。
 
「えぇ....ん、子供?あの子が、召喚主ですか?」

 トントン拍子さに感嘆していると、張られた網網の物理罠を泣きそうな顔で見ている場違いな子供がいた。

「あー...一応、捕縛名目ですからね」

「そう...ですか...」

 汐留がそう答えると、時雨の顔も同じくらい曇ってしまった。

 そして、アテ通りにクロトラは出発した学校から一直線に駆け、このカントリークラブへと現れた。

『...グルゥゥ』

「....来たか...」

「あれが....クロトラ」

 諸撃の網網の罠は無事に起動したが、纏っている黒い蒸気に阻まれて簡単に抜け出されていた。

「....」

『ガルゥ...』

 着いてクロトラが到着するまで5分もない状況であったが、西南西に向かおうとしていることから、罠の先に武田が待ち構えるだけで十分であり、万が一のために離れた位置で他の管理官や警察官が控える形となった。

「よく見ておけ、安全圏でタケの動きを観れるのは、なかなかない。」

「は、はい」

 武田が向かった現場では、近接戦闘は彼に一任され才亮が遠距離攻撃でアシストし、汐留がサポートに回るといった体制であった。
 そのため、管理官や警察官たちが万全の態勢で控えている中で、この距離で見れるのは貴重な機会であった。

 両者、睨み合い。距離感を保ちながらも、円形に回ってジリジリと距離を詰めていた。

 そして、誰が合図したわけでもなしに、戦いの火蓋は切って落とされた。

「.....ーーーっシ!」

『...ッ....!』

 居合から放たれた一線は、纏っている黒い蒸気を貫通し後ろへ飛び下がったはずのクロトラの頬に傷を与えた。

『...グル...?!』

 異質な黒い蒸気を纏うことで肉体への衝撃を最小限にし、ほとんどのデバフや先の甲殻を纏ったヒトの毒も自身には効果をもたらさなかった。
 しかし、それらとは違うヒトは自らに血を流させた事に驚き、そして同時にクロトラは激しく怒り、蒸気をより濃くそして自身の体に鋭利に纏わせ、加速しながら彼に突進した。

『.....グラァァァウ!!』

「....スゥ(...あの、黒いのは耐性の補助と衝撃の吸収あたりか、汎用性は高いな。)」

 一方で、武田は不気味なほど静かにクロトラの黒い蒸気について分析しながら、突進してきたクロトラを寸前に受け流した。

ーーーズゴォン!!

 転回し損ねたクロトラは後ろの大木を倒し、先よりも蒸気が薄まった状態で向き直り、土煙の中爪型の斬撃を飛ばした。

「...っ!..ほぅ」

 が、彼の刀剣の前ではその斬撃は届かず、一振りで地面に振り下ろされた。

『....グルウゥゥ!!』

『...スゥ...!』

 そして、またも姿勢を低くして、加速しながら突進してきたクロトラが直前に来た所で、飛び上がってガラ空きになっている背中をぶった斬ろうとした。

『...っ!』

『....ッ...グガァウ!!』

 その時、土煙内で空に飛ばしてた爪の斬撃が彼の頭上へと降り注ぎ、同時にクロトラは低くした姿勢をそのまま地面にめり込ませて加速した速度を殆どのロスなく、彼の方へと向かわせ咬筋を広げて彼を食おうとした。

『...シッ』

 背には爪の斬撃、横目にはクロトラと挟まれた彼はその場で回転し全てを斬り倒した。

『グガぁぁ?!...ッ...ゥ』

 おそらくこの攻撃方法は向こうの世界では破られたことがないのであろう、加速に使った蒸気を吐き出したクロトラは彼の斬撃をモロに受け、地面に伏せてしまった。

「....スゥ」

『....グッルゥ』

 刀剣を天へと突き立てる武田を前にして、目は死んでいないが、クロトラは確かに『やるなら、
さっさと殺せ』と鳴いた。

「...!」

 久しぶりのサシでの勝負に満足した武田は、刀を振り下ろそうとした。

「....待ってぇっ!!!」

 その時、配置的に、時雨の横に居た召喚主の女の子は彼とクロトラとの間に入った。
 本来なら右隣にいた才亮が彼女を止めるべきであったのだが、時雨のなんの曇りもない横顔に直感的に行かせてしまった。

「....なんだ?」

「っ...」

 生々しい殺意を浴びた女の子は気圧されるが、それでも言わなくてはならないことがあった。

「この子は、寝起きが悪いだけなの!私が起こしちゃったから、それで機嫌悪くなってただけなの!!」

「......」

 切り殺そうとした武田であったが、彼女の言い分に構えそのままに一考した。

「.....お前は、そいつを扱い切れるのか?」

 後ろのクロトラも息絶え絶えで戦闘継続の意思も見えなかったことから、答え次第では女の子をどかして斬り殺すことも厭わないプレッシャーをかけてそう聞いた。

「っ....出来なくても....出来ます!!」

「......かかっ、そうけ。悪さするなよ。」

 剣呑な空気は一転して、彼女の不器用な意志を気に入ったのか納刀して、女の子の頭をポンポンして踵を返した。

「ぁ....は、はい!!」

「....ボス。スラ...汐留。あとは頼んだけぇ」

「...あぁ、わかった。」

「....はい。」

 言葉を多く交わさずとも、彼女の権利保護と学校のカリキュラムとは別の強力な召喚獣との関係性を構築するプログラムの選定など、諸々を才亮に任せた。
 また、出血多量で死にかけているクロトラの処置を、汐留とシゲモチさんに任せた。

 その後、現場での後処理や一時保管の手続きなどは才亮が担い、応急処置を終えて病院への引き継ぎを終えた汐留、女の子を行かせた事でみっちり詰められた時雨、スッキリした様子の武田ら面々は直帰を命じられた。

 その帰り道、時雨は先まで詰められていた事はなんのそのと、武田の剣術を目の当たりにしたふわふわとした気持ちを振り返っていた。

(一手一手と、着実にクロトラを削り、衝撃や攻撃を避けて、流す...あれはまるで空中を泳いでいるよう。いや、祭事の前に踊る、演舞に近いかなぁ...)

「観客になってしまっていた私たちにも非がありますが、あの女の子が飛び出した時...なぜ止めなかったんですか?」

 円になって囲うように武田とクロトラとの戦いを見て、尚且つ手出ししないようにと前もって通達されていたというのもあってコロシアムの観客のようになってしまった他管理官、警察官にも責任があったが、汐留はどこか気というか心ここに在らずという時雨に気になっていた事を聞いた。

「まぁ...その、私にはクロトラさんはおっきい黒猫さんにしか見えなかったので....」

「!....」
「...っ!」

 静かに目を瞑って内省していた武田と汐留はそれを聞いて目を見開いた。

「...っ..かかかかっ!おもっしぃのぉ、新人!かかっかかっ!」

 実際に相対していた彼なら多少は批判してはいいものの、彼女のその見方はまさに召喚獣管理官でありその事を愉快そうに笑った。

「確かに、そう見えますか...?」

 時雨がつけているキーホルダーをおもちゃ代わりにして叩いて跳ねさせて遊んでいるクゥさんを見るが、思い出しても汐留にはクロトラは肉食のちゃんと凶暴な召喚獣に見えていた。

「あ!一応、飛び出した彼女に深淵のキーを乗せたので、いつでも助けれましたよ」

「....今日は、どこか美味しいお店いきましょうか」

「えぇ!いいんですか?!」

「はい、ついでに武田さんもきますか?」

「うむ....わしゃ、寝る!」

 その辺はちゃんと抜かりない時雨に感心した彼女は、ついでに武田にも誘いを出すが彼のマイペースはとどまることを知らなかった。

 そして、時は同じくして、引き上げ作業が完了した相模野原田カントリークラブにて

「ーーー・・....」

 才亮は方位磁石とクロトラが向かっていた方角、そしてマップを照らし合わせていた。

 その先にあったのはーーーー




「....富士の山。」











ーーーあとがきーーーー

壮年の管理官ー亀田 虎助。170cm 70kg 
後もうちょいで定年だったが、今回の事案で満額定年退職に

召喚獣:スベマン。
半寄生型で召喚主の印に添えると、甲殻が展開してアーマー化する。




ちょこっと一間

 後日、病室にて、片腕を持ってかれた定年間近の管理官は泣きながら謝る女の子にただ一言。

「ははっ、これくらい数ヶ月で治る。」

「....でも....」

 治るから..とかそう言う問題ではなかった。心臓付近にまで行っていたら百戦錬磨の彼であっても死んでいたその責任が彼女にのしかかっていた。

「おまえさんの召喚獣は、弱い召喚獣を守る強さを持っている。それを忘れるな」

「っ....ぅ....はい。」

 彼女は顔を上げ、歯を食いしばりながら涙を抑え頷いた。
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