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「なぁ、そろそろ頼むって」

「またゲームの話か?」

「そうそう!このゲーム面白いんだって!大抵のゲームで上位に君臨できるお前なら絶対に気に入るからさ!」

「はぁ…あのなぁ、あれはおまえが負けないクランを作るって言って俺任せにしたからだろ?
そもそも、俺はゲームはあまりしないんだ」

「そのゲームには魔物を従える職業も最近出てきたんだよ。だから、な?頼むよぉぉ!」

「…はぁ、全く…お前の頼みを聞くのはこれで何十回目だろうな…」

実際、こいつはゲームを見つけてはこちらを頼り、それに飽きたら別のゲームに移り…それを繰り返している。
まあ、こちらとしてはゲームを買うのは向こうだから別に構わないが…

「はぁ…全く…」

「明人、いつもの?」

「ああ、いつものだ」

「いつも弟が悪いわね」

「そう思うなら変わってくれよ…」

「嫌よ、私も楽しみたいもの」

「似た者双子、だな」

さて、確かこいつが言っていたゲームは…お、あったあった。
最初に獲得する職業はランダムだが、第2第3の職業は教会で選択出来るという…
ふぅむ、リセマラも不可能と…これで上位を目指すのは難しくないか?
全く…厄介事が多過ぎるな…

「それじゃ、早速今日から頼むぞ!」

「待て、前のゲームはどうするんだ?」

「副ギルド長に権利を全部渡したから大丈夫だ!」

「NPCも流石に泣くレベルだぞ…」

ふぅむ…にしても、テイマーねぇ…中々に厄介な職業だが、その分これ…最強職じゃないか?
よし、やってみるか…

「分かった。んじゃ、今からお前の家に行けば良いか?」

「ああ!」

「んで、結局俺の役割はなんだ?」

「困った時に手助けしてくれたら良いかな」

「…おいおい、それだと俺じゃあ無理だぞ?流石にレベル差がありすぎる。大体、お前はベータ版だろ?」

「あー…まあ、お前なら何とかできるだろ」

「いやいや…もし俺がテイマーになったらどうする気だよ」

「んー、まあなんとかなるだろ」 

これは…交渉しないとな。

「はぁ…わかった、俺にできることならその時によるが協力しよう」

「わかった」

「だが!その代わり、難易度によっては報酬を決めさせてもらうぞ」

「それはもちろんだ」

これで良いかな…ん?…ほぉ、職業は基本的なものしかなく、生産職はないのか…
そのおかげで生産スキルは幾つでも取得可能と…職業の代わりに派生スキルなどもある…らしい?多分、そこら辺は曖昧なんだろうな…

「お、着いたぞ。んじゃ、ちょっと待っててくれ」

ある程度攻略情報も頭に入れておかないとな…ん?ゲームの資金は現実の資金に変更可能?…大丈夫か?これ…ああ、なるほど。世界規模で巨大な会社がこれを運営しているからか…まあでも、10ゴールドにつき1円だからそこまでか。初期に貰えるゴールド数は500と…

「待たせたな、これをセットして、このスイッチを押したら起動するから」

「おう、分かった。んじゃ、家に帰ったら起動してみる」

「おう、チュートリアルが終わったら連絡してくれ」

「分かった」
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